
エノテカ株式会社は、1988年の創業以来、ワインの輸入から卸売・小売(通販および店舗販売)まで手がける、ワインのスペシャリスト企業である。2015年からはアサヒビールの子会社となり事業を拡大。同年、通販部門でSalesforce Marketing Cloudを導入した。 同社のECサイト「エノテカ・オンライン」では、常時2,000種以上のワインを販売。2018年には世界最大級ワイン検索サイト「ワイン・サーチャー」のリテイラー・アワーズにおいて、日本で唯一金賞を受賞している。
■ 設立:1988年8月
■ 従業員数:668名(2017年12月現在)
「“メルマガ主体のマーケティングは下火に”とも言われますが、当社にとってメルマガは購入につながる重要なチャネルです。」と語る村山氏は、導入当初からMarketing Cloudを担当。最初に取り組んだのは顧客の嗜好や購買履歴に基づくOne to Oneメール配信だった。 しかし、文面作成だけでなく仕様整理や社内調整、データ抽出対応など膨大な工数がかかり、施策が実行されるのは会議決定から1〜2カ月後。トライ&エラーには程遠い状況だったという。
そこで同社は、Marketing Cloudの専門スタッフを持つtoBeマーケティングに支援を依頼。現在は1〜2週間で施策を実行できる体制となり、「外部委託で本来のマーケティング業務に集中できるようになった」と村山氏は話す。
「スパークリングワインを試したい」「ボルドーで1万円以上の商品を好む」「ワインセットを購入」など、顧客の嗜好は多様で、基本情報や購買データ、EC行動データから導き出される。これらのデータはMarketing Cloudに蓄積されていたが、点在していたため新たなセグメント抽出には複雑な操作が必要だった。
そこでtoBeマーケティングは、複数データを統合し誰でも簡単にセグメント抽出できる「汎用セグメントマスタ」を提案。条件は画面上で絞り込み、保存・再利用も可能になった。利用開始直後から条件数は急増。
「正しくセグメントしたメルマガは、開封率150%、クリック率240%と大きな成果を上げています」と村山氏は語る。

エノテカオンラインのメルマガ購読者は主に30〜60代。未接触の若年層に向けLINE活用を始めた。
「LINEユーザーは20〜30代が多く、狙いどおりでした。さらに半数以上がメルマガ未購読・未開封層で、想定以上の結果でした」と村山氏。メルマガとLINEでユーザー層が棲み分けられていると分析する。
LINEでもMarketing Cloudを使い、嗜好に合わせたクーポンやカート落ち・閲覧商品のリマインドなどOne to One配信を実施。クリック率はメルマガより高く、有望なチャネルだが、今後はユーザー拡大が課題だ。

同社は2019年1月にリテールマーケティング部を新設し、通販と店舗で分かれていたマーケティングを一本化。ECサイトで利用していたMarketing Cloudに店舗データも統合していく方針だ。
「お客様がより便利にご利用いただけるよう、ECと店舗の情報をシームレスにする必要があります」(村山氏)。
商品や嗜好の幅広いワインの世界では、属性・購入頻度・行動データなど多角的な情報に基づくアプローチが顧客満足につながると同社は考える。
※本事例の各種情報は、2019年3月時点のものとなります