CDPの導入よって解決できる課題|導入手順や目的も解説
2025.05.22
2025.05.22
CDPを導入することで、これまで戦略と実行の一貫性が保てずに課題を抱えていた企業でも、マーケティング施策を効果的に改善することが可能になります。
ただし、導入の目的や手順を正しく理解していなければ、CDPを最大限に活用することはできません。そこで本記事では、CDPの役割や目的、期待できる効果、そして導入のステップまでをわかりやすく解説します。
toBeマーケティング株式会社では、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)である
Data Cloud の導入・活用をご支援しています。
具体的には顧客データの統合、セグメンテーション、アクティベーションなどを通じて、
データドリブンなマーケティングの実現に貢献します。
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さらに、複数の支援パッケージをご用意しており、企業ごとのニーズに応じた柔軟なサポートが可能です。
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本資料では、Data Cloudの基本的な機能や役割を解説し、MA(マーケティングオートメーション)との連携によって実現するデータ活用の具体的な方法を紹介しています。分散したデータの統合やSalesforce環境の複雑さに課題を感じている企業に向け、導入・運用の成功ポイントも解説。 こんな方におすすめです!
- Salesforce組織が複数あり、データ統合が難しい
- 請求先単位の分断で売上集計が困難
- 外部データの取り込みや分析がしづらい環境にある企業
CDPとは
CDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)とは、企業がさまざまな顧客データを一元的に管理し、マーケティングや営業活動に活用するためのプラットフォームです。
例えば、アクセス解析ツールから得られる「Webサイトやアプリ上での行動データ」や、CRMを通じて把握できる「顧客属性」「購買履歴」などの情報を統合し、個々の顧客に関するより詳細で実用的なデータを取得・活用できるようになります。
ここでは、CDPと混同されがちな他のツールとの違いについて、わかりやすく解説していきます。
CDPと混同されやすい、「DMP」「CRM」「MA」「BI」とは
CDPと混同されやすいツールには「DMP」「CRM」「MA」「BI」が挙げられます。
「CDP」は顧客データを統合し、マーケティングや営業に活用するためのツールです。
これに対し、「DMP(Data Management Platform:データマネジメントプラットフォーム)」は広告配信の最適化を目的とし、匿名データを活用して主にWeb広告のターゲティングに用いられます。
営業やカスタマーサポートで顧客情報に用いられる「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」は、顧客との関係強化を支援する役割を担います。
「MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)」はマーケティング施策の自動化に特化したツールで、メール配信や広告運用、リード管理などを効率化します。
「BI(Business Inteligence:ビジネス・インテリジェンス)」はデータの可視化と分析を行い、経営判断やデータドリブンな意思決定を支援するツールです。
これらのツールはそれぞれ異なる目的を持ちますが、「CDP」は個々の顧客データを統合し、より高度なマーケティング戦略の実施を可能にする点が特徴といえるでしょう。
ツール |
目的 |
主な活用領域 |
CDP |
顧客データの統合・活用 |
マーケティング、営業など |
DMP |
広告配信の最適化 |
Web広告など |
CRM |
顧客情報の管理(営業・カスタマーサポート) |
営業、サポートなど |
MA |
マーケティング施策の自動化 |
メール、広告、リード管理など |
BI |
データの可視化・分析 |
経営判断、データ解析など |
CDPの求められる背景
ここでは、CDPの求められている背景について解説します。
顧客起点のマーケティング戦略の重要性が増した
近年、企業のマーケティング戦略において「顧客起点のマーケティング」が重視されるようになっています。
消費者の価値観が固有化することなく多様化し、購買行動が複雑化しているためです。
特に、個々のニーズや行動に応じた最適なアプローチが求められるようになる機会が増えているのではないでしょうか。
デジタル技術の進化により、顧客の購買履歴やWeb行動データをリアルタイムで把握できるようになったことで、企業はデータに基づくパーソナライズされたマーケティング施策を実施可能になりました。
こうした背景から、企業が競争力を維持・強化するためには、顧客データを統合・活用し、最適なタイミングで適切なコミュニケーションを行うことが不可欠といえるでしょう。
プラットフォームの多様化
近年、消費者が利用するプラットフォームが多様化しており、企業のマーケティング戦略において、あらゆる需要に対応したデータの精査が求められています。
企業が効果的なマーケティングを展開するためには、こうしたデータの一元管理が必要となります。
従来は、テレビや新聞などのマスメディアが主な広告手段でしたが、現在では「Webサイト」「SNS」「アプリ」「ECサイト」「実店舗」など、さまざまな接点で顧客とコミュニケーションを取る必要が生じてきました。
こうした環境の変化により、各プラットフォームで分散している顧客データを統合し、一貫したマーケティング施策を実施することが重要になりました。
CDPは、異なるチャネルのデータを集約し、顧客の行動や属性を統合的に把握することで、より精度の高いターゲティングやパーソナライズが可能です。
DX人材の不足
近年、企業のデジタル変革(DX)が進む一方で、専門的なスキルを持つ人材の確保が大きな課題となっています。
特に、マーケティング分野ではデータを適切に分析し、戦略的な活用可能なDX人材が不足しており、データの活用が属人的になりやすくなっていることが多いのではないでしょうか。
特定の担当者に依存する運用では、ノウハウの継承が難しく、効果的なマーケティング施策の継続が困難になりやすいといえるでしょう。
CDPを導入することで、顧客データの統合管理と自動化が進み、属人化の解消につながります。
また、マーケティング部門や営業部門が簡単にデータを活用できる環境を整備することで、専門知識がなくてもパーソナライズ戦略の実行へつなげることができるようになるでしょう。
CDPの役割と目的
ここではCDPの役割や目的について解説します。
CDPの自社における必要性があるのか疑問に感じている方はぜひ参考にしてみてください。
社内に分散した顧客データの統合・管理
企業内には、「営業」「マーケティング」「カスタマーサポート」など複数の部門にまたがる顧客データが存在する場合があります。
これらのデータを一元的に統合・管理するために、CDPであるData Cloudはクラウド上のデータモデルへマッピングを行い、運用に合わせたセグメントを実装することが可能です。
具体的には、企業は顧客理解を深めるための最適なデータ環境を構築できます。
また、異なるデータソースに存在する顧客情報を統合し、同一人物として識別する技術である「ID解決」による顧客統合モデルを実装することも可能です。
異なるデータソース間での顧客識別を可能にすることで、より精度の高いマーケティング施策が実施できるようになるでしょう。
toBeマーケティング株式会社では、データの集計を通じて活用可能な情報を整理し、企業のニーズに応じた顧客統合を行うパッケージも存在します。
このような、パッケージを用いることで企業規模や目的に応じた柔軟な活用が可能になるでしょう。
詳細なペルソナに則したマーケティング戦略
マーケティングにおいて、ターゲットとなる顧客像を明確にする「ペルソナ設定」は重要なプロセスです。
しかし、自由度が高い点や業種や商材ごとに特性が強く出やすい側面も持つため、属人的になりやすいという課題が顕在化している企業も少なくないのではないでしょうか。
従来のペルソナ設計では、担当者の経験や勘に依存することが多く、客観性に欠ける場合があります。
そのため、定量的な視点に基づいたデータ活用が求められます。
CDPを活用することでデータドリブンなペルソナ設計が可能になり、主観的な判断を排除したより精度の高いターゲティングが実現できるようになるでしょう。
CDP導入によって解決できる課題
ここではCDP導入によって解決可能な課題を幾つか紹介します。
自社の課題に近いものがある場合はぜひ参考にしてみてください。
マーケティング施策に一貫性がない
企業のマーケティング施策において、一貫性の欠如は大きな課題となることがあります。
特に、購買データの紐付けが不完全な場合、オンラインとオフラインの顧客データが分断され、オムニチャネル戦略の実行が困難になりかねません。
CDPを導入することで、オンライン・オフラインのデータを統合し、各チャネルで統一された施策を展開することが可能になります。
また、顧客ごとに統一されたプロファイルを作成し、「広告」「メール」「アプリ」などのタッチポイントと連携させることで、一貫したマーケティングを実施することも可能になるでしょう。
さらに、実店舗とECの購買データを横断的に分析することで、シームレスな顧客体験(CX)を提供でき、顧客満足度の向上にもつながるのではないでしょうか。
サポート部門とマーケティング部門の情報が連携していない
企業の体制によってはコールセンターやチャットサポートでの問い合わせ内容がマーケティング施策に十分活用されない場合があります。
その結果、顧客の実際の課題や不満がマーケティング戦略に反映されず、適切な施策が打てない状況が生じやすくなる場合もあるのではないでしょうか。
CDPを導入することで、サポート部門で蓄積されたデータをマーケティング部門と統合し、施策の精度を向上させることが可能です。
例えば、問い合わせ内容を分析し、よくある質問に対するFAQコンテンツやチュートリアル動画を提供することで、サポート業務の負担を軽減できます。
また、クレーム対応履歴のあるユーザーには、特別なフォローアップ施策を実施することで、顧客満足度の向上につなげることもできるようになるでしょう。
このように、CDPの導入によってサポート部門とマーケティング部門のデータを連携させることで、より顧客に寄り添ったマーケティングを実現し企業の競争力を向上させることができます。
顧客獲得単価(CAC)が上昇している
顧客データが断片的なままだと購入に至るまでの最適なアプローチができず、無駄な広告費が発生しやすくなり顧客獲得単価(CAC)が上昇する場合があります。
CDPを活用することで、既存顧客のデータを統合・分析し、類似オーディエンスを作成することで広告のターゲティング精度を向上させることが可能でしょう。
さらに、新規顧客の行動データを分析し、効果的なコミュニケーションフローを構築することで、購買までの導線を最適化できます。
このように、CDPによってデータ活用を強化することで、無駄な広告費を削減しながら、より効率的な顧客獲得を実現することができるようになるでしょう。
CDP導入の手順
CDP導入の手順を順番に解説していきます。
導入を検討している企業の担当者様はぜひイメージの一助にしてみてください。
要件定義
CDPを導入する際には、まず「要件定義」を明確にすることが重要です。
最初に、CDPを導入する目的を設定し、期待する成果を具体化します。
例えば、「顧客データの統合によるマーケティング精度の向上」や「パーソナライズ施策の強化」など、事業課題と直結する目的を明確にします。
次に、現状のデータ環境を把握しましょう。
社内にどのようなデータが存在し、どのシステムと連携が必要かを整理します。
この過程により、適切なデータ設計が可能になり、スムーズなCDP導入につながるといえるでしょう。
データ戦略の策定
CDPを効果的に活用するためには、適切なデータ戦略を策定することが重要です。
まず、どのような顧客データを収集するかを決定し、収集を実際に行う手段を整えます。
Webサイトやアプリの行動データ、CRM、購買履歴など、多様なデータソースを統合する必要があります。
次に、収集したデータの前処理を行い、フォーマットの統一やノイズの除去を実施します。
さらに、セキュリティ対策やデータガバナンス強化も欠かせません。
適切な管理体制を構築することで、安全かつ効果的なデータ活用実現に近づくでしょう。
システム実装とテスト
CDPの導入において、システムの開発と設定は重要なプロセスです。
まず、要件定義やデータ戦略に基づき、データの取り込み、統合、分析を行うためのシステムを構築します。
例えば、API連携やデータパイプラインの整備を行い、データソースとなるソリューションとの連携を確立しましょう。
次に、実装したシステムが適切に機能するかをテストし、「データの正確性」や「処理速度」「エラーの発生有無」を検証します。
この過程を経ることで、運用開始後のトラブルを防ぎ、安定したCDP運用を実現できるようになるでしょう。
運用開始とブラッシュアップ
CDPの導入後は、運用を開始しながら継続的な改善を行うことが重要です。
まず、設定したデータフローや各セグメントが適切に機能しているかを確認し、マーケティング施策に活用します。
初期段階では、データの精度や処理速度を検証し、必要に応じて調整を行うことがおすすめです。
同時に、実際の運用を通じて得られた課題をもとに、システムの設定やデータ統合の最適化を進めましょう。
また、定期的なパフォーマンス分析を行い、CDPの精度を高めることで、より効果的なデータ活用が可能になるでしょう。
まとめ
CDP(Customer Data Platform)は、企業が持つ顧客データを統合し、より効果的なマーケティングや営業活動を実現するための中核的なプラットフォームです。
本記事では、CDPの基本的な役割やDMP・CRMなど他ツールとの違い、求められる背景から、導入の手順、そして具体的に解決できる課題まで幅広く解説しました。CDPを活用することで、マーケティング施策の一貫性を確保し、サポート部門との連携によるCXの強化、さらにはCAC(顧客獲得単価)の抑制といった成果も期待できます。
また、社内のデータ環境や人材リソースの課題を抱える企業にとっても、CDPは属人化の解消やナレッジ共有の促進といった効果を発揮します。
導入にあたっては、要件定義から運用・改善フェーズまでを段階的に進めることが重要であり、目的に合ったデータ設計と継続的なブラッシュアップが成功のカギを握ります。
データドリブンな組織づくりを目指す企業にとって、CDPは単なる「データ管理基盤」にとどまらず、顧客理解と事業成長を加速させる強力な武器となるでしょう。
なお、toBeマーケティングでは、セールスフォース・ジャパン社の CDPであるData Cloudの導入・設計支援から、BtoC向けのセグメント構築・活用定着まで一貫した支援を提供しています。CDPの導入に興味のある方や活用に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
✔︎顧客データが分散していて、統合・活用がうまくできていない方
✔︎セグメント設計やパーソナライズ配信に課題を感じている方
✔︎CDPを導入したものの、活用方法が定まらず成果につながっていない方
上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ!弊社サービスをご活用ください!
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