
「見なかったことにしない」!MA・CRM連携で発生する同期エラーの対処法 Vol.3
全3回でお届けする同期エラーに関する解説も、遂に今回で最終回となります。
toBeマーケティング株式会社では、顧客管理(CRM)に関する現状分析や課題抽出を行う「CRMアセスメント支援」や、CRM導入支援を提供しています。また、顧客の業務課題に対して、CRMの効果的な活用や業務プロセスの改善、顧客データの整備などを通じて、Sales Cloud をはじめとするCRMツールの導入・構築をサポートいたします。
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さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携や、顧客情報の一元管理による営業活動の効率化など、包括的な支援も可能です。
Salesforce CRMの活用成功事例 6選のご紹介 〜顧客データ統合とDX推進のポイント〜
本資料は、Salesforce CRMを活用した顧客データの統合および業務プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX )に取り組む企業様の成功事例を多数ご紹介しております。
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本日のお話は、一見わかりづらいこのテーマです。
Deduplication matching rule conflict
これは簡単に言えば「同じ人が既に存在しているかもしれない」と指摘されている状態です。厄介なのは「違う、問題ない」とこちらから確信を持って言えないことなのです。
重複ルール/一致ルール
Salesforceには、データの重複を防ぐための機能が標準で備わっています。これがあることで、重複の可能性があるレコードを確認でき、マージ(統合)処理を行うことが容易となっています。
ユーザーの皆様自身でカスタムで作成することもできますし、前述の通り標準で有効になっていますので、何もしなくても自動で重複判定をしてくれているのがSalesforceです。
ですが、この便利機能が、Account Engagementの同期に深刻な影響を与えているのです。
エラーになる主なケース
エラーになるのは主にプロスペクトからリードを作成する際になります。
その際に影響しているのが、以下の標準の重複ルールです。
リードの重複ルール
氏名(姓・名)が一致し、かつ以下のいずれかの組み合わせが一致する場合
- 会社名 と 役職
- 会社名 と 電話番号
- Eメール
- 電話番号
- Eメール と 役職
- 住所 と 役職
- 住所 と ( 市区郡 または 郵便番号 または 電話番号 )
取引先責任者の重複ルール
氏名(姓・名)が一致し、かつ以下のいずれかの組み合わせが一致する場合
- 会社名(取引先名) と 役職
- 会社名(取引先名) と 電話番号
- Eメール
- 電話番号
- Eメール と 役職
- 住所 と 役職
- 住所 と ( 市区郡 または 郵便番号 または 電話番号 )
取引先の重複ルール
以下のいずれかの組み合わせが一致する場合
- 取引先名 と 住所(請求先)】
- 取引先名 と 市区郡 と 都道府県
- 取引先名 と 郵便番号
- 取引先名 と 電話番号
- Webサイト と 電話番号
- Webサイト と 住所(請求先)
リードだけでなく取引先責任者と取引先も同様に重複していないか確認しにいくのが標準となっており、その中でも、
- 電話番号が完全一致ではなく部分一致である
- 既存の取引先情報との一致判定をしてしまう
点が少々使いづらく、以下のようなことが起きてしまいます。
例1)取引先責任者に存在する同姓同名(別人)が重複判定されてしまう
- 既存の取引先責任者:toBeマーケティング株式会社、田中 一郎、03-6262-6316、tanaka@tobem.jp
- 新規プロスペクト:株式会社ASISセールス、田中 一郎、03-6262-3598、itanaka@asis.com
会社もメールアドレスも違う別人であるにもかかわらず、重複判定されます。
例2)既に取引先として登録されている企業の別担当者(取引先責任者に登録されていない人)が重複とみなされる
- 既存の取引先:toBeマーケティング株式会社、〒104-0031東京都中央区京橋一丁目6番13号VORT京橋Ⅱ 5F
- 新規プロスペクト:toBeマーケティング株式会社、田中 一郎、tanaka@tobem.jp、東京都中央区京橋一丁目6番13号VORT京橋Ⅱ 5
会社は既に登録されていますが、新しい担当者(取引先責任者としては未登録)なのに、重複とみなされることがあります。
解消するには?
まず「そんなルールを停止してしまえ」となりそうですが、そうなるとSalesforceへの影響も大きく、重複判定がされなくなりマージ処理がしづらくなることで、データベースとしての信頼性を落としてしまいかねません。
よって、以下の2通りのどちらかの方法での検討をおすすめします。
1. 新たな重複ルールの運用(カスタムルールの作成)
弊社もこのパターンで、標準ルールではなくカスタムでルールを作成し運用しています。
重複ルールは一致ルールの組み合わせで設定されています。標準の一致ルールはカスタマイズできませんが、独自に作成すれば条件を任意に設定することが可能です。そのため、上記のように部分一致判定されてしまう電話番号を除外するルールの設定が可能になります。
ただし、作成にはそれなりの検討と検証が必要になりますので、すぐにできる対策ではない点だけ注意が必要です。
2. 重複ルールの条件追加(同期を除く設定)
新たなルール作成に対し即効性のある方法です。
既存の重複ルールに「Account Engagementからの同期を除く」という設定を加えます。
コネクターユーザーのユーザー名、もしくはプロファイル名などで除外条件を設定します。
こうすることで、Account Engagementからの同期時には、標準の重複ルールをスキップすることが可能になります。当然Salesforceにはこれまで以上に重複レコードが作成されることになりますが、詳細な理由がわからなかった状態よりは、重複するレコードが見つかり対処がしやすいという見方もできるかと思います。
運用方法 | 特徴 | 考慮点 |
重複ルールで制限する場合 | データの重複を抑制できる | どのルール/レコードに引っ掛かっているのかがわかりづらい |
重複を許容しSalesforceでマージする場合 | どのレコードとの重複判定がされているのかがわかるため、対応方法を検討しやすい | Salesforce側でのマージ作業が必要になる |
いかがでしたか?以上で同期エラーに関する解説は終了です。
もちろんこの他にもエラー原因は色々ありますが、本日までのお話をもとに、一つ一つのエラーと自信を持って向き合っていただきたいと思います。
もし自社での対応が難しければ、ぜひ弊社へご相談ください。
Salesforce CRMの活用成功事例 6選のご紹介 〜顧客データ統合とDX推進のポイント〜
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