
【Account Engagement活用術】「記録」を施策の「成果」に変えるデータ分析の黄金律
Account Engagement (旧Pardot) 活用法
多くの企業がマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入し、見込み客(プロスペクト)の行動履歴データを日々蓄積しています。しかし、「膨大なデータが溜まっているだけで、どう活用すればいいかわからない」「施策の成果につながっているか不明」という課題を抱えている担当者は少なくありません。
この課題を解決する鍵は、MAに蓄積されたウェブサイト訪問やメール開封などの「行動履歴」を、単なるデータの記録にするのではなく、マーケティングファネルの各段階でどう解釈し、具体的な施策にどう活かすかを知ることです。
本記事では、SalesforceのMAツールである「Account Engagement」のデータをSalesforce CRMデータと連携させて成果を最大化する、実践的なデータ活用法を解説します。

こちらのサービスはこんな方におすすめです!
- Web施策の成果を営業にうまくフィードバックできず、部門間での情報共有に課題を感じている方
- Google Analyticsだけでは営業に活かせる具体的なデータが見えないと感じている方
- Salesforceなどの活用を通じて、営業とマーケの連携を強化したいと考えている方
1. 新規リード獲得:潜在顧客の「声なき声」を捉える
新規リード獲得の段階では、まず「どんなコンテンツが新しい顧客の関心を引いているか」を把握することが重要です。
分析のゴール:集客施策の戦略立案の根拠を探る
Account Engagementのレポートでプロスペクト数(見込み客数)が多いページやコンテンツを抽出します。これは、多くの新規企業が関心を持っているテーマを示唆するため、集客施策の戦略立案の根拠として活用できます。
以下のような活用方法が挙げられます。
SEO強化の一環として、ウェブサイトのコンテンツ制作のテーマとして活用する
Web広告のメッセージやキーワード選定などに活用する
ウェビナーやオフラインセミナーのテーマとして検討する
注意すべき点としては、アクセス数が多いページが実は一部の企業に集中している場合があります。このような場合は、個社単位でアクセス状況を確認し、その企業が何に興味を持っているのかを特定することが重要です。
「アクセス数が多い=多くの新規企業の課題」とは限りません。企業単位での分析をすることで、広範囲に活用可能な施策なのか、特定企業をターゲットとしたABM施策として活用するのか、使い分けすることが可能になります。
2. リードナーチャリング:受注と失注を分けるコンテンツを探る
ナーチャリング(見込み客育成)の段階では、Account Engagementに蓄積されたデータとSalesforce CRM/SFAの「受注」「失注」データを連携させることが非常に有効です。
分析のゴール:受注につながる「黄金ルート」を特定する
受注企業と失注企業の間で、閲覧しているコンテンツや起こしたアクション(ウェブサイト訪問、メールクリック、資料ダウンロードなど)にどのような違いがあるのかを比較分析します。
受注企業が多く関心を示したコンテンツは、受注に繋がりやすい「黄金ルート」にある可能性が高く、このコンテンツを軸にしたナーチャリングシナリオを強化し、購買意欲をさらに高める施策を検討します。
失注企業が多く関心を示したコンテンツは、コンテンツ自体には集客力があるものの、その後の育成がうまくいっていない可能性があります。失注に至る原因を考察し、そのコンテンツの後に誘導するシナリオやメッセージを見直すことで、CVR(コンバージョン率)を高められるかもしれません。
※CVR:Webサイトへの訪問者のうち、購入や会員登録などの成果(コンバージョン)に至った人の割合を示す指標
例えば、受注企業は「事例資料」をよく見ていたが、失注企業は「無料ブログ」ばかり見ていた、といった傾向がわかれば、商談化に向けたコンテンツ提供の優先順位が変わります。
3. 継続・離反防止:既存顧客の「異変」を早期に察知する
既存顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めるためには、離反の兆候を早期に察知し、先回りして手を打つことが重要です。
分析のゴール:顧客のエンゲージメントレベルに合わせた個別アプローチを設計する
一定期間(例:3ヶ月)ウェブサイトへのアクセスやメールへの反応がない顧客を特定します。これらの顧客は離反予備軍である可能性が高く、再エンゲージメントのための施策(メール、電話、DMなど)を検討する必要があります。
また、Webアクセスとメールアクセスの分布図(散布図)を作成し、顧客を4つのグループに分けます。
それぞれのグループに合わせたコミュニケーションを設計することで、効率的なアプローチが可能になります。
まとめ:データ分析は「なぜ」を考えるためのツール
Account Engagementのようなプラットフォームは、単にプロスペクトの行動を可視化するだけでなく、「なぜこのコンテンツが人気なのか」「なぜこの企業は受注に至ったのか」といった「なぜ」を考えるための強力な基盤です。
マーケティングファネルの各段階で、データをダウンロードして多角的な集計や相関分析を行うことで、顧客理解を深め、成果に直結するマーケティング戦略を構築できます。最終的には、データの力を借りて「勘と経験」に頼らない、再現性の高い成長モデルを目指すことが企業の競争優位性につながります。
MAデータ活用の限界を突破する ― MAPlus × CRM Analyticsで実現する次世代マーケティング
多くの企業がAccount Engagement(旧 Pardot)を活用してマーケティング活動を行う中で、
「データを蓄積するだけで活用や分析に結びつかない」という課題を抱えるケースは少なくありません。
弊社toBeマーケティングでは、こうした課題を解決するために、Webサイト上のユーザーアクティビティをSalesforceへ連携し、Web行動履歴とAccount Engagementのアクティビティを1つのダッシュボードで可視化できるアプリケーション「MAPlus」を提供しています。
MAPlusを活用することで、顧客企業のWebサイトアクセス数やメール開封数などのエンゲージメントを定期的にモニタリングし、よりスピーディーかつ多角的なマーケティング施策立案が可能になります。
Option:アナリティクス連携オプションで、データ分析を次のステージへ
さらに、MAPlus アクティビティコネクターをご利用中のお客様向けに、Account EngagementのアクティビティデータをCRM Analyticsに連携できる「アナリティクス連携オプション」を提供しています。
このオプションを活用することで、Salesforce内のデータだけでなく、BigQueryやGoogle Analyticsなどの外部データとの統合分析が可能になります。CRM AnalyticsはSalesforce標準のレポートやダッシュボードよりも高いパフォーマンスと表現の自由度を持ち、柔軟なデータ加工や高度な集計を実現します。
「Account Engagementのデータをうまく分析できていない」
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