
Marketing Cloudでメールの開封率を改善するA/Bテスト「3つの秘訣」
Marketing Cloud Engagement 上手く運用するために気をつける点とは? 成功事例もご紹介
本ホワイトペーパーでは、Marketing Cloud Engagement の機能を解説し、企業がデジタルマーケティングを成功させるために、初期導入と運用時のよくある落とし穴とその回避策、導入の成功事例についてお伝えします。
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はじめに
メールマーケティングの成功は「開封」から始まります。どんなに完璧なコンテンツでも、開かれなければ効果はありません。
本記事では、Salesforce Marketing Cloud(SFMC)のA/Bテスト機能を活用し、開封率を劇的に向上させるための具体的で実践的な手法を解説します。勘や経験に頼るのではなく、データに基づき最高の「件名」や「送信者名」を見つけ出すためのステップを、今日からすぐに始めましょう。あなたのメールマーケティングを次のレベルへ押し上げます。
1. なぜ開封率が重要なのか? A/Bテストの基本の「き」
メールマーケティングの成功は、まずメールが「開かれる」ことから始まります。どんなに素晴らしいコンテンツを作成しても、開封されなければその努力はゼロになってしまいます。
メールマーケティングにおける「開封率」は、単なる数値ではなく、顧客とのエンゲージメントの第一歩を示す最も重要な指標です。この数字を高めることが、次のクリック率、コンバージョン率の改善、ひいてはLTV(顧客生涯価値)の向上に直結します。
Salesforce Marketing Cloud(SFMC)のA/Bテストは、この開封率向上に必須の機能です。勘や経験に頼るのではなく、少数のオーディエンスに異なるパターンを試行し、「データに基づいた最高の正解」を見つけ出すための強力なツールです。
テストを始める前に、必ず明確な「仮説」を立てましょう。「件名を短くすれば開封率が上がるはず」「送信者名に担当者の名前を入れた方が親近感が湧くはず」など、具体的な予測を持つことが、テスト結果を次のアクションに繋げる鍵となります
2. 開封率に直結する3大要素とは?(テスト対象の決定)
開封率を決定づける要因は、受信トレイで顧客が目にする最初の情報、すなわち「誰から、どんな内容で届いたか」の3要素に集約されます。
要素1:最重要!件名の切り口を変える
件名は、メールの「顔」であり、最も開封率に影響を与えます。以下のような切り口で仮説を立て、テストを行いましょう。
テストの切り口 | テストのバリエーション案 |
長さ | 短い(15文字程度) vs. 長い(30文字程度) |
感情 | 緊急性(「本日限定」「残りわずか」) vs. 好奇心(「知らないと損する〇〇」) |
形式 | 質問形式(「〇〇でお悩みですか?」) vs. 断定形式(「〇〇が解決しました!」) |
記号 | 絵文字・記号あり vs. 絵文字・記号なし |
要素2:誰から届いたのか?送信者名のテスト
顧客が「信頼できる相手」だと認識するかどうかで開封率は大きく変わります。
テストの切り口 | テストのバリエーション案 |
企業名 | 〇〇株式会社 vs. 〇〇株式会社 担当:田中 |
部署名 | 〇〇カスタマーサポート vs. 〇〇サービス事務局 |
特にBtoCや個人向けサービスの場合、個人名や担当者名にすることで、親近感が増し開封率が向上するケースが多く見られます。
要素3:本文の導入「プリヘッダー」を制する
プリヘッダーは、件名の隣や下に表示される短いテキストです。件名の「補足」として使うか、それ自体で開封を促す「追加メッセージ」として使うかで効果が変わります。顧客が多く利用しているメーラーでは何文字目までが表示されるかも考慮しましょう。
● 件名を補完::「【〇〇】の詳細は本文で!」
● 開封を促進: 「クリックしないと見えない、あなただけの限定クーポン情報!」
3. Journey BuilderでのA/Bテスト設定ステップ
Journey Builderのパスオプティマイザーを使えば、誰でも簡単にA/Bテストを実行できます。

ステップ1:「パスオプティマイザー」アクティビティの配置
複数ステップジャーニーの送信ポイントに「パスオプティマイザー」アクティビティをドラッグ&ドロップします。デフォルトのパスは2個ですが、最大10個のパスでテストできます。
ステップ2:テスト勝者条件とテスト期間を設定
パスオプティマイザーの設定画面で、テスト勝者条件を設定します。ここでは開封率を改善したいので、テスト勝者条件は「開封率」を選択します。他には「クリック率」「購読取り消し率」が選択できます。
テスト勝者を選択するまでにエンゲージメントを監視する時間(テスト期間)は、最低でも24時間は確保しましょう。顧客がメールチェックを行う時間帯や曜日を考慮すると、長めに設定する方が正確なデータが得られます。
ステップ3:オーディエンスの抑制とテスト勝者確定後のアクション設定
このオプションは、大規模な購読者リストに対して送信していて、最も成功したジャーニーパスに多くの購読者をエントリしたい場合に適しています。また、1回限りの送信でのみ使用可能なため、継続的に送信する場合は使用できません。
テスト用の連絡先と待機する割合で最も推奨される比率は、テスト用の連絡先を10%〜20%とし、残りの80%〜90%は待機して勝者メールを送信するパターンです。これにより、最も効果の高いメールが、残りの大多数(80%〜90%)に配信されることになり、リスクを最小限に抑えつつ効果を最大化できます。
勝者確定後のアクションとして、テスト期間が経過した後、勝利条件を満たしたメール(ここでは開封率が高いもの)を、抑制した残りのオーディエンスに自動的に送信するよう設定します。
ステップ4:テスト要素の設定
メールの設定画面で、テストしたい要素(件名、送信者名、メールコンテンツなど)を設定します。一度に複数の要素をテストすると、何が勝因だったか分からなくなるため、必ず一度に一つの要素だけをテストしましょう。
4. 【応用編】テスト結果を最大活用する3つの秘訣
秘訣1:テスト結果は「偶然」ではないか?
わずかな開封率の差(例:20.1% vs 20.2%)は、単なる偶然のブレかもしれません。SFMCのレポートを分析する際は、勝者のパターンが本当に優位なのか、統計的有意性を意識しましょう。もし差が小さい場合は、「差はない」と判断し、次のテストに進む勇気も必要です。
秘訣2:テストは「一度で終わらせない」
一つのテストで「件名の勝者」を見つけたら、その件名を固定し、今度は「送信者名の勝者」を探す、といったように、要素を絞りながら継続的にテストを繰り返しましょう。開封率が最大化できたら、次はCVボタンなどメールのコンテンツでテストを繰り返し、クリック率を最大化していきましょう。小さな改善の積み重ねが、大きな成果を生み出します。
秘訣3:勝者パターンを他のジャーニーへ「横展開」する
あるジャーニーで「質問形式の件名」の開封率が非常に高かったとしたら、その勝ちパターンを他のメールにも横展開しましょう。テスト結果を「組織の資産」として活用することで、マーケティング全体の効果が底上げされます。
【まとめ】A/Bテストは顧客理解への近道
いかがでしたでしょうか?
A/Bテストは、単にメールのパフォーマンスを向上させるだけでなく、「顧客が何に反応し、何を無視するのか」という貴重なインサイトを提供してくれます。このテストを習慣化することで、データに基づいた顧客理解が進み、長期的なLTVの向上へと繋がります。さあ、今日から開封率を上げるための最初のテストを始めましょう!
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