株式会社ベネッセコーポレーション様

マーケティングと現場が一体で顧客を育てる体制を構築。
MAとCRMを繋ぐ伴走支援がベネッセ高等学院の事業成長を加速させた

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株式会社ベネッセコーポレーション様

近年、学びの多様化や不登校児童生徒数の増加を背景に、通信制高校の市場は急速な拡大を見せている。その中で、株式会社ベネッセコーポレーションは新たに通信制サポート校「ベネッセ高等学院」をスタート。従来の通信制教育事業と比べて、顧客の検討期間が長くなる特徴があるため、長期的なエンゲージメントが求められる新規事業だ。事業立ち上げ期特有のスピード感と、部門を横断した緻密な情報連携が重要になる中、同社はtoBeマーケティング株式会社による顧客管理支援を導入。顧客情報を一元化し、マーケティング施策のPDCAを高速化させる体制を構築した。

■ 設立:1955年

■ 従業員数:2,159名(2025年時点)※グループ連結約17,082名(2024年3月時点)

本事例関連サービス名

・ Account Engagement 初期導入支援
・ Salesforce導入支援

業務内容

  • 最大1年の顧客接点と、部門間の密な情報連携。
    新規事業ならではの壁に直面

「私たちがこれまで扱ってきた塾や通信教材とは、お客様の検討プロセスや検討期間が根本的に異なっていました。塾の場合、『成績が落ちた』『受験に向けて』という明確な課題感から、複数の塾を比較し、長くても3ヶ月程度で入会を決める方がほとんどです。しかし通信制高校では、翌年4月の入学に向けて、最大で1年近く検討が続きます。その間、関係をどう築き、維持していくかのノウハウが私たちにはありませんでした」

長期的なエンゲージメントという新たな挑戦に加え、事業推進のスピード感を保つために、マーケティングチーム、運営チーム、キャンパス長といった各チーム同士の情報をいかにスムーズにするかという点が課題だったと言う。

広報・マーケティングチームはWeb広告や比較サイト、自社メディアなどで見込み顧客を獲得し、その後は運営チームが個別相談会やオープンキャンパスで顧客対応を行う。竹内氏はこの一連の流れにおける、細かな情報共有が重要であると考えていた。

「たとえば、現場担当者が説明会で『このお客様はとても意欲的だ』と感じて記録を残しても、その熱量やニュアンス、それまでの背景が次の担当者に伝わらなければ意味がありません。お客様を点で見るのではなく、チーム全体で面として捉えることが大切です。」また、toBeマーケティングの支援が始まる前は、メールマーケティングひとつ取っても、膨大な手間と時間がかかっていたと言う。

「メールを送る際は、まず社内データベースから配信リストを抽出してもらうための依頼申請を出します。その際、さまざまなデータ突合作業が発生し、さらに他部署の承認やスケジュール調整も必要でした。」

1通のメールを送るまでに、想像以上の時間を要するケースもあったと竹内氏は言う。このような環境では、「この部分の数値が良くないからすぐに改善策を打とう」といった迅速な判断ができない状況があった。戦略を立てても、実行に移す頃には顧客の状況が変化してしまうのである。ベネッセコーポレーションにとって新たな市場への参入、そして限られた人数での事業推進には、スピーディーにPDCAを回せるデータ基盤と、MAとCRMが連携した一体型の仕組みが不可欠であり、組織全体での構造的な変革が求められていた。

3つの課題

  • 課題1
新規事業ならではの機動的な戦略変更に、既存の社内システムでは追随できない懸念があった
  • 課題2
顧客との長期的な関係構築のノウハウがなく、アプローチ手法が確立されていなかった
  • 課題3
マーケティング部門と現場の運営チームで顧客情報が分断され、機会損失につながる可能性があった

導入による効果

  • 効果1
施策のPDCAが高速化し、データに基づいた機動的な戦略の模索と実行が可能になった
  • 効果2
MAとCRMの連携・同時導入により、長期的な視点での顧客ナーチャリング体制を構築
  • 効果3
全部門が同じ顧客情報をリアルタイムで共有し、チーム一体でのアプローチを実現
  • 企画から実行までを「数時間」という単位で。
    チームで顧客を育てる文化が醸成。

toBeマーケティングの支援のもとで導入が完了し、現場への定着も進んだことで、ベネッセ高等学院の業務は劇的に変化した。導入当初から目指していた、部門を横断した顧客ナーチャリング体制の構築も実現したと言う。

「Webでの初回接点からイベント参加、個別相談、クロージングに至るまでのプロセスを、マーケティング部門だけでなく、現場も電話オペレーターを含む全員で共有できるようになりました。これまで”点”でしか捉えられなかったお客様を、チーム全体で”面”として把握し、継続して育てていける体制が整ったんです。」

それだけでなく、最大の成果はマーケティング施策におけるPDCAサイクルの圧倒的な高速化であった。

誰かがチャットで『これやってみませんか』と発言すれば、『やりましょう』『こうやればできそうです』と声があがり、即実行に移される環境になりました。「数値が振るわない場合も、全員がSalesforce上の同じレポートを確認しながら原因を分析し、『次はこのターゲットに、こういうアプローチをしよう』と、具体的なアクションプランまでその場で策定します。レポートのリンクを共有するだけで、全員が同じデータを元に議論でき、認識のズレも生じません。」

さらに、スコアリングによる架電の優先順位付けや、配信時間・内容のABテストなど、以前では想像できなかった緻密な施策も、次々と実践されるようになった。その結果、CVR(コンバージョン率)やCTR(クリック率)の改善が進み、数値に裏打ちされた「勝ちパターン」の傾向や顧客層ごとの最適な配信タイミングも見えつつある。こうした運用知見の蓄積により、現在は次なる事業戦略の立案にも着手し始めている段階だ。


導入背景

  • 決め手は使い慣れた安心感と、MAとCRMの同時導入に向けた伴走支援への期待

こうした課題解決に向け、ベネッセコーポレーションではSalesforceの導入を決断。決め手となったのは、極めて実践的な理由だった。

「チーム内には前職でSalesforceを使っていたメンバーも多く、『慣れているツール』という安心感がありました。私自身もその1人で、活用イメージを掴むことができました。新規事業の立ち上げ期に、ツールの学習に時間をかける余裕がないため自然な選択だったんです。」と竹内氏は語る。ツール以上に重要だったのは、導入を支援するパートナーの存在だった。toBeマーケティング社に期待したのは、単なるMA、CRMツールの初期導入サポートだけではない。事業と組織構造を深く理解し、二人三脚で仕組みを構築してくれる「伴走支援」であり、マーケティングと運営を繋ぐための設計・運用ノウハウの提供である。

竹内氏は当時「専門知識を持つメンバーがいない中、これらのツールを使いこなせるのか」「日々の業務と並行してプロジェクトを進められるのか」といった不安を抱えていたと話す。

「私たちマーケティングチームは、あらゆる経路から獲得したリードを、どのように現場の運営チームへ引き継ぎ、最終的にクロージングまでつなげていくかという点に課題を感じていました。

toBeマーケティングさんには、他社の成功事例も踏まえたうえで最適解を一緒に模索し、私たちの体制をともに育てていただけることを期待していたんです。特に導入初期の段階では、まずデータの照合・整理を優先的に依頼しました。当時は、Web広告や自社サイト、比較メディアなど複数のチャネルから得たリード情報が、名前・住所・電話番号の形式ひとつとってもすべてバラバラという状況でした。

それらの異なるデータを統合・整備し、マーケティング施策に活用できる状態にまで持っていく。この基盤づくりを支援いただけたことに、非常に大きな価値を感じています。」


今後の展開

  • マーケティングから顧客の動向まで、幅広く知識が必要なプロジェクトを成功へ導いた

こうした成果は、ベネッセコーポレーションだけの力では成し得なかったと竹内氏は語る。

「toBeマーケティングさんの伴走支援がなければ、このプロジェクトの成功はなかったです。新しいチームでの新しい事業構築でしたので、定例会では毎回のように課題が山積みでした。しかし、担当の方はどんな時も慌てることなく、プロフェッショナルとして私たちの要望に粘り強く耳を傾けてくださり、一つひとつの課題を整理して解決へと導いてくれました。まだまだやりたいことへの課題は沢山ありますが、まずは最適なシステム設計から、定着まで支援していただいたことに、心から感謝をしています。」

竹内氏にtoBeマーケティングの伴走支援はどのような企業におすすめできるか伺うと、「長期的に顧客と関係を築く企業こそ、この仕組みを活かせる」と強調する。短期的な成果を追うのではなく、顧客との継続的なエンゲージメントを前提にした企業こそ、真価を発揮するという。

「私たちは今後、新たに開校した通信制サポート校『ベネッセ高等学院 中等部』でも、この仕組みを活用したいと考えています。こうなると、小学生高学年から高校進学まで、長い時間軸でご家庭や生徒さんとの関係構築が求められます。今回toBeマーケティングさんと構築した体制があれば、学年や状況に応じて最適な情報を届けられるはずだと感じますね。」

顧客との接点を早期に築き、時間をかけて育てていく。その基盤となるデータ活用を軸に、ベネッセコーポレーションは今後も、一人ひとりに寄り添ったマーケティング戦略のさらなる精度向上を目指していく構えだ。

※本事例の各種情報は、2024年10月時点のものとなります


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