
見覚えのない閲覧履歴が…Account Engagementでプロスペクトの行動が入れ替わる原因と解決策
こんにちは!MAnaviサポートチームです。
デジタルマーケティングの現場では、マーケティングオートメーション(MA)の活用が当たり前になりつつあります。
Salesforce Account Engagement(旧 Pardot)などのMAツールを使えば、見込み顧客(プロスペクト)の行動履歴を可視化し、営業活動につなげられます。
ところが、Account Engagement(旧 Pardot) でプロスペクトの活動履歴を確認していると、
「このお客様、こんなページを見ていたかな?」と、見覚えのないアクティビティが記録されていることはありませんか?
あるいは、社内テストのはずが誤って実際のお客様のプロスペクトに紐づいてしまうケースもあるかもしれません。
実はこれ、Cookie(ブラウザに保存される情報)とプロスペクトの紐づけが原因で、意図せず他人の活動が記録されてしまう現象なのです。
アクティビティの入れ替わりと呼ばれる現象で、正しいデータ分析や営業連携に支障をきたす可能性があります。
マーケティングオートメーションを正しく活用するためには、誤ったデータを放置せず、原因と対策を理解しておくことが重要です。
本記事では、MA運用で発生しがちな「アクティビティの入れ替わり」について、
なぜアクティビティが入れ替わるのか(原因)
どんな操作で起きやすいのか(具体例)
どう解決すればよいのか(対策方法)
を分かりやすく解説します。
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Account Engagement
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なぜアクティビティが入れ替わるのか?Cookieとプロスペクトの関係
Account Engagementでは、サイトを訪問した「ビジター」を「プロスペクト(見込み客)」として特定するために Cookieを利用します。このCookieとプロスペクトの「紐づけ」の仕組みこそが、アクティビティ入れ替わりの根本的な原因です。
Cookieとプロスペクトが紐づく主なタイミングは次の2つです。
フォームやランディングページを送信したとき
入力されたメールアドレスの情報が、そのブラウザに保存されているCookieと初めて紐づきます。
Account Engagementのメール内リンクをクリックしたとき
メール受信者(プロスペクト)の情報が、クリックしたブラウザのCookieに紐づけられます。
一度この紐づけが成立すると、以降そのブラウザで行われた行動(サイト閲覧、ファイルダウンロードなど)はすべて、紐づいたプロスペクトのアクティビティとして自動的に記録されます。
逆に言えば、「別の人の情報で紐づけ」が上書きされてしまうと、そのブラウザの行動はすべて本来のプロスペクトではない履歴として記録されてしまうのです。
MAのデータ誤認を引き起こす!具体的な3つのケースと発生条件
では、どのような操作が意図せずプロスペクトの紐づけを上書きし、データ誤認を引き起こすのでしょうか。特に注意すべき代表的な3大原因を見てみましょう。
ケース1:他人のメールアドレスでフォーム送信
テスト環境の不備や営業担当による操作で、顧客本人のメールアドレスを使ってフォームを送信してしまうケースです。[発生条件] 自分のブラウザで、顧客のメールアドレスを入力して送信。【結果】 顧客のプロスペクト情報(名前や会社名)とあなたのブラウザのCookieが紐づきます。以降、あなたが社内から行う操作(テスト閲覧や他ページ閲覧)はすべて、顧客の行動履歴として記録されます。ケース2:転送メールのリンクをクリック
顧客が受け取ったMAメールを、社内の別担当者や部下に「メール転送」し、その転送されたメールを別人がクリックするケースです。[発生条件] 転送先の別担当者のブラウザで、メール内リンクをクリック。【結果】 転送先の担当者のCookieが、本来の受信者(顧客)のプロスペクトに紐づきます。転送先担当者の社内行動が、顧客のアクティビティとして記録されてしまいます。ケース3:複数人で同じ端末を利用
社内共有PC、営業チームで共有しているテスト用の端末、あるいは仮想環境などで、複数の人がログインせずにMAがトラッキングしているサイトを閲覧するケースです。[発生条件] 共有端末で、Aさんがテスト用アドレスで紐づけ、その後にBさんが利用。【結果】 Bさんの行動がAさんが紐づいたプロスペクトに上書きされ、異なる人物の行動が同じプロスペクトに混在する可能性があります。
誤ったデータがもたらす致命的なリスク|MA活用・営業活動への影響
マーケティングオートメーションは「正確なデータ」があってこそ効果を発揮します。Cookie誤認によるアクティビティの入れ替わりを放置すると、以下のような深刻なリスクが発生します。
リスクのカテゴリー | 具体的影響 |
リードスコアリングの歪み | 実際には興味のないお客様のスコアが、社内担当者の頻繁なテスト閲覧により異常に高騰し、「ホットリード」と誤判定される。 |
営業判断のミス | 営業担当者が誤った行動履歴(例:競合調査や社内テストの履歴)を元に商談を進め、 顧客にちぐはぐな提案をしてしまう。 |
マーケティング施策の誤評価 | 特定のセグメントに向けたメール施策の効果が、誤ったプロスペクトの行動でかき消され、 施策の改善や中止の判断を誤る。 |
コンプライアンスリスク | 顧客データと社内データが混在し、データの信頼性や管理体制に疑義が生じる。 |
マーケティングオートメーションは「正確なデータ」があってこそ効果を発揮するため、誤認は早めに修正する必要があります。
【即効性あり】Cookie誤認で入れ替わったプロスペクトデータを修正する3つの方法
もしすでに誤ったアクティビティが記録されてしまった場合、今すぐ次の3つのステップで紐づけを修正・予防できます。
- 正しいメールアドレスでフォームやLPを送信する→ 最も簡単かつ効果的な修正方法です。[手順] 誤って紐づいてしまったブラウザ(PCやスマホ)で、正しいプロスペクト(本来紐づけたい人物)のメールアドレスを使って、トラッキング対象のフォームやLPを送信し直します。[効果] 新しい正しい情報がCookieに上書きされ、以降の行動は正しいプロスペクトに記録されるようになります。
- ブラウザのCookieを削除する→ 紐づけそのものをリセットしたい場合に有効な手段です。[手順] 該当ブラウザ(Chrome/Edge/Safariなど)のキャッシュとCookieをすべて削除します。[効果] Account Engagementとの紐づけがリセットされ、未識別状態の「ビジター」に戻ります。テストや共有端末利用時には特に有効です。
- 【予防策】専用のテスト用環境・プロスペクトを用意する→ データ不整合の発生を根本から防ぐベストプラクティスです。[手順]「テスト用メールアドレス」をMA内に作成し、そのアドレスでのみフォーム送信やメールクリックを行う。「テスト専用のブラウザ」や「シークレットモード(プライベートブラウジング)」を常に使用し、プライベートや業務のCookieと隔離する。[効果] 実際の顧客データに影響を与えるリスクをゼロにできます。
注意点
メール送信など、Cookie以外のデータは移動しません
複数ブラウザを利用している場合、それぞれで紐づきが残っている可能性があります
アクティビティ誤認を防ぐための運用ルール
テストは必ず専用のアドレスと環境で実施する
→絶対に顧客のアドレスをテストで使用しないこと
社内でメールを転送する場合はリンククリックに注意する
→メール転送のリンククリックがデータ誤認の原因になることを社内で周知する
定期的に活動履歴をチェックし、違和感があれば早めに修正する
→スコアが急騰したリードや、不自然なアクティビティ(深夜の大量閲覧など)を検知したら、すぐにCookieの紐づけを確認・修正する
営業担当と情報共有し、データ不整合を放置しない
→「この履歴はテストでした」と情報共有することで、データ不整合が商談に与える悪影響を防ぐ
これらを徹底することで、MAの効果を最大限発揮できる「正しいデータ基盤」を維持できます。
まとめ:マーケティングオートメーションの精度を保つために
本記事では、Account Engagement (Pardot)の運用で起こるプロスペクトのアクティビティ入れ替わりについて解説しました。
アクティビティ入れ替わりは、Cookieとプロスペクトの紐づけが原因で発生する
他人のアドレスでのフォーム送信や転送メールのクリックが主な発生原因である
修正は、正しいアドレスでのフォーム送信やCookieの削除で簡単に行える
データ精度を保つには、テスト環境の分離と社内ルール徹底による予防が最も重要である
マーケティングオートメーションは、プロスペクトの行動データが営業活動や施策の成果に直結する強力なツールです。データの正確性が確保されて初めて、その真価を発揮できます。
MAのデータに違和感を感じたら、まずはこの記事を参考にCookieとプロスペクトの関係を確認し、データ精度を維持しましょう。
Account Engagement
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