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プロスペクトに紐付いたCRM IDを紐付け直す方法!

author 鈴木 智也

date 2018.10.03

update 2024.06.19

tags Pardot

tags  Salesforce, Salesforce, テクニック, 技術, 活用Tips

はじめに

今回のテーマは「取引先責任者(またはリード)に紐付いてしまったプロスペクトを、別の取引先責任者に紐付け直す」こと。

本来はCRM(Sales Cloud)内でEmailアドレスの重複が無く、1対1で紐付くのが理想的ですが、重複状態で意図しない紐付けになっているプロスペクトのCRM連携を剥がし、目的の取引先責任者に紐付ける手順を紹介します。

■ 概念図

概念図
以下のケースを想定します
  • CRM(Sales Cloud)に、同一Emailの取引先責任者が複数存在(AおよびB)
  • 現在はAに紐付いているが、Bに紐付けしたい

全体の手順

ステップ操作対象操作内容
1. プロスペクトのCRMIDを [crm_deleted] にする1-1 Sales Cloud 紐付解除したい取引先責任者を削除
1-2 Pardot 連動し削除される
1-3 Pardot CRMIDが [crm_deleted] に変更される
2. コネクター設定の確認2-1 Pardot コネクターオプションの設定変更
3. プロスペクトをCRMの新しいリード/
取引先責任者に再連携
3-1 Pardot プロスペクトの復元
3-2 Pardot リード/取引先責任者を再作成
3-3 Pardot [crm_deleted] 削除
3-4 Pardot Sales Coudと同期
3-5 Pardot 紐付き変更を確認
3-6 Sales Cloud 取引先責任者を復元

1. プロスペクトのCRMIDを [crm_deleted] にする

1-1. 取引先責任者Aのレコードを、CRM側(Sales Cloud)から削除Sales Cloud

まず、Sales Cloud側で操作を行います。
紐付きを解除したい取引先責任者Aを、ごみ箱に入れます。
取引先責任者Aのレコードを、CRM側(Sales Cloud)から削除

1-2. 紐付くプロスペクトが連動してごみ箱に入るPardot

1-1に連動し、Pardot側では紐付いたプロスペクトが自動的にごみ箱に入ります。
※コネクタで設定されている場合

1-3. ごみ箱内のプロスペクトは、CRMIDが [crm_deleted] に変更されるPardot

ごみ箱に入ったプロスペクトの、CRMIDが [crm_deleted] に変わったことを確認しましょう。
ごみ箱内のプロスペクトは、CRMIDが [crm_deleted] に変更

2. コネクター設定の確認

ここまでで、PardotおよびCRM(Sales Cloud)は、図のような状態となっています。
コネクター設定の確認

2-1. コネクターオプションの設定変更Pardot

管理 > コネクターより、
CRMコネクターオプション「同期時に照合する CRM ID がレコードに無い場合は、メールアドレスを使用して照合します」をONにします。
※この設定をOFFで運用している場合、ONにすると全プロスペクトに影響しますので、十分注意して適用ください。
コネクターオプションの設定変更

3. プロスペクトをCRMの新しいリード/取引先責任者に再連携

3-1. 対象プロスペクトをごみ箱から復元Pardot

Pardotのごみ箱から、対象となるプロスペクトを復元します。

3-2. オートメーションルール「削除された CRM リードまたは取引先責任者を Pardot から再作成」を実行Pardot

オートメーションルールを作成します。
アクションは、「削除されたCRMリードまたは取引先責任者をPardotから再作成」を選択します。
条件は、単一または少数のプロスペクトを対象とする場合は、「プロスペクトのデフォルト項目」からEmailアドレスを指定。
複数プロスペクトを対象とする場合は、リストを作成し、適用すると便利です。
.
削除された CRM リードまたは取引先責任者を Pardot から再作成

3-3. CRMIDの [crm_deleted] が削除されるPardot

CRM IDの [crm_deleted] が削除されて再連携可能状態になりました。
CRMIDの [crm_deleted] が削除される

3-4. CRMと同期を実行Pardot

対象プロスペクトの概要から、「CRMと同期」を実行します。
※複数プロスペクトを対象とする場合は、対象プロスペクトのCSVファイルをインポートし、一括同期を走らせます。
CRMと同期を実行

3-5. 取引先責任者Bに紐付いたことを確認Pardot

意図した取引先責任者と紐付いたことを確認します。
※例では、末尾がDu4lQACの取引先責任者に紐付きました(元は末尾がDu29QACの取引先責任者でした)。
取引先責任者Bに紐付いたことを確認

3-6.(必要に応じて)元々紐付いていた取引先責任者AをCRMのごみ箱から復元Sales Cloud

Lightning Experience の場合は、次のURLから表示できます。
https://ap4.lightning.force.com/search/UndeletePage
.
元々紐付いていた取引先責任者AをCRMのごみ箱から復元

今回のまとめ

いかがでしたしょうか。一度紐付いたプロスペクトと取引先責任者(またはリード)の再連携はひと手間かかりますが、今回ご紹介した通り実現の手段はあります。

さらに応用として、Pardotを既存の接続先から、新たに別組織につなぎ直す場合など、リストとオートメーションを駆使すれば、大量のプロスペクトの紐付け直しも可能です。
(難易度が高いので、弊社にご依頼いただくことをお勧めします)

ただし、そもそもCRM内のEmailアドレスは重複状態が発生しないよう、日頃から、名刺管理ツールなどを導入して運用管理していく事が、マーケティングオートメーションのパワーを発揮するには重要だと言えます。

MAnaviでは、プロスペクトのマージ方法に関する下記コンテンツを提供しています。
※以下のマニュアルは、MAnavi会員以外の方でもご覧いただけますので、ぜひご確認ください。
マニュアル:マージ方法

投稿者プロフィール
鈴木 智也

鈴木 智也(Tomoya Suzuki)部長

株式会社シナジーマーケティングにて、CRM/SFAの営業担当を経て、インサイドセールスの仕組みを構築、運用定着化を実現。その後、医療系システムの株式会社グッドサイクルシステムにて、システム導入支援およびカスタマーサポートの責任者を歴任。

toBeマーケティングでは、Pardotの初期導入サービスを担当。これまでの経験を活かし、技術的な面だけではなく運用定着、組織論を含めて幅広く支援中。また、サポートコミュニティの応対や既存ユーザーへの情報提供なども推進。


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