
Salesforceのダッシュボードとは?作成手順や活用例も紹介
Salesforce CRMの活用成功事例 6選のご紹介 〜顧客データ統合とDX推進のポイント〜
本資料は、Salesforce CRMを活用した顧客データの統合および業務プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX )に取り組む企業様の成功事例を多数ご紹介しております。
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経営課題の解決に悩む企業にとって、Salesforceのダッシュボードは役立つツールの1つです。データの分散や意思決定の遅れといった問題を効果的に解決し、ビジネスの成功を後押ししてくれます。本記事では、ダッシュボードの作成手順や活用事例を詳しく解説します。
toBeマーケティング株式会社では、顧客管理(CRM)に関する現状分析や課題抽出を行う「CRMアセスメント支援」や、CRM導入支援を提供しています。
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Salesforceのダッシュボードとは?

Salesforceのダッシュボードとは、複数のレポートデータを1つの画面に集約し、グラフやテーブルなどで視覚的に表示する機能です。
営業担当者の実績や社内全体の売上などを可視化することで、データの動向を一目で把握できるようになります。
Salesforceダッシュボードの特徴・メリット
Salesforceダッシュボードの主な目的は、データを整理して可視化し、意思決定に活かすことです。具体的には以下のメリットがあります。
データを直感的に理解できる
数字だけでは分かりにくい情報も、グラフやゲージにすることで瞬時に状況を把握できます。業務効率の向上
複数のレポートをまとめて確認できるため、必要な情報を探す手間が減ります。意思決定の迅速化
KPIの達成状況や案件進捗をリアルタイムで確認できるため、適切なタイミングでアクションを起こせます。チーム間の情報共有
ダッシュボードはアクセス権を設定してチームで共有できるため、営業・マーケ・経営層の全員が同じデータをもとに議論できます。
Salesforceダッシュボードの種類とウィジェット
Salesforceダッシュボードは、表示形式や用途に応じて複数の種類があり、必要な情報を効率よく可視化できます。
また、ダッシュボードを構成するウィジェットを組み合わせることで、より具体的でわかりやすい情報表示が可能です。
ここではダッシュボードの種類とウィジェットの種類についてご紹介します。
ダッシュボードの種類
個人用ダッシュボード
・個人の営業担当やマーケ担当が、自分の業務状況を確認するためのダッシュボード
・自分の担当案件やKPIに特化した情報を表示チーム用ダッシュボード
・部門やプロジェクトチーム単位で共有されるダッシュボード
・チーム全体の進捗やパフォーマンスを可視化全社用ダッシュボード
・経営層向けのダッシュボードで、売上や利益など全社的な指標をまとめて表示。
・部門ごとの比較やトレンド分析にも活用される。
ダッシュボードのウィジェット
ダッシュボードは複数のウィジェットから構成され、それぞれ異なる方法でデータを表示します。代表的なウィジェットは以下の通りです。
グラフ(チャート)
・棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど
・数値の比較や傾向を一目で把握可能
・営業成績の月別推移や商談ステージごとの割合を見るときに活用ゲージ
・KPIの達成状況を直感的に表示
・目標値に対して進捗がわかりやすい
・今月の売上目標達成率やサポート案件解決数の進捗を見るときに活用表(テーブル)
・データを一覧形式で表示
・詳細情報の確認や、条件に応じた並び替えも可能
・今週の未対応リード一覧や担当者別商談リストを見るときに活用メトリクス(指標)
・単一の数値を大きく表示
・重要なKPIや売上総額など、即座に確認したい情報に便利
・現在の総売上や新規リード件数を見るときに活用リストビュー
・特定の条件で抽出したレコードを一覧表示
・案件やリードなど、具体的なデータをすぐ確認できる
・緊急対応が必要な案件一覧やサポートチケットの優先順リストを見るときに活用
コンポーネント | 用途 | 特徴 | 活用例 |
|---|---|---|---|
グラフ(Chart) | データの傾向や割合を視覚化 | 棒・折れ線・円グラフなど複数形式 | 月別売上推移、商談ステージ割合 |
ゲージ(Gauge) | 指標の達成状況を直感的に確認 | 目標値に対する進捗を半円で表示 | 今月売上目標達成率、サポート案件進捗 |
メトリック(Metric) | 単一数値指標を強調表示 | 最新値や集計値をひと目で確認 | 総売上、新規リード件数、平均案件クローズ日数 |
テーブル(Table) | 詳細データをリスト形式で表示 | 並び替えやフィルタリングが可能 | 今週の未対応リード一覧、担当者別商談リスト |
リストビュー(List) | 特定条件のレコードを簡易一覧表示 | レポートの一部をダッシュボードに表示 | 緊急対応案件一覧、優先順サポートチケットリスト |
用途や閲覧者に合わせてウィジェットを選ぶと、見やすく実用的なダッシュボードを作ることができます。
営業・マーケ・経営層での活用例
Salesforceダッシュボードは部門ごとに活用方法が異なります。
1.営業チーム
・月間売上や案件ステータスの進捗をリアルタイムで把握
・個人やチームのKPI達成状況を確認して営業戦略を調整
2.マーケティングチーム
・リード獲得状況やキャンペーン効果を可視化
・Webトラフィックやコンバージョン率の分析
3.経営層
・全社の売上や利益の推移を俯瞰で確認
・部門ごとのパフォーマンス比較をもとに意思決定
部門ごとに重要指標(KPI)を明確にしてダッシュボードを作ると、業務改善や戦略立案がスムーズになります。
Salesforceのダッシュボードで解決できる3つの課題

Salesforceのダッシュボードで解決できる重要な経営課題は、大きく分けて以下の3点です。
データの分散
意思決定の遅れ
部門間のコミュニケーション不足
順番に見ていきましょう。
課題1:データの分散
企業内の膨大なデータが散在していると、効果的な活用が困難です。
しかしSalesforceのダッシュボードの活用によって、社内のさまざまなデータを一元管理し、グラフや表で視覚的に表現できるようになります。
たとえば、
売上高
顧客満足度
商談の進捗状況
などを1つの画面にまとめて表示して、全体像を把握できるようになります。
さらに、ダッシュボードはユーザーごとにカスタマイズできるため、各部門や役職に応じた必要な情報だけの表示も可能です。
課題2:意思決定の遅れ
ビジネス環境が急速に変化する現代において、素早い意思決定は企業の競争力を左右する重要な要素の1つになります。
しかし多くの企業では、最新のデータを収集し分析する作業に時間がかかり、意思決定が遅れがちです。
Salesforceのダッシュボードは、上記の課題に対して効果的なソリューションを提供してくれます。
ダッシュボードは常にリアルタイムで更新されるため、最新の情報に基づいた意思決定が可能になります。
たとえば、
営業部門の活動状況
売上予測
がリアルタイムで表示できるため、市場の変化に即座に対応できるようになります。
課題3:部門間のコミュニケーション不足
多くの企業で、部門間のコミュニケーション不足が業務効率の低下や機会損失につながっています。
そこでSalesforceのダッシュボードを活用すれば、各部門の情報を共有して、全社的な目標に向けて協力する体制を構築できます。
たとえば、営業部門とマーケティング部門のデータを統合したダッシュボードを作成すれば、両部門の連携状況を可視化できるでしょう。
Salesforceのダッシュボードを作成する6つの手順

Salesforceでダッシュボードを作成する際の基本的な手順は、以下のとおりです。
目的と主要指標(KPI)の明確化
レポートの準備
新しいダッシュボードの作成
ウィジェットの追加と設定
フィルターや表示条件の設定
実行ユーザー・アクセス権の設定
保存と共有
順番に解説していきます。
手順1:目的と主要指標(KPI)の明確化
ダッシュボード作成の最初のステップは、目的とモニタリングしたい主要指標(KPI)を明確にすることです。
ダッシュボード作成の際は「何のために作るのか」「どのような意思決定に役立てるのか」を明確にしておくとよいでしょう。
マーケティング担当者にとって重要なKPIには、
リード獲得数と獲得コスト
顧客生涯価値(LTV)
エンゲージメント率(メール開封率、クリック率など)
などが挙げられます。
手順2:レポートの準備

ダッシュボードを作成する前には、必要なデータをレポートとして用意する必要があります。
レポートは、Salesforce内のデータを分析し、表示するための基礎となるもので、ダッシュボードに表示する情報になります。
たとえば営業成績や顧客満足度など、目的に応じたレポートが挙げられます。
レポートは、Salesforceの「レポートタブ」から作成可能です。
手順3:新しいダッシュボードの作成
次に「ダッシュボードタブ」から新しいダッシュボードを作成します。
「新規ダッシュボード」ボタンをクリックし、名前や保存場所を指定します。
名前は、一目で内容が分かるように具体的なものにするとよいでしょう。
たとえば「月次営業レポート」「顧客サポート状況」などの名前がわかりやすいでしょう。

手順4:ウィジェットの追加
ウィジェットは、事前に用意したレポートからデータを引き出して表示する役割があります。
ダッシュボードでは「ウィジェット」と呼ばれる、グラフや表などの要素を追加していきます。
たとえば棒グラフや円グラフなど、目的に応じて適切な形式が選択可能です。

手順5:フィルターや表示条件の設定

ウィジェットを追加したあとは、それぞれの配置やサイズを調整していきます。
視認性を高めるためにも、重要な情報を上部に配置し、一目で全体像が分かるよう工夫すると効果的です。
またカラースキームやフォントサイズも調整可能で、見やすさと使いやすさが向上するでしょう。
手順6:実行ユーザー・アクセス権の設定
実行ユーザーの設定はダッシュボード画面右上の 「編集」 ボタンをクリックし、編集画面の右上にある 「実行ユーザー」 の設定欄に以下のいずれかを選択します。
ログインユーザーとして実行:ダッシュボードを閲覧するユーザーそれぞれの権限でデータを表示
特定ユーザーとして実行:全員が同じユーザーの権限でデータを表示
選択後、画面右上の 「保存」 をクリックします。
アクセス権の設定はダッシュボード画面右上の 「共有」 ボタンをクリックし、必要に応じた共有方法を選択します:
個人:特定のユーザーに閲覧権限を付与
グループ/ロール:チームや部門単位で共有
全社公開:全社員に閲覧可能
のいずれかを設定します。設定が完了したら 「保存」 をクリックします。
機密情報が含まれる場合は、全社公開は避け、グループ単位での共有を推奨します。
手順7:保存と共有
最後にダッシュボードを保存して必要に応じて、ほかのユーザーと共有します。
共有範囲はフォルダーごとに設定できるため、関係者のみがアクセスできるように制限をかけることも可能です。
保存後も編集可能であるため、新しいデータや要件が発生した場合には随時更新できます。
Salesforceダッシュボード運用時の注意点

Salesforceのダッシュボード運用時に注すべきポイントは、おもに以下の3点です。
データの更新が必要
ダッシュボードの更新が遅い
リソースの確保が必要
順番に見ていきましょう。
注意点1:データの更新が必要
Salesforceのダッシュボードはレポートと異なり、最新情報が自動反映されません。
初期設定のままでは最新データを取得するために、手動で更新する必要があります。
更新方法には手動更新と自動更新の2種類があり、自動更新を設定する場合は「登録」ボタンから毎日・毎週・毎月の更新頻度を選択できます。
更新を怠ると古いデータのまま分析することになり、ビジネス判断を誤る原因となるため、定期的な更新設定が重要となるため、自動更新への設定変更がお勧めです。
自動更新の設定方法は以下となります。

ダッシュボードを開く
Salesforceの「ダッシュボード」タブから対象のダッシュボードを選択します。スケジュール設定を開く
ダッシュボード画面の「スケジュール更新」または「Schedule Refresh」をクリックします。自動更新のスケジュールを設定
・更新頻度:毎日、毎週、毎月など
・時間帯:営業開始前や終業後など、データ処理に適した時間を指定
・配信先:必要に応じて、指定ユーザーやグループに更新結果をメールで配信可能実行ユーザーの確認
自動更新を行うダッシュボードは「実行ユーザー」の権限に基づいてデータが表示されます。必要なデータにアクセスできるユーザーを設定することが重要です。設定を保存
スケジュールを保存すると、自動的にダッシュボードが最新データに更新されるようになります。
注意点2:ダッシュボードの更新が遅い
ダッシュボード更新時にはコンポーネントのソースレポートが実行されて、ウィジェットに変換されます。
ソースレポートが複雑であるほど更新に時間がかかり、情報量によっては多くの時間がかかる場合もあります。
更新時間を短縮するには、レコード数を制限する検索条件を適用すると効果的です。
また自動更新を設定する場合は、業務に支障のない時間帯(営業時間外など)に設定すると、ユーザーのストレスを軽減できるでしょう。
注意点3:リソースの確保が必要
Salesforceダッシュボードの運用には、設定をこまめに確認・変更できる人員の確保が必要です。
初期設定時には最適であっても、社内の状況や方針変更により問題が生じる場合があります。
PDCAサイクルを回し、スペックに過不足がないか、人員リソースが足りているか定期的な見直しが大切なのです。
注意点4:アクセス権とユーザー管理
Salesforceダッシュボードでは、表示されるデータや更新の可否は「実行ユーザー」とその権限に大きく依存します。適切に管理しないと、データが正しく反映されなかったり、機密情報が漏れたりするリスクがあります。
「誰がどのデータを見られるか」「誰の権限で更新されるか」を明確に設計することが、正確なダッシュボード運用の鍵です。
実際に下記のようなトラブルがありました。
ある企業の営業部では、月次の売上状況をSalesforceのダッシュボードで管理しており、ダッシュボードの「実行ユーザー」は 特定のマネージャーの権限で実行 に設定されていました。
しかし、営業担当者Aが新規案件を登録しても、ダッシュボードに反映されず、月初に営業部全体でダッシュボードを確認したところ、前月のデータのまま更新されていない状態となってしまった。
ダッシュボードの「実行ユーザー」が、案件レポートにアクセスできないユーザーになっていたため、該当ユーザーが登録した案件データが表示されなかったことが原因でした。また、レポート側のアクセス権限が「作成者のみ」になっており、実行ユーザーが全データにアクセスできなかったことがわかりました。
このように、適切なアクセス権の付与やユーザー管理ができていないとデータを正しく見ることができないリスクが発生します。
Salesforceのダッシュボードの活用事例3選
ここからは、Salesforceのダッシュボードをうまく活用して、成果をあげた事例を3つ紹介していきます。
事例1:営業活動の可視化をし業務効率を向上|食品メーカー
ある食品メーカーは「本当に活用できるダッシュボード」の構築によって業務効率を向上させています。
営業担当者が必要とする情報を含むダッシュボードのモデルになるパッケージを各支店に配布し、そちらを自社業務に合わせて編集できる人材も育成しました。
この取り組みにより営業活動が可視化され、次のアクションにつなげやすくなりました。
またフェーズマネジメントの基準と、ゴールの明確化で営業プロセスも改善されました。
結果として、商談化数が前年比126%に増加し、マネージャー層の100%がSalesforceの有効性を認めるなど、大きな成果を上げています。
事例2:教育関連システムのデータを統合的に可視化|ある自治体
ある自治体は、教育DXの一環としてSalesforceのTableauダッシュボードを導入し、教育関連データを統合的に可視化・分析できる仕組みを構築しました。
このダッシュボードでは、
AIドリル
健康観察アプリの利用状況
採点業務時間の削減率
などのKPIを、教員と教育委員会が共有しながら分析できるようになりました。
さらにリアルタイムでのデータ確認により、PDCAサイクルが短縮されました。
上記の取り組みにより、教育現場の各ステークホルダーの視点に立ったデータ活用が加速し、教員の指導力向上や児童生徒の学力向上につながっています。
事例3:データドリブンな営業で商談率UP|大手医療機器メーカー
大手医療機器メーカーでは、
営業活動の可視化不足
顧客情報の分散
ナーチャリングの非効率
が課題となっていました。
しかしSalesforceのダッシュボード活用によって、顧客情報の集約と営業活動の可視化が可能になりました。
結果として、
数値に基づいた効率的な営業活動で商談率が向上
ナーチャリング自動化による営業工数削減
確度の高い顧客への効率的なアプローチ
などを実現しています。
まとめ
多くの企業が、MAの効果をSalesforceで可視化できていない、キャンペーンと商談が紐づいていないといった課題を抱えており、このような課題はダッシュボードの適切な設計と活用によって解決できる可能性があります。
toBeマーケティングは、顧客の課題を踏まえ、キャンペーンオブジェクトの設計から、必要なレポートやダッシュボードの作成までをサポートします。
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