
Service Cloudの機能と導入メリットをわかりやすく解説
この記事では、Service Cloudの機能と導入メリットをわかりやすく解説します。導入により業務効率・顧客満足度の向上が期待できますが、具体的なイメージが沸かない方も多いでしょう。導入時の注意点もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
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さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携や、顧客情報の一元管理による営業活動の効率化など、包括的な支援も可能です。
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Service Cloudの概要

はじめに、Service Cloudの概要とSales Cloudとの相違点について解説していきます。
Service Cloudとは
Service Cloudは、Salesforceが提供するCRM製品の一つで、問い合わせ管理やカスタマーサポート業務を効率化するためのクラウドサービスです。
電話・メール・チャット・Webフォーム・SNSなど複数チャネルからの問い合わせを一元管理し、オペレーターが迅速かつ適切に対応できる環境を提供します。
さらに近年ではAIとの連携も強化され、問い合わせ内容の要約や回答案の生成、ケースの自動振り分けなども可能となっています。
Sales Cloudとの違い
Sales Cloudは、顧客情報の管理機能を搭載した営業支援ツールです。Service Cloud同様にセールスフォース社から提供されていますが、利用目的が大きく異なります。
Sales Cloud | Service Cloud |
|---|---|
営業支援 | 顧客サポート |
商談管理 | 問い合わせ管理 |
営業活動 | カスタマーサービス |
売上向上 | 顧客満足度向上 |
具体的には、Service Cloudはコールセンターやカスタマーサポート部門の業務効率を向上させ顧客満足度を高めることを目的として、「オムニチャネルルーティング機能(担当者自動振り分け)」や「インシデント管理機能」などを搭載しています。
一方、Sales Cloudは「顧客、見込み客の管理・分析機能」や「売上予測機能」を活用することで営業部門の業務効率の向上を目指しています。
Service Cloudの主要な機能

Service Cloudの主な機能として、「ケース(案件)の管理機能」「オムニチャネルルーティング機能」「ナレッジ管理機能」「インシデント管理機能」「カスタマーサービス向けAI機能」の5つをご紹介します。
ケース(案件)の管理機能
ケース(案件)の管理機能では、顧客ごとの対応履歴をケース(案件)として一元管理が可能です。問い合わせの内容および最新の対応状況を関係者間でいつでもどこからでも共有できるため、特定の担当者に依存することなく、すばやく質の高いサービスを提供でき顧客満足度の向上につながります。また、蓄積された顧客対応のデータを分析することで、新たな課題の発見・改善施策の実施にも活用できます。
オムニチャネルルーティング機能
オムニチャネルルーティングとは、電話・メール・Webフォーム・SNSなどのさまざまなチャネルからの顧客の問い合わせを統合し、適切な担当者に割り当てる機能です。スキルや担当者の空き状況や対応状況(忙しさ)に応じて、自動で最適な担当者につなぐことが可能で、待ち時間の短縮や迅速な顧客課題の解決により顧客満足度の向上が期待できます。また、案件の振り分けに関する業務を削減できるため、コールセンターやカスタマーサポート部門の業務効率化にもつながるでしょう。
ナレッジ管理機能
ナレッジ管理機能は、顧客対応をしていく中で蓄積された知識や経験(ナレッジ)をもとに、知識ベース(データベース)を作成する機能です。
たとえば、ソフトウェア販売の会社であれば、顧客から特に多い質問として「インストール方法がわからない」「インストール時にエラーが発生する」などが想定されます。
このとき、あらかじめ解決策としてFAQなどの文書を用意できれば、担当者がサポートをすることなく顧客自身で解決できる手段を提供できます。
したがって、ナレッジ管理機能は質の高いサービスを提供し続けるために有効な機能といえるでしょう。
インシデント管理機能
インシデント管理機能は、提供しているサービスでインシデントが発生した場合に、ダウンタイムを最小限に抑えるための機能です。
具体的には、すみやかに原因を分析・特定したうえで、対応チームとカスタマーサポート部門が一元管理されたワークスペースでインシデントを共有・追跡することにより、足並みをそろえた顧客対応と顧客への最新情報の提供ができます。
カスタマーサービス向けAI機能
カスタマーサービス向けAI機能では、顧客との会話音声やチャットのやりとりをもとに自社のナレッジベースからAIが自動で返信メッセージを生成します。担当者が問い合わせ内容を調べ、結果をメッセージとして作成する手間が省けるため、業務効率化が期待できます。
また、多言語に対応したボットの実装が可能で、顧客への一般的な回答を効率よく提供可能です。
なお、カスタマーサービス向けAI機能には以下のようなものがあります。
・Einsteinボット(AIチャットボット):FAQ対応やケース作成を自動化し、エージェントの負担を軽減。
・Einstein 返信レコメンデーション:過去の対応履歴を学習し、エージェントに適切な返信内容を提案。
・Einsteinケース分類(Einstein Case Classification):ケースの内容を自動解析し、適切なカテゴリ・担当者に振り分け。
・Einstein 記事レコメンデーション:ケースに関連するナレッジ記事を自動で提案。
・Einstein Voice:通話内容をリアルタイムで分析し、適切なナレッジ記事や対応方法を提示。
上記を簡潔に表にまとめたものがこちらです。
機能 | 内容 |
|---|---|
ケース管理 | 問い合わせ管理 |
ナレッジ | FAQ管理 |
オムニチャネル | チャネル統合 |
ケースルーティング | 自動振り分け |
マクロ | 定型業務自動化 |
Service Console | サポート画面 |
レポート | KPI分析 |
AI支援 | 回答生成・要約 |
AIを活用したService Cloudの最新機能
近年のService Cloudでは、生成AIやAIエージェントを活用した機能が急速に進化しています。従来の問い合わせ管理だけでなく、AIがオペレーターを支援し、顧客対応の品質向上や業務効率化を実現できるようになりました。
2025年以降は、SalesforceのAIプラットフォーム「Agentforce」や「Einstein AI」と連携することで、問い合わせ対応の自動化や回答支援など、より高度なカスタマーサービスを提供できます。
Agentforceによる問い合わせ対応の自動化
Agentforceは、Salesforceが提供するAIエージェントです。顧客からの問い合わせ内容を理解し、人が対応する前に必要な情報を収集したり、適切な回答を提示したりすることができます。
例えば、営業時間や契約内容の確認、注文状況の照会など、定型的な問い合わせはAIエージェントが24時間365日対応できます。複雑な内容については、担当オペレーターへスムーズに引き継ぐことも可能です。
これにより、オペレーターはより高度な相談や個別対応に集中でき、顧客満足度の向上と業務負荷の軽減を同時に実現できます。
Einstein AIによる回答案の生成
Einstein AIは、問い合わせ内容を分析し、過去の対応履歴やナレッジをもとに最適な回答案を自動生成します。
オペレーターはゼロから回答を作成する必要がなく、AIが提案した文章を確認・修正するだけで返信できるため、対応時間を大幅に短縮できます。
また、担当者による回答品質のばらつきを抑えられるため、均一で質の高いカスタマーサポートを実現できます。
ケース要約で引き継ぎを効率化
問い合わせが長期化した場合や担当者が変更になった場合でも、AIがケース内容を自動で要約します。
問い合わせの経緯や対応履歴、現在の状況を短時間で把握できるため、担当者の引き継ぎがスムーズになり、顧客に同じ説明を何度も求めることも減らせます。
これにより、対応品質の向上だけでなく、顧客体験(CX)の改善にもつながります。
ナレッジ検索をAIが支援
Service Cloudでは、社内マニュアルやFAQ、製品情報などをナレッジとして管理できます。
AIは問い合わせ内容を理解し、関連するナレッジ記事を自動で検索・提案します。
担当者は必要な情報を探す時間を短縮できるだけでなく、常に最新の情報をもとに顧客対応を行えるため、回答精度の向上にも役立ちます。
AIによるケース分類と優先順位付け
問い合わせ内容をAIが分析し、「製品不具合」「契約に関する質問」「請求関連」などのカテゴリへ自動分類できます。
さらに、緊急性や重要度を判定し、優先順位を付けることで、対応漏れや対応遅延を防止します。
大量の問い合わせが発生する企業でも、効率的な問い合わせ管理を実現できます。
自動ルーティングで最適な担当者へ振り分け
Service Cloudでは、AIとルールベースのルーティングを組み合わせることで、問い合わせ内容や顧客情報に応じて最適な担当者へ自動で振り分けることができます。
例えば、
- 製品ごとの専門担当へ振り分け
- 契約ランクに応じた優先対応
- 日本語・英語など言語別の振り分け
- 技術的な問い合わせを専門部署へエスカレーション
など、複雑なルールにも対応可能です。
これにより、初回解決率(First Contact Resolution)の向上や、顧客の待ち時間短縮につながります。
今後のService Cloudでは、AgentforceやEinstein AIを活用した生成AI機能がさらに進化し、問い合わせ対応の自動化や顧客体験(CX)の向上が加速すると期待されています。これからService Cloudを導入・活用する企業にとっては、AIを前提とした運用設計が重要なポイントとなるでしょう。
Service Cloudの導入メリット

Service Cloudの導入メリットとして、業務効率の向上・顧客満足度の向上・情報の一元管理の3点が挙げられますのでそれぞれ解説していきます。
業務効率の向上
Service Cloudでは、担当者の割り当て、FAQ・チャットボットによる顧客対応、レポート作成などの自動化が可能です。また、サポート完了後に顧客対応の内容を保存すれば、AIを活用したナレッジベースの蓄積も容易です。これにより、カスタマーサポート部門の業務効率の向上が期待できるのに加え、管理者・担当者ともにより緊急度の高いケース(案件)に集中できることから、サービス品質の向上にもつながるといえるでしょう。
顧客満足度の向上
Service Cloudは、待ち時間・課題解決までの時間を短縮することで、顧客満足度の向上も期待できます。
具体的には、オムニチャネルルーティング機能により、問い合わせに最適な担当者の割り当てがすばやく行えるとともに、ナレッジ管理機能でサポートに必要な情報が一元管理されているため、担当者を問わずサポート品質を一定の水準に保つことが可能です。
FAQやチャットボットを導入すれば、顧客の都合のよいタイミングで、自分自身で問題を解決する情報の提供が可能で、さらなる顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
情報の一元管理
Service Cloudには、ケース(案件)の管理機能が搭載されており、顧客ごとの問い合わせの内容や最新の対応状況を一元管理できます。カスタマーサポート部門で情報を共有することで、効率的に顧客対応を行えるのはもちろん、蓄積されたナレッジを営業・マーケティング部門で分析することにより顧客のニーズやサービスの課題を把握でき、新サービスの開発や今後の営業活動にも役立てられます。
Service Cloud導入時の注意点

ここからは、Service Cloud導入時の注意点を3つご紹介します。
Service Cloudで解決したい課題を明確にする
導入にあたっては、「なぜService Cloudを導入するのか」「Service Cloudによってカスタマーサポート部門を中心として社内のどのような課題を解決したいのか」を明確にしましょう。
目的を明確にすることで、Service Cloud導入に必要なデータや連携すべきシステム(MAやSales Cloudなど)が把握できるとともに、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定が行えます。
KPIを設定・管理する
Service Cloudの導入目的が把握できたら、目的を達成するために指標(KPI:重要業績評価指標)の設定・管理を行います。
特に、コールセンターやカスタマーサポート部門では、業務効率・対応品質・顧客満足度の向上が求められますが、いずれも客観的に達成度合いを把握するのが難しい項目といえるでしょう。
そこで、KPIによって達成度合いを数値化し、課題の発見・改善を繰り返しながら、目的の実現を目指していくのが重要です。
定期的に社内トレーニングを実施する
入社退社、人事異動などにより担当者の変更も想定される中、ツールを使いこなしている社員と使いきれていない社員とで習熟度に大きな差が生じることがあります。
したがって、Service Cloudの導入後は、KPIの管理・分析を継続するとともに、担当者に定期的に社内トレーニングを実施するのが重要です。
ツールを使いこなしている社員に活用方法を説明してもらえば、カスタマーサポート部門全体の業務の効率化も期待できるでしょう。
Service Cloudの導入事例

ここでは、具体的なService Cloudの導入事例をご紹介します。
工作機械を製造・販売する金属加工メーカーでは、サポートセンターの業務効率化と工数削減が課題となっていました。
そこで、Service Cloudの導入と活用によって、IoTサポート契約者に対して、簡単なアラートが発生したときに自動的に対処法をメール送信、アラート発生後一定時間が経過したときに状況をたずねるメールを自動送信することで、サポートセンターの業務効率化と工数削減を実現しました。
この事例から学べることは、適切なデジタルツールの導入により定型業務を自動化することで、人的リソースをより複雑で価値の高い業務に集中させることができるということです。特に、サポート体制の構築は、顧客満足度の向上とサポートコストの削減を同時に実現する効果的な手法といえるでしょう。
まとめ
この記事では、Service Cloudの概要、主な機能、導入メリット、導入事例などについて解説しました。
Service Cloudでは、顧客ごとの対応履歴およびナレッジを一元管理できるとともに、顧客の問い合わせを適切な担当者に自動で割り当てることが可能です。このため、コールセンターやカスタマーサポート部門の業務効率化が期待できます。また、待ち時間・問題解決までの時間を短縮できることから、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
当記事を参考にService Cloudの活用による業務効率化・顧客満足度向上をぜひ実現してください。










