
【完全版】Account Engagementとは?4つのエディションとその機能を徹底解説
B2Bマーケティングを推進する中で、「リード(見込み顧客)の獲得から育成、営業への引き渡しを自動化したい」と考えている担当者の方は多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、Salesforceが提供するB2B特化型のマーケティングオートメーション(MA)ツール「Account Engagement(アカウントエンゲージメント)」です。
「名前は聞いたことがあるけれど、何ができるのかわからない」「旧称の『Pardot(パードット)』と何が変わったの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、Salesforce CRMとAccount Engagementに精通した専門家の視点から、Account Engagementの基本概要や選ばれる理由、他社MAツールとの圧倒的な違いをわかりやすく解説します。さらに、自社に最適なプランを見極められるよう、4つのエディション(Growth / Plus / Advanced / Premium)の機能差や、現場で役立つ具体的なユースケースまで徹底比較します。
この記事を読めば、Account Engagementの全体像が掴めるだけでなく、自社が導入すべきエディションまで明確にイメージできるようになります。
「Agentforce支援パッケージ」は、Salesforceの最新AI技術(Agentforceなど)をベースに、日本の営業現場が直面する課題を解決するための早期効果実感型AI導入パッケージです。従来の「指示を待つAI」ではなく、自ら考えて行動する「AIエージェント」を貴社の営業プロセスに組み込むことで、営業のコア業務以外の自動化・高度化を推進します。
SalesforceやAccount Engagementの環境をヒアリング・分析し、業務フローに沿ったAI活用の可能性を評価。 Einstein リードスコアリングやキャンペーンインサイトなど、 営業・マーケティング活動の高度化と自動化をサポートします。
Account Engagementとは?(旧Pardot)B2B特化型MAの基本

Salesforceが提供するB2Bマーケティングオートメーション(MA)ツール
Account Engagementは、世界シェアNo.1のCRM/SFA(顧客管理・営業支援システム)を提供するSalesforce(セールスフォース)社が開発した、B2B(企業間取引)ビジネスに特化したマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
B2Bビジネスでは、B2C(個人向け)と異なり「検討期間が長い」「社内の意思決定に関わる人が多い(関係者が複数いる)」という特徴があります。Account Engagementは、こうしたB2B特有の複雑な購買プロセスに寄り添い、見込み顧客(プロスペクト)のWeb上の行動履歴をトラッキングし、最適なタイミングでパーソナライズされたアプローチ(メール配信やコンテンツ提供)を自動化するために設計されています。
なぜ多くの企業に選ばれるのか?誕生の背景と「旧Pardot」からの進化
「Account Engagement」という名称に見覚えがなくても、「Pardot(パードット)」という名前なら聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
もともと2007年に米国で誕生した「Pardot」は、2012年にSalesforce社に買収され、同社のB2B向け主力MAツールとして世界中で広く普及しました。そして2022年、Salesforceのプラットフォームブランド統合の一環として、現在の「Salesforce Account Engagement」へと名称が変更されました。
名称は変わりましたが、Pardot時代から培われた「シンプルで直感的な操作性」と「B2Bに最適化された機能群」はそのまま引き継がれています。さらに近年のアップデートでは、Salesforceの最新AI技術やデータプラットフォームとの連携が強化され、より高度なデータドリブンマーケティングが可能になりました。
他のMAツールと何が違う?Account Engagement「3つの圧倒的な強み」

市場には数多くのMAツールが存在しますが、その中でAccount Engagementが選ばれ続けるのには、他社ツール(MarketoやHubSpot、国産MAなど)には真似できない決定的な強みがあるからです。
1. Salesforce(Sales Cloud)との圧倒的なシナジー(ネイティブ連携)
最大の強みは、営業支援システムである「Sales Cloud」と同じSalesforceプラットフォーム上で動く「ネイティブ連携」である点です。
他社のMAツールでもSalesforceとの「API連携」は可能ですが、データの同期に数分〜数十分のタイムラグが発生したり、連携設定やメンテナンスに多大なコストがかかることが一般的です。 一方、Account Engagementは、マーケティング活動によって得られたリードの行動履歴やスコアが、リアルタイムかつシームレスに営業担当者の画面へ同期されます。「Webサイトで特定の資料をダウンロードした瞬間に、インサイドセールスが架電する」といった、スピード感のある営業連携がノンストレスで実現します。
2. B2B特有の「売れる仕組み」を作る顧客育成(ナーチャリング)機能
Account Engagementには、見込み顧客の関心度を高めるための「Engagement Studio(エンゲージメントスタジオ)」という強力なシナリオ自動化機能が備わっています。
「資料をダウンロードした人に、3日後に事例メールを送る」「メールを開封した人にはセミナーを案内し、開封しなかった人には別の役立つコラムを送る」といった複雑な分岐を、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で設計可能。長期間にわたるB2Bの検討フェーズにおいて、顧客を飽きさせずに育成(ナーチャリング)し、営業がアプローチすべき「今すぐ客」へと効率的に引き上げることができます。
3. マーケティング投資対効果(ROI)の可視化
多くのマーケティング担当者が悩む「この施策は、最終的にどれくらい売上に貢献したのか?」という問いに、Account Engagementは明確に答えることができます。
商談データ(Sales Cloud)とマーケティング活動のデータが一体化しているため、「どの展示会から獲得したリードが、どのメルマガをきっかけに商談化し、最終的にいくらの売上につながったのか」というROI(投資対効果)を1つのダッシュボードで完全に可視化できます。これにより、勘や経験に頼らない、データに基づいたマーケティング予算の最適化が可能になります。
Account Engagementの基本機能【Growthエディション共通】
Account Engagement(旧Pardot)の最もベーシックなプランである「Growthエディション」であっても、B2Bマーケティングを自動化・効率化するための主要機能は一通り網羅されています。ここでは、すべてのエディションに共通する5つのコア機能と、その具体的な活用イメージを解説します。
1. Web行動のトラッキングと顧客プロファイルの可視化
Account Engagementを導入すると、自社のWebサイトに訪問したユーザーの動きを「トラッキング(追跡)」できるようになります。
「どのページを、いつ、どれくらいの長さ閲覧したのか」「どの資料をダウンロードしたのか」といった行動履歴が、顧客一人ひとりのタイムラインとして記録されます。最初は「匿名ユーザー(匿名プロスペクト)」として記録されますが、メルマガのクリックやフォームへの入力(名刺情報の獲得)をきっかけに実名データと結びつき、過去の行動履歴も含めて一元管理されます。
2. 関心度と適合度を見極める「スコアリング」と「グレーディング」
獲得した大量のリード(プロスペクト)の中から、営業が今すぐアプローチすべき「質の高い顧客」を自動で判別するための機能です。
スコアリング(関心度の可視化): 「メールを開封した(+1点)」「価格ページを見た(+10点)」など、顧客の行動に応じて自動で加点・減点し、自社への興味の強さを数値化します。
グレーディング(適合度の可視化): 「役職が役員である(A判定)」「従業員数がターゲット規模である(B判定)」など、顧客の属性(ペルソナ)が自社の理想の顧客像にどれだけ一致しているかをS〜Eのランクで評価します。
💡 なぜ2つの軸が必要なのか?
例えば、「学生」が自社の製品ページを100回熱心に見ても、スコアは「100点」になりますが、ターゲットとしては不適合なためグレードは「E」になります。もしスコアだけで判断して営業にパスしてしまうと、営業現場は「売れない相手」への対応で疲弊してしまいます。Account Engagementはこの2つの軸を掛け合わせることで、「本当に今動くべき、成約確度の高いリード」だけを厳選して営業に引き渡せるのが強みです。
3. One to Oneのメール配信とA/Bテスト
B2Bマーケティングの主軸となるメールアプローチを、高度かつ効率的に行えます。 単なる一斉配信ではなく、顧客の属性や行動履歴(例:特定の製品ページを見た人だけ)に応じて内容を自動で差し替える「ダイナミックコンテンツ」や、差出人を担当営業の氏名に自動変更する設定が可能です。
また、件名や本文のデザインを2パターン用意して効果を検証する「A/Bテスト機能」も備わっているため、開封率やクリック率のデータをもとに、より効果の高いメールへと配信を最適化していくことができます。
4. 自動化の核となる「Engagement Studio(シナリオ機能)」
Account Engagementの「司令塔」とも言えるのが、顧客育成(ナーチャリング)を自動化するシナリオ作成機能「Engagement Studio」です。 「アクション(何を同期・配信するか)」「トリガー(顧客が何をシステム上で行ったか)」「ルール(顧客の属性は何か)」の3つの要素を組み合わせ、まるでフローチャートを描くように直感的に自動化シナリオを設計できます。
💡【ユースケース①】展示会お礼メールや定期メルマガの自動化
課題: 展示会で大量の名刺を獲得しても、営業のフォローが追いつかず、そのまま放置されてしまう。
自動化シナリオの活用例:
展示会翌日に「ご来場のお礼メール」を自動配信。
メール内の資料URLを「クリックした人」には、3日後にさらに一歩踏み込んだ「事例紹介メール」を配信。
URLを「クリックしなかった人」には、1週間後にハードルの低い「お役立ちコラムメール」を配信。
このように、顧客のリアクション(トリガー)に合わせてシナリオが自動で分岐するため、人の手を煩わせることなく、検討度合いに合わせた最適なアプローチを継続できます。
5. LP・フォーム作成&フォームハンドラー
Webサイトからのリード獲得に欠かせない、ランディングページ(LP)やお問い合わせフォームを、HTMLの専門知識がなくてもドラッグ&ドロップで簡単に作成できます。ここで作成したフォームから流入したデータは、リアルタイムでAccount Engagementに蓄積されます。
また、すでに自社で運用している既存のWebフォームがある場合は、「フォームハンドラー」という機能を使うことで、デザインを変えることなくバックエンドのデータだけをAccount Engagementへシームレスに結合・回収することが可能です。
💡【ユースケース②】既存フォームを活かしたスムーズなデータ連携
課題: すでに自社のコーポレートサイトやECサイトに最適化された問い合わせフォームがあるため、MA導入のためにフォームを作り直したくない。
フォームハンドラーの活用例: 既存フォームのタグに、Account Engagementが発行する専用コードを埋め込むだけで連携完了。デザインやユーザーの入力導線を一切変更することなく、フォームに入力されたデータを安全かつリアルタイムにAccount Engagement内へ取り込み、即座に自動返信メールやスコアリングを開始できます。
Plusエディションの追加機能:スコアリングカテゴリやダイナミックコンテンツの活用方法

- スコアリングカテゴリ
各商材やサービスカテゴリごとに点数化できます - ダイナミックコンテンツ
顧客属性に応じてWebサイトやメールの表示コンテンツを自動で切り替えます - メールレンダリングプレビュー
顧客のデバイスごとにメールのレイアウトや件名のプレビューが確認可能です - スパム分析
スパム扱いされるリスクを事前に確認できます - メール分析レポート
メールの通読率やクライアント別の分析が可能です - Google広告連携
Google広告と連携し、施策効果や成約コストを分析できます - B2B Marketing Analytics
SalesforceとAccount Engagementのデータを統合したEinstein Analyticsでダッシュボードを使い、複数のデータソースをもとに分析が可能です
ユースケース③「スコアリングカテゴリ」
サービスを多くもたれている企業では、スコアリングカテゴリをよく使用されます。
通常のスコアとは異なり、サービスごとにスコアの加算が可能になるので、どのサービスに勢いがあるのかを可視化することができます。
その結果を活用し、アプローチ対象を選定したり、勢いがないサービスページの改善に繋げることができます。
ユースケース④「B2B Marketing Analytics」
Plusエディションには、簡易BIツールのB2B Marketing Analyticsも2ライセンス付帯しております。
B2B Marketing Analyticsにて、膨大なデータを集約することで多角的な分析が可能になります。
例えば、弊社ではB2B Marketing Analyticsを用いてメールの分析を行っており、
配信時間、件名、キャンペーンごとの軸で開封率を分析したり、一定の基準の開封率を満たしている/満たしていないメールを絞り込み、改善を測っています。
Advancedエディションの高度な機能:AIを活用したEinsteinやビジネスユニット管理
- Einstein(AI)
AIがスコアや施策のパフォーマンスを可視化します - ビジネスユニット
1つのSalesforce組織で複数のAccount Engagementを管理できます - マーケティングデータシェアリング
Salesforce組織からAccount Engagementに同期させるレコードを制御し、プロスペクト数などを管理します - カスタムオブジェクト連携
Salesforceのリードや取引先責任者を参照項目としてAccount Engagementと連携します - カスタムユーザーロール
自社オリジナルの権限セットを作成可能です
ユースケース⑥「マーケティングにおけるAIの活用」
Advancedエディションでは、Einstein AIを使用できます。
AIを活用することで、未来予測の精度が上がったり、意思決定を助長してくれます。
また、少人数でAccount Engagementの運用をしているお客様ですと、リソース問題の解決にも繋がっているというお声も耳にします。
Einstein AIの機能や効果については、過去のブログにまとめておりますので、ぜひご覧ください。
■マーケティング分野でのAI活用とマーケティングオートメーション搭載のAI機能を紹介
■弊社マーケティング担当者がsalesforceの生成AI機能を使ってみた!
ユースケース⑦「B2B Marketing Analytics」
規模の大きい企業ではビジネスユニットが使用されるケースが多いです。
例えば、国際展開している企業で国ごとにAccount Engagementの組織がある企業はビジネスユニットを用いて、複数Account Engagementの組織を1つのSalesforce組織に接続しています。
事業部ごと、グループ会社ごとにAccount Engagementの組織が複数ある企業も多いので、Advancedエディションではよく使われる機能です。
Premiumエディションの特徴:最大75,000件のプロスペクト管理が可能に
- 上記すべての機能に加え、最大プロスペクト数が75,000件/年(他エディションは10,000件/年)に拡大されます。
まとめ:自社のニーズに合わせたAccount Engagementエディションの選び方
Account Engagementには4つのエディションがあり、それぞれ豊富な機能を備えています。
上位エディションを選ぶことが必須ではなく、自社の運用に合わせて最適なエディションを選定し、活用することが重要です。
💡 2026年の最新トレンド:「Agentforce」とのシナジー
現在Salesforceが推し進める次世代AI「Agentforce」の登場により、Advanced以上で使えるEinstein AIの基盤はさらに進化しています。従来のスコアリングや予測にとどまらず、自ら考えて動く「AIエージェント」として、マーケティング業務の自動化をさらに高い次元へ引き上げることが可能になっています。
現在、導入エディションでお悩みの方や、機能の活用方法をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください!
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