マーケティング分野でのAI活用とマーケティングオートメーション搭載のAI機能を紹介
2019.03.01
2023.08.03
近年、AIの活用が様々な分野に広がっており、マーケティングの分野にも及んできています。
マーケティング分野においてAI活用はまだ発展途上にあり、何に留意すべきなのかまずは確認してみましょう。
さらに、マーケティング分野で実用化されているAIをピックアップして紹介します。マーケティングオートメーション搭載のAI機能もあわせて紹介するので、興味があれば試してみることをおすすめします。
マーケティング分野でのAI活用の留意点
マーケティング分野のAIは機械学習モデルが主流
現在、マーケティングの分野でも部分的にAIが活用されています。また、マーケティングの既存データを活用して、人では見つけ出せなかった法則性や特徴を見出し有望な顧客を探そうとする試みもあるようです。
しかし、そもそも一企業が持つデータだけではデータ量が足りない可能性や、AIに学習させる精度の高いデータをどう集めるかの問題があり、実際はAIの中でも基礎的なものにあたる機械学習モデルが広く利用されています。
優良な教師データやデータを扱える専門人材が必要
マーケティングでAIを活用するには高度な専門技術が必要となります。さらに、AIの技術的な知識のほか、マーケティングに対する造詣がないと効果的なシステム構築は望めません。
企業が持つデータの質や量の問題から、マーケティングに使えるAIは機会学習モデルに限られます。そして機械学習にはAIが法則性や特徴を得るための「教師データ」が必要です。優良な教師データでないと精度が落ちるので、精度の高いデータの抽出とチューニングの作業も求められます。
これらの技能を持った人材は希少なため、独自のAI作成はハードルが高く、既存のアプリに搭載されているAI機能を活用するのが一般的になっています。
マーケティングに活用されているAIツールやサービス
次に、マーケティングの分野で実際に利用されているAIツールやサービスをいくつか紹介しましょう。特定の業務に特化したAIツールやサービスになります。
メディアの最適化
広告デザイン・最適化
広告の分野では、バナー広告の自動生成やバナー広告のパフォーマンス予測ができるAIツールがあります。
SEO(検索エンジン最適化)
Webコンテンツ制作時に役立つのが、検索サイト上位に表示させるサポートをしてくれるAIサービスです。
インフルエンサー探し
日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、自社ブランドにふさわしいインフルエンサー探しにAIが使用されています。
メディア・バイイング(広告予算配分の最適化)
オンラインだけでなく、オフラインも含めた広告予算の配分を自動するAIが登場し、費用対効果を上げたという実績があります。
レコメンドエンジン
ECサイトでおなじみですが、AIがユーザーごとのおすすめ商品を表示します。AI搭載のレコメンドエンジンは多数存在します。
顧客対応や結果分析
チャットボット
国内でも多くの会社で取り入れられているAIによる自動応答システムです。テキストや音声で、ユーザーへの連絡、予約や注文受付、商品選択アドバイスなどが行えます。
顧客反応の計測やメディアコントロール
SNS/メディアモニタリング
各種のニュース掲載やSNS投稿の内容が、自社の商品やブランドに好意的か否かをAIで計測・分析します。テキスト分析だけでなく、画像分析できるAIも提供されています。
感情(反応)の計測
顔の表情をカメラでモニタリングして、自社CMや広告を見た人がどのような感情(反応)を示したかAIで計測するサービスがあります。瞬間ごとの感情データで、より効果的な広告制作への示唆が得られます。
マーケティングオートメーション搭載のAI機能
最後に、マーケティングオートメーションに実装されているAI機能を紹介します。AIによる高度な分析や、AIによる顧客対応とマーケティングオートメーションのシームレスな連携が図れます。
Pardot搭載のAI「Einstein AI」による機能
マーケティングオートメーションの「Pardot」に搭載されている主なAIには以下のものがあります。 Pardot搭載のAIの愛称は『Einstein(アインシュタイン)』です。
Einstein リードスコアリング
設定済みの属性情報から、潜在的な見込み客をAIが分析・スコアリングします。
Einstein 行動スコアリング
行動履歴をAIが分析・スコアリングして、成約確度が高い見込み客を特定します。
Einstein キャンペーンインサイト
機械学習により、見込み客に対して最も効果的なキャンペーンを確認できます。
Einstein Bots(チャットボット)
Pardotでは、姉妹システムのCRMシステムの「Salesforce」のAIチャットボット「Einstein Bots」と連携して、有機的なマーケティングオートメーションを実行できます。AIボットによる見込み客対応の自動化に加え、顧客が選んだチャットの選択肢をもとに、Pardotの設計シナリオに従った対応も可能です。
マーケティングにAIを活用しさらなる効率化を
マーケティング分野におけるAI活用においては、AIに適したデータの確保やそれを扱える人材が必要なことに留意しましょう。ただ、実務的に有用なAIツールやサービスが世界中で提供されており、特定の業務でAIを活用したいなら検討してみるのもいいでしょう。
マーケティングオートメーションではAIによる分析や、CRMシステムのボットシステムと連携した効果的なナーチャリングも可能です。マーケティングにAIを取り入れ、高度な分析やCRMとの連携でさらなる効率化を目指しましょう。