
【Marketing Cloud Engagement】SQLで配信ログを調査!トラブル解決の実用ガイド
Marketing Cloud Engagement 上手く運用するために気をつける点とは? 成功事例もご紹介
本ホワイトペーパーでは、Marketing Cloud Engagement の機能を解説し、企業がデジタルマーケティングを成功させるために、初期導入と運用時のよくある落とし穴とその回避策、導入の成功事例についてお伝えします。
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はじめに
「送ったはずのプロモーションメールがお客様に届いていない」「記載されている割引コードの情報がなぜか古いようだ」
BtoCビジネスにおいて、お客様からのこのような連絡は顧客体験(CX)の低下に直結し、MAツール全体の信頼性を揺るがしかねません。メールマーケティングの成果を最大化するためには、トラブル発生時の迅速かつ正確な初動が不可欠です。
BtoC向けのMAツールは多岐にわたりますが、本記事ではSalesforce Marketing Cloud Engagementに焦点を当てます。Marketing Cloud Engagementは高度なパーソナライゼーションと大規模配信に強みを持つ反面、トラブル発生時に「なぜ、そうなったのか?」を深く究明するにはSQLスキルが不可欠です。
お客様からの問い合わせに対し、憶測で対応するのではなく、SQLクエリを活用して配信ログ(送信履歴)を直接調査し、客観的な事実を把握する具体的な方法をプロの視点から徹底解説します。
BtoCビジネスで信頼を守る!MAツール配信トラブル発生時の「憶測」を排する重要性
迅速な対応が求められるトラブル発生時、BtoC MAツールの運用担当者が陥りがちなのが「たぶん届いているはず」「設定ミスだろう」といった憶測による判断です。しかし、BtoC領域では、一つのミスがブランドの信頼失墜につながります。
配信ログをSQLで直接確認することで、以下の3つを正確に把握できます。
- 本当にそのメールは配信されたのか?: 配信システムが正常に動作したか、ステータス(成功/失敗)はどうか。
- いつ、どのメールが送信されたのか?: 配信日時、キャンペーン名、件名などの特定。
- どの購読者キー(SubscriberKey)に紐づいているのか?: 顧客情報との正確な照合。
この事実に基づいて状況を切り分けることが、顧客体験を維持し、問題解決への第一歩となります。
配信ログ調査に必須な「データビュー」とは?
MAツールの運用において、配信履歴は「ブラックボックス」になりがちです。Salesforce Marketing Cloud Engagementでは、このブラックボックスを透明化するために「データビュー」というシステムテーブル(配信や開封などの履歴が自動的に記録されるデータベースのようなもの)が存在します。
SQLでこのデータビューに問い合わせることで、必要な情報を引き出すことができます。今回のトラブル調査には、主に以下の3つのデータビューを連携させます。
データビュー | 主な役割 |
|---|---|
_Sent | 「いつ」「誰に」送信したかというイベントの記録 |
_Subscribers | 購読者のメールアドレスとSubscriberKeyの対応情報 |
_Job | 送信したメールの名称や件名などの配信ジョブ情報 |
これら3つのテーブルを連携させることで、「指定のメールアドレスに、いつ、どのメールが送られたか」を完全に明らかにできます。
【実践】BtoC問い合わせを即解決!Marketing Cloud Engagement 配信ログ調査のためのSQLクエリ
Marketing Cloud EngagementのAutomation Studioで、以下のSQLクエリを実行すれば、必要な情報をデータエクステンションに出力できます。
/* メールアドレスをキーに、関連する送信履歴を抽出する */
SELECT
s.SubscriberKey,
sub.EmailAddress, /* 送信先メールアドレス */
s.EventDate AS SentDate, /* 送信日時 */
j.EmailName, /* 送信されたメール名 */
j.EmailSubject /* 送信されたメールの件名 */
FROM
_Sent AS s
LEFT JOIN
_Subscribers AS sub ON s.SubscriberKey = sub.SubscriberKey
INNER JOIN
_Job AS j ON s.JobID = j.JobID
WHERE
sub.EmailAddress = 'customer_email@example.com' /* ←ここに調査したいアドレスを入力 */
クエリのポイント解説
FROM _Sent AS s: すべての送信イベントが記録されている_Sentテーブルを主軸にします。LEFT JOIN _Subscribers AS sub:_SentテーブルにあるSubscriberKeyを使い、_Subscribersテーブルと結合し、対応するEmailAddressを取得します。このときLEFT JOINを利用することで_Sentテーブルにない_Subscribersの情報も確実に取得するため、送信されていないことも確認可能となります。INNER JOIN _Job AS j:_SentテーブルにあるJobIDを使い、_Jobテーブルと結合します。このときINNER JOINを利用することで関連性のあるレコードだけを抜き出し、具体的なメール名(EmailName)や件名(EmailSubject)を取得します。WHERE sub.EmailAddress = '...':_Subscribersテーブルから、調査したいお客様のメールアドレスを持つレコードだけに絞り込みます。
このクエリを実行すれば、「お客様のメールアドレスに、過去180日間でどのようなメールが送られたか」の一覧が手に入り、お問い合わせ内容との照合が可能になります。
調査で判明!SFMC配信ログのエラーコードとBtoCにおける具体的な改善策 🚨
SQLクエリによる配信ログ調査で重要なのは、メールが「送られたかどうか」だけでなく、「なぜ届かなかったか」という失敗の理由を突き止めることです。SFMCの配信ログ(特にデータビュー_Sentや_Bounce)には、メールの到達を阻んだエラーコードやステータスが記録されています。
これらのエラーを分析し、BtoCメールマーケティングの改善につなげる具体的な方法を解説します。
- バウンス(不達)の種類の確認と対策
配信に失敗した場合、SFMCは「バウンス」として記録します。バウンスには、一時的なもの(ソフトバウンス)と恒久的なもの(ハードバウンス)があり、それぞれでBtoCビジネスにおける対応が異なります。 サプレッションリストの確認と問題解決
お客様から「メールが届かない」と連絡があった場合、エラーコードが返ってこないにも関わらず配信が止まっているケースがあります。この場合、SQLで確認したSubscriberKeyが「サプレッションリスト」に含まれていないかを確認する必要があります。- この一歩がBtoCマーケティングの質を高めるMAツール BtoC運用において、SQLによるログ調査は「犯人探し」ではなく、「メール配信の品質と顧客体験の向上」を目的とすべきです。
エラーコードの分析を仕組み化することで、送信エラーの傾向(例:特定のドメインへの到達率低下)を早期に把握できます。これにより、SFMCのIPウォームアップ戦略の見直しや、コンテンツの最適化といった、より高度なメールマーケティング施策の改善に繋げることができます。
まとめ:BtoC企業のMAツール運用力を高めるSQLスキル
Salesforce Marketing Cloud Engagementを日常的に利用しているBtoC企業のマーケティング担当者にとって、SQLは単なるデータ抽出のスキルではありません。これは、予期せぬトラブル発生時に、迅速な事実確認と顧客からの信頼維持を可能にするための強力な武器です。
高度なBtoC MAツールを活用する上で、配信ログをブラックボックスのままにせず、SQLを使って透明化できる能力は、他社との差別化につながります。
今回ご紹介したSQLクエリを知っているかどうかで、初動のスピードと正確性が大きく変わります。ぜひこの方法をマスターし、お客様対応力の向上と、より効果的で透明性の高いメールマーケティング活動につなげてください。
Marketing Cloud Engagement 上手く運用するために気をつける点とは? 成功事例もご紹介
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