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顧客ごとのWeb行動を逃さない!バラバラのデータをData Cloud×動的関連リストでまとめる実践ノウハウ

Data Cloud の基本と活用法!
MA課題をデータで解決する
方法とは?

本ホワイトペーパーでは、Data Cloudの基礎を知りたい企業様や、データ活用を強化しマーケティング施策の効果を最大化していきたい企業様向けに、Data Cloudの導入・運用を成功させるためのポイントをご紹介いたします。

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toBeマーケティングデータマーケティングチームです。

せっかくWeb行動データを収集したが、バラバラになってしまい営業で活用できてない。そんな悩みを解消するために、Data CloudでID解決し、Sales Cloudの動的関連リストにWeb行動履歴を表示するという仕様で実装した事例をご紹介します。

本記事では、具体的な手順とこれらを実装した背景や解決した課題についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

toBeマーケティング株式会社では、Salesforce Data Cloud を活用した顧客データの統合と活用をご支援しています。
Data Cloud 導入支援

具体的には、企業が保有する複数のデータソースを整理・統合し、ID解決やデータモデリングを通じてマーケティング施策に活用できるデータ環境を整備します。

また、セグメント設計から施策連携まで一貫してサポートし、データをスムーズにマーケティング施策へ活かすための体制づくりを支援しています。
詳細はこちらよりお気軽にお問い合わせください!

1. ID解決と動的関連リストを使うことになった背景

では、さっそく本題に参りましよう。

Account Engagement(以下AEと略)でウェブサイトを閲覧したり、フォームを送信したり、メールを開封したりといった様々なアクティビティを取得できてはいるのですが、それらを営業の方はSales Cloudで確認できていない状況でした。AEからSales Cloudにアクティビティを同期できる「エンゲージメント履歴 (Engagement History)」を使うことも検討したのですが、AEでは基本的に1つのメールアドレスに1つのプロスペクト(プロスペクトとはAEで個人を管理するレコードの概念)が紐づいています。

Sales Cloudのレコードがメールアドレスで重複していない状態であれば「エンゲージメント履歴」で問題ないのですが、今回のケースでは重複していました。

そのため、プロスペクトと紐づいていない取引先責任者のページを開いても、アクティビティが確認できない!という状態になってしまいます。

この問題を解決するために、Data CloudのID解決と動的関連リストを使うことになりました。

補足:エンゲージメント履歴 (Engagement History)は以下のキャプチャの右下赤枠の部分。

この機能により、様々なアクティビティが、Salesforceのリードや取引先責任者レコードのタイムラインに表示できる標準的な方法です。

参考記事 ヘルプ:レコードのエンゲージメント履歴の表示

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=mktg.campaigns_engagement_history_parent.htm&type=5

2. ID解決と動的関連リストを使うと何ができるのか?

Data CloudのID解決という機能を使うことで、メールアドレスが同じお客様をキーリングのように紐づけるunified Individual IDというものが作成されます。これにより、メールアドレスが同じ取引先責任者に対してリレーションが作成されます。このリーレーションを利用することで、いずれか1つの取引先責任者にアクティビティが紐づいていれば、その情報を他の取引先責任者のページにも表示できるようになるわけです。

以下は完成イメージ

3. Data CloudでID解決し、Sales Cloudの動的関連リストを表示する手順

ここからは実際の手順をご紹介します。

事前作業として、ID解決の設計やデータ状態の確認。Data CloudへのAEのアクティビティのデータ連携する手順については省略させていただいております。

ステップ1:ID解決を作成する

DataCloudにログイン>[ID解決]>[新規ルールセットを作成]>[次へ]


[新規ルールセット]にて任意の値を設定し[次へ]をクリック

任意のルールセット名と設定をし[保存]をクリック。

[ルールセットのプロパティ] タブで、[構成] をクリックし、任意の[一致ルール]を設定し[次へ]をクリック

(ワンポイント)こちらの記事では割愛させていただきますが、ルールの設計は御社のデータ設計や希望条件などにより異なりますので、事前にデータ調査と設計することがとても重要です。

一致ルールを確認し[保存]をクリックします。

以上で、ID解決の設定が完了しました。

<関連記事>

▼ヘルプ:ID 解決ルールセットの作成

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=data.c360_a_identity_resolution_ruleset_create.htm&type=5

▼DataCloud 顧客理解を深める「ID解決」とその重要性について

https://tobem.jp/pardot_blog/data_cloud/202506020945.html


ステップ2:Data Cloud関連リストを作成する

[設定]>[オブジェクトマネージャ]>[取引先責任者]>[Data Cloud関連リスト]をクリックします。

[新規]をクリックし、Data Cloudオブジェクトで[Website Engagement]を選択し、[次へ]をクリックします。

子リレーション名はそのままにして、統合オブジェクトは今回の実装で使いたいオブジェクトを選択し[次へ]をクリックします。

関連リストの表示ラベル:(任意)

選択したページレイアウトに関連リストを表示:(任意)

カスタマイズされたページに追加:チェックをON

[次へ]をクリックします。

(ワンポイント)動的関連リストを作りたいのだから「Data Cloud関連リスト」の作成は不要では?と思っていたのですが、「Data Cloud関連リスト」を作成せずに動的関連リストを作成したら、動的関連リストの作成時に「Website Engagement」がリストに表示されませんでしたのでご注意を。

ステップ3:動的関連リストを作成する

[設定]>[オブジェクトマネージャ]>[取引先責任者]>[ Lightning レコードページ]をクリックします。


レイアウトを反映させたいレコードページを選択

[編集]をクリックします。

[動的関連リスト-1つ]を配置させたい場所にドラッグします

追加したコンポーネントをクリックすると、右側のサイドバーで動的関連リストの詳細が設定できるようになります。

関連リスト:Website Engagement

関連リストの表示ラベル:(任意)

関連リストラベル:(任意)

表示するレコード数:(任意)※最多30件

関連リストの項目:(任意)

関連リストの検索条件:項目を「Create Date」演算子「次の文字列と一致しない」値「<空白のまま>」にして[完了]をクリック。

(ワンポイント)関連リストはデフォルトの設定では、直近7日間のデータのみを表示する設定です。つまり、直近7日間のWeb行動履歴のレコードがない場合、関連リストには値が表示されず、まるでWeb行動がまったくないかのように見えてしまいます。そのため、関連リストの検索条件を加えることで、直近7日以外でもレコードがあれば表示させています。

画面右上隅にある[保存]をクリックした後、[有効化]をクリック。

必要な設定をして[完了]をクリック。

ステップ4:権限セットの割り当て

環境によっては権限セットの割り当てが必要です。動的関連リストを表示したいユーザーに対して、Data Cloud データスペースへのアクセス権を持つ権限セットを作成し、閲覧するユーザーに割り当てます。

ヘルプ:関連リスト強化の権限セットの作成

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=data.c360_a_create_a_related_list_permset.htm&type=5

(ワンポイント)弊社で試してみたところ、権限セット「DataCloud管理者」または「Data Cloudユーザー」権限セットを付与することでも「動的関連リスト」が表示されましたので、こちらの方法も御社環境にて検証の上、ぜひご検討ください。

ヘルプ:Data Cloud 標準権限セット

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=data.c360_a_userpermissions.htm&type=5


ステップ5:Web行動の表示確認

メールアドレスが同じ取引先責任者に同じWeb行動が表示されているか確認します。

以下の例では、Dispatcher AcmeとHodges Bobのメールアドレスが重複しています。

Dispatcher AcmeとHodges Bob の取引先責任者オブジェクトに、同じWeb行動が表示されていることが確認できました。

4. まとめ

この機能を使うことで同じメールアドレスの顧客だか、販売店ごとに取引先責任者を作成している場合でも、同一のWeb行動が表示されるので、顧客の行動をいち早く把握し営業活動に役立てることができるようになりました。

実際の構築時にはID解決のルールを設計するために、データ状態とお客様のご希望をヒアリングの上、実装させていただいております。今回の例はWeb行動でしたが、工夫次第で様々なデータを連携し営業活動に役立てることができる、とても便利な機能ですね。気になった方はぜひお試しください。弊社にてサポートさせていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。では、また別の記事でお会いしましょう。


Data Cloud Provisioningも提供可能です!

冒頭からもお伝えしている通り、Data Cloud Provisioningは、Salesforceが無料で提供してくれた基本ライセンスです。

このProvisioning(プロビジョニング)でできるのは、主に以下のことです。

  1. データ統合の基盤づくり
    • 複数のSalesforceの仕組み(組織)や、その他の外部にある顧客情報を集めてきます。
    • 「田中太郎さんの携帯番号と、ウェブサイトのIDは、同じ人だ」とAIが判断し、バラバラだった情報を一つにまとめます(これを「ID解決」といいます)。
  2. 360度ビューの作成
    • 統合されたデータを使って、「お客様の全て」が分かる統一された360度ビューを作れるようになります。
  3. 可視化と意思決定のサポート
    • まとめたデータをTableauなどのツールで見やすくし、経営判断や次の戦略を考えるのに役立ちます。

▶︎Data Cloud Provisioningの詳細についてはこちら

✔Data CloudとMarketing Cloud or Account Engagementを連携させるとどのような効果があるのか知りたい方

Marketing Cloud or Account Engagement外にあるデータソースを掛け合わせた条件でリストを作成したい

✔組織が事業部ことに複数ありデータの統合をしたい方

上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ!弊社サービスをご活用ください!

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Tableau、CRM Analytics、Markting Cloud Intelligenceなどの導入・活用をお手伝いさせていただいているtoBeマーケティングのデータマーケティングチームが、BIの導入・活用におけるナレッジをお届けいたします。

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