
Marketing Cloud Next:Agentforceを「使いこなす」ための第一歩——Campaign Planning戦略的活用ガイド

toBeマーケティング株式会社では、Salesforce Marketing Cloud Nextの導入から活用、運用までをトータルでサポートしています。次世代のパーソナライズドマーケティングを実現するために、お客様の課題や目標に合わせて最適なマーケティング戦略を策定し、その実行を支援いたします。
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さらに、弊社はSalesforce製品との連携に強みを持ち、初期構築から高度な活用、データ分析まで、専門的な知識と豊富な経験を活かしてお客様のマーケティング成果の最大化に貢献します。
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Marketing CloudでのAgentforce活用ガイド|第1回:キャンペーン・プランニング戦略的活用術
マーケティングの現場は、AIへの「期待」から「実務へのフィット」という実践フェーズに突入しました。Salesforceの次世代基盤「Marketing Cloud」の中核を担う自律型AI「Agentforce」。しかし、成果を出すには「丸投げ」ではなく、AIと従来の運用を「使い分ける判断力」が不可欠です。
本連載(全3回)では、Agentforceをビジネスに実装する勘所を解説。第1回は、施策の起点となる「Campaign Planning(キャンペーン・プランニング)」に焦点を当て、その具体的な機能と活用シーンを紐解きます。ぜひご覧ください!
Agentforceを構成する:3つの柱
詳細に入る前に、Marketing Cloud NextにおけるAgentforceの全体像を整理しておきましょう。Spring '26(2026年2月)時点では、主に以下の3つのトピック(役割)によって構成されています 。
・ Content Creation: メールやメッセージなどのコンテンツ生成の基盤を担います 。
・ Campaign Planning: キャンペーンの目的からブリーフ(設計図)を作成し、適切なビジネスユニットを特定します 。
・ Campaign Preview Refinement: Spring '26の目玉機能です 。AIが作成した下書きに対し、対話を通じて細かな修正や調整(洗練)を加えます 。
1. 「機能を理解する」ことが、最強のカスタマイズになる
Agentforceを自社の業務にフィットさせるためには、まず「どんなアクション(命令)が可能なのか」という手札を知る必要があります 。
「とりあえずAIに任せる」のではなく、各トピックが持つ具体的な機能を把握することが、誤操作を防ぎ、精度を高める最短ルートです 。この「機能への深い理解」こそが、AIを単なるツールから、貴社の業務に最適化された信頼できるパートナーへと進化させます 。
2. Campaign Planning:戦略を「ブリーフ」化する全9アクション
「Campaign Planning」トピックは、キャンペーンの「コンセプト作り」から「実行後の分析」までを幅広く担います 。基盤となるのは、膨大な顧客データを統合する Data 360(旧 Data Cloud) です 。Spring '26時点でこのトピックに紐づけられている全9つのアクションを網羅的にご紹介します 。
Campaign Planning 搭載アクション一覧(Spring '26版)
アクション名 | 役割・機能の概要 |
Marketing Cloud: Draft a Campaign Brief | キャンペーンの目的(Objective)から、戦略をまとめたブリーフを生成します 。 |
Marketing Cloud: Save Campaign Brief | 生成したブリーフを正式に保存します 。 |
Marketing Cloud: Draft a Campaign Preview | ブリーフに基づき、キャンペーンの下書き(プレビュー)を作成します 。 |
Marketing Cloud: Save Campaign | 調整が完了したキャンペーンを正式に保存します 。 |
Marketing Cloud: Identify Business Unit | 【Spring '26 新機能】 施策を実行する適切なビジネスユニットを特定します 。 |
Identify Record by Name | キャンペーン名から対象のレコードID(campaignID)を特定します 。 |
Marketing Cloud: Summarize a Campaign | 開封率、クリック率などのキャンペーン結果を要約します 。 |
Marketing Cloud: Generate Campaign Insights | エンゲージメントデータをもとに分析や改善示唆を生成します 。 |
Query Records | 既存のブリーフ、関連ファイル、特定のレコードを検索します 。 |
3. 実践:会議の議事録からキャンペーンを即座に構築
Agentforceのトピックは、自社専用にカスタマイズすることが可能です 。独自の専門用語や「これだけは守ってほしい」という運用ルールを事前にトピックの指示(プロンプトテンプレート)に組み込んでおくことで、AIの回答精度は劇的に向上します 。
実践的なカスタマイズ例:
・ 用語の言い換えルール: 「『顧客』ではなく『パートナー様』と呼ぶ」「『値引き』という言葉は避け、『導入支援特典』と表現する」といった自社固有のトーン&マナーを基本ルールとして設定できます。
・ ビジネスユニット(BU)の優先順位: 「グローバルイベントに関する施策の場合は、必ず『イベント推進BU』を優先して特定(Identify Business Unit)させる」といった組織構造に即した判断基準を学習させることが可能です 。
4. 自社独自の「トーン&マナー」を学習させるカスタマイズ
「一から指示文を考えるのが大変」という方に最適なのが、既存のテキスト情報をそのまま読み込ませる活用法です 。B2Bの現場で想定される、よりリアルな入力パターンを見ていきましょう。
シーン①:展示会後のブレスト議事録からブリーフ作成
入力例: 「以下は本日実施したIT Expoの振り返り会議のメモです。この内容をもとに、資料請求者とブース訪問者それぞれへのフォローアップキャンペーンのブリーフを作成して。適切なBUの特定も同時にお願いします。
【会議メモ】
・資料請求した『検討中リード』には、3日以内に個別デモの打診メールを送る。
・名刺交換のみの『情報収集リード』には、来月の事例セミナー案内を1週間以内に送る。
・KPIは商談化率。昨年より15%引き上げたい。」
シーン②:過去の分析レポートに基づいたウェビナー改善プラン
入力例: 「以下に貼り付けるのは、昨年実施した製造業向けウェビナーのパフォーマンス要約です。高い離脱率が課題として挙げられているので、これを改善するための『2026年上期ウェビナー集客キャンペーン』の構成案を作成して。
【昨年のレポート抜粋】
開封率は25%と良好だが、LPからの申し込み率が5%と低い。原因は対象業種の絞り込み不足。今年はサプライチェーン管理に特化したセグメントに絞るべき。」
シーン③:CSチームのヒアリングメモから解約防止施策を策定
入力例: 「カスタマーサクセスチームから共有された、SaaS利用率低下の要因リストを以下に貼ります。これをもとに、契約更新6ヶ月前のユーザーを対象としたヘルスチェック・キャンペーンのブリーフを作成して。
【ヒアリングメモ】
・初期設定後のログイン頻度が、3ヶ月目以降で50%低下している。
・特に『ダッシュボード機能』を使っていないユーザーの解約率が高い。
・活用のコツを伝えるオンライン相談会への誘導が必要。」
生成されたキャンペーンの例
生成されたキャンペーンのフローの例

5. 導入のメリット:誰が、どのように「幸せ」になる?
Agentforceの導入は、マーケティング部門だけでなく、組織全体にポジティブな変化をもたらします 。
・ 現場のマーケター【圧倒的なスピードアップ】: いかに早く施策を立ち上げるかは、現代のビジネスにおいて死活問題です 。AIが会議のメモから瞬時に「素案」を作成することで、ゼロから悩む時間が削減され、施策ローンチまでのスピードが劇的に向上します 。
・ チーム全体【戦略イメージの同期】: 具体的なドラフトが即座に可視化されることで、チーム全員が同じイメージを持って戦略に向かうことができるようになります 。認識のズレが減り、目的の精度は「使い分け」によってさらに向上します 。
・ 営業・セールスチーム: AIがリードを育成し、関心が高まった「ホットなリード」を特定して通知するため、商談化率の向上が期待できます(事例では2倍に向上) 。
・ 経営・マネジメント層: 部門間のデータの壁がなくなり、AIによる客観的なインサイトに基づいた迅速な意思決定が可能になります 。生産性は全体で30%向上するという実例も出ています 。
6. 【戦略的視点】エージェント方式と従来運用の「使い分け」
ここで強調したいのが、「すべてをエージェント方式(Agentforce)に任せない」という判断の重要性です 。
AIによる自律生成は非常に強力ですが、ブランドの厳格なルールがある定型業務まで無理にAI化すると、運用が不安定になるリスクもあります 。
・ Agentforceを活用すべき場面: 新規キャンペーンの立ち上げ、展示会後の迅速なフォロー、膨大な過去データからの傾向分析、ROIの最適化提案など 。
・ 従来の運用を維持すべき場面: 毎月恒例の定型的な製品アップデート通知、厳密な法務チェックが必要な定型文、複雑な条件分岐が確立されている基幹フローなど。
「何でもAI」ではなく、「ここはAIで効率化し、ここは人間が手綱を握る」というハイブリッドな戦略を組み上げることこそが、現場における真の成功法則です 。
まとめ:Agentforceを「最強の右腕」にするために
Marketing Cloud NextにおけるAgentforceの導入は、単なるツールの置き換えではなく、マーケティングの立ち上げスピードと精度を劇的に向上させる「実務革命」です。第1回で解説した「Campaign Planning」を使いこなすポイントは以下の3点に集約されます。
機能を知る: 全9つのアクションを把握し、AIに「何ができるか」を正しく理解すること。
ルールを教える: 自社独自の用語や組織構造をカスタマイズで組み込み、AIを自社専用に最適化すること。
戦略的に使い分ける: ゼロからの素案作成や分析は「AI」に、ブランドの根幹や定型運用は「人間」が。
「AIに丸投げ」するのではなく、AIが得意な領域を見極めて手綱を握る。 このハイブリッドなアプローチこそが、複雑化するマーケティング現場において確実な成果を出すための唯一の道です。
まずは、身近な「会議の議事録」をAgentforceに読み込ませ、施策のブリーフ作成を任せることから始めてみてください。toBeマーケティングではSalesforce活用に合わせたAgentforce導入をご支援しています!お気軽にご相談ください!
次回予告
戦略(ブリーフ)が固まったら、次は具体的な形にするフェーズです。 次回は、AIと対話しながら下書きを洗練させる「Campaign Preview Refinement」を詳しく解説します。

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