
【事例】Marketing Cloud活用事例|継続率・売上を最大化するデータ活用と自動化戦略
Marketing Cloud Engagementは、リアルタイムなデータ分析とAIを活用し、顧客エンゲージメントを最大化するパーソナライズドマーケティングを実現します。本記事では、Marketing Cloudの基本機能から導入効果、使い方、活用事例、Salesforce連携まで、あらゆる情報を網羅的に解説します。「toBeマーケティング株式会社では、Personalizationの導入から活用、運用までもトータルでサポートしています。またMarketing Cloud Engagementの活用において、お客様の課題や目標に合わせて最適なマーケティング戦略を策定し、その実行を支援いたします。
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さらに、複数の支援パッケージをご用意しており、企業ごとのニーズに応じた柔軟なサポートが可能です。
はじめに:顧客体験の最適化、その壁をどう超えるか?
「お客様一人ひとりに最適な情報を届けたい」「マーケティング施策のPDCAを高速で回したい」そう願っても、現実の業務は非効率に満ちていませんか?
多くのBtoB/BtoC企業のマーケティング担当者様、営業担当者様、そして経営層の皆様が、以下のような共通の課題に直面しています。
- データが分散し、顧客の行動履歴や契約情報と紐づけられない
- 施策実行に時間がかかりすぎ、競合に遅れをとってしまう
- 一括配信によるメール疲れや顧客の不満を招いている
本記事では、Marketing Cloudを導入し、これらの課題を見事に克服した5社の具体的な成功事例をご紹介します。
各社がどのようにデータ統合、パーソナライゼーション、および自動化を実現し、事業成長に繋げたのか、そのリアルなストーリーと具体的な成果から、「自社ならどう導入できるか」というヒントが得られるでしょう。
「継続率を1.4%向上させたデータ連携戦略」
企業:SOMPOダイレクト損害保険株式会社
「閲覧履歴などWeb上での行動データの活用に課題」──自走が難しい
SOMPOダイレクト損害保険株式会社は、保険契約の継続率向上を主要指標として掲げていました。しかし、既存のWeb接客ツールでは、メールの開封・クリック履歴といった行動データと、年代や契約内容などの契約データが連携できていませんでした。そのため、約100万人のお客様に対し、お客様情報に紐づいたきめ細やかな提案ができず、Marketing Cloud EngagementとPersonalizationを導入済みにもかかわらず、その力を十分に活用できていない状況でした。
ーMarketing Cloud運用支援導入の決め手・解決策ー
契約内容を判断した上で適切な提案をするには、Marketing Cloud EngagementとPersonalizationを連携させるのが最適解だと判断。Personalizationの本格活用には専門知識が必要であり、自社だけでの実装が難しいと感じていたため、Personalizationの活用実績とノウハウを持つtoBeマーケティングとの共同プロジェクトを開始しました。これにより、Web行動履歴と契約データを組み合わせた、顧客体験全体を描くシナリオ構築が可能となりました。
6カ月間で12のシナリオを構築・実装した結果、特に効果が顕著だったのが満期更改時の施策です。更改後の保険料が上がる見込みのお客様へのメールフォローを実施したところ、実施しなかった場合と比較して契約継続率が1.4%向上しました。1.4%の向上は、月間約10万件の契約更改がある同社にとって、収益に非常に大きなインパクトをもたらしています。
さらに、お客様の状態に応じた提案が可能になったことで、以前寄せられていたメールの送信頻度や内容に関する不満が大幅に減少しました。奈良純代氏は、この成果について「0.1%の変化でも影響が大きいなかでの1%以上の向上は、非常に大きな効果」と評価しています。
課題
保険契約の継続率向上のため、お客様の行動履歴・契約データに応じたきめ細やかな提案が必要だった
既存のWeb接客ツールでは、行動データと契約データの連携ができておらず、お客様情報に紐付けた提案ができなかった
Marketing Cloud EngagementとMarketing Cloud Personalizationを導入済みだったが、十分に活用できておらず、シナリオが増えていかなかった
解決策
Marketing Cloud 運用支援の導入
Marketing Cloud EngagementとPersonalizationを連携し、セグメントを精緻化
お客様の興味関心に合わせたパーソナライズされた提案
効果
行動履歴データと契約データを組み合わせたセグメント精緻化とシナリオ設計により、継続率が1.4%向上
お客様の興味関心に合わせた提案が可能になり、メールの送信頻度や内容に関する不満が減少
Marketing Cloud Personalizationの活用により「心地よいデジタル体験」を構築し、安心して保険サービスを受けられる顧客体験を実現
行動履歴と契約データを組み合わせた精緻なパーソナライゼーション施策により、契約継続率を1.4%向上させ、収益に大きなインパクトをもたらした。
「年間5億円規模の売上増に貢献!応募から面接予約への遷移率が58%に!」
企業:UTグループ株式会社
「仕事はあるが、人が足りない」──採用決定率の低迷
製造派遣分野のリーディングカンパニーである同社は、業績を伸ばす一方で「人不足」という大きな課題に直面していました。仕事の需要はあるものの、採用決定率が低下しており、「応募数が増えても、採用数が伸びない」状況でした。
特に、応募から採用までのコミュニケーション手段が電話やメール中心であり、執行役員の大森勇輝氏は「求職者ファーストの手段ではありませんでした」と指摘しています。毎月1万人強の応募者のうち、面接予約をするのは約50%に留まっており、採用プロセスの非効率さが、事業の急速な拡大に対するボトルネックとなっていました。
ーMarketing Cloud運用支援導入の決め手・解決策ー
採用の促進と会社の成長を両立させるため、同社はUI・UXの改善、自動化、データ活用を方針とし、採用プラットフォームの全面見直しに着手しました。
Marketing Cloudが採用された決め手は、グローバルスタンダードであること、他のツールとの連携の柔軟性、そしてLINEとの親和性の高さでした。求職者にとってベストなコミュニケーションを提供するため、LINEを選択肢に追加することが重要だと判断されました。
具体的には、
- ファーストコンタクトの短縮応募者データをクローラーでキャッチし、Marketing Cloudを介して応募から5分以内に面接予約案内をSMSで即座に返信
- マルチチャネルの提供予約方法としてLINE、WEB、メール、電話から応募者が選択できるようにし、ユーザビリティを改善
- 24時間稼働の自動化リマインドやフォローアップなど、人手でやっていた配信リスト生成を含む自動化シナリオをMarketing Cloudで構築し、時間的な制約による歩留まりを解消
課題
「応募数が増えても、採用数が伸びない」 : 採用決定率の低下
「作業をできるだけ自動化してヒューマンリソースを確保したい」 : 急速な事業規模拡大で業務効率化が急務
Account Engagementへの移行スケジュールが短く、移行後すぐに稼働できる体制構築が必要だった
解決策
Marketing Cloud 運用支援の導入
LINEなどのコミュニケーションチャネルを追加し、UXを改善
Marketing Cloudによる24時間稼働の自動化シナリオ導入
効果
導入3カ月後で、応募から面接予約への遷移率が58%に!
自動化と24時間稼働で、ヒューマンリソースの確保と生産性向上を実現!
Marketing CloudとLINEを連携させ、応募から5分以内の迅速なファーストコンタクトと24時間自動化を実現した結果、応募から面接予約への遷移率を58%に向上させた。
「施策実行リードタイムを2カ月から最短1週間へ短縮!セグメントメルマガのクリック率240%達成!」
企業:エノテカ株式会社
「顧客一人ひとりに合わせたOne to Oneメール配信」──膨大な工数が課題
ワインの輸入販売を手がけるエノテカにとって、通販部門におけるメルマガからの購入は非常に重要でした。しかし、顧客一人ひとりの嗜好や購買履歴に合わせたOne to Oneメール配信を実現しようにも、施策を実行するたびにメールの仕様検討、社内開発リソースの調整、データ抽出といった膨大な工数がかかっていました。
その結果、リテールマーケティング部の村山史香氏は、会議で決まった施策が実際に実行されるのは「1~2カ月先。トライ&エラーにはほど遠い状態でした」と振り返っています。また、顧客の嗜好データ(スパークリングワインが好き、高額なボルドーワインを好むなど)はMarketing Cloudに蓄積されていたものの、複数のデータが点在していたため、複雑な条件でのセグメント抽出が困難でした。
ーMarketing Cloud運用支援導入の決め手・解決策ー
同社は、迅速なトライ&エラー(高速なPDCA)を実現するため、Marketing Cloud専門スタッフを抱えるtoBeマーケティングに支援を依頼しました。
さらに、点在していた複数のデータを統合し、マーケティング担当者でも容易にセグメント抽出が可能になる「汎用セグメントマスタ」が提案・実装されました。これにより、複雑な条件もMarketing Cloudの画面上で絞り込むだけで設定できるようになりました。
また、メルマガ購読者層(30代~60代)とは棲み分けされている若年層(20代~30代)へのアプローチとして、LINEチャネルを開拓し、Marketing Cloud機能を活かしたクーポンやカート落ちリマインドなどのOne to One配信を実施しました。
課題
マーケティング施策のたびに開発が発生し、実行まで1~2カ月を要した
趣味嗜好が様々な顧客に対し、複雑な条件でのメルマガ配信ができなかった
解決策
Marketing Cloud 運用支援の導入
「汎用セグメントマスタ」によるデータ統合とセグメントの容易化
メルマガと棲み分けされたLINEチャネルを開拓
効果
外部開発リソースを上手く活用することで、施策の実施が2カ月から最短1週間に短縮
汎用セグメントマスタの活用で、メルマガ開封率150%・クリック率240%に増加
Marketing Cloudの専門的支援を受け、「汎用セグメントマスタ」を導入することで、施策実行までのリードタイムを大幅に短縮し、顧客ニーズに深く応えるパーソナライズされたメール配信でクリック率240%増加という高いエンゲージメント効果を達成した。
「Marketing Cloudの活用でLINEのセグメント配信を実現!」
企業:株式会社ベネッセコーポレーション
「デジタルマーケティングで、中高生との新たな接点を」──
「進研ゼミ」を主軸に教育事業を展開するベネッセは、紙のDM中心だったマーケティングから、デジタル化への変革が求められていました。特に、中高生とのコミュニケーションに最適なLINEに着目し、LINE公式アカウントを集約しましたが、その後、「セグメントを切って個別配信ができない」という大きな課題に直面しました。
同社が目指すのは、会員属性(受講中/非会員/過去会員)、学年、受講内容によって細かくセグメントを分け、適切なメッセージを届ける「1対1のコミュニケーション」 でしたが、Marketing Cloudの複雑な仕組みがうまく活用できず、運用ノウハウを持つ社員がいなかったことも課題でした。
ーMarketing Cloud運用支援導入の決め手・解決策ー
LINEでの個別配信の実現と、社内に蓄積されたマーケティングデータの活用を目指し、Marketing Cloudの運用支援をtoBeマーケティングに依頼しました。
運用支援では、情報セキュリティに最大限配慮しつつ、会員属性や学年、受講内容といったデータをMarketing Cloudに取り込み、個別にメッセージを配信できるシナリオを3カ月ほどで構築しました。
専門家がマーケティング施策に合わせた配信リストの抽出を支援することで、平均して毎月30件ほどの配信リストが安定して作成できるようになりました。
課題
LINEマーケティングで、セグメントを切って個別配信ができなかった
Marketing Cloudは複雑な仕組みで、うまく活用できなかった
Marketing Cloudの運用ノウハウを持つ社員がいなかった
解決策
Marketing Cloud 運用支援の導入
Marketing Cloudにデータを統合し、セグメント配信シナリオを構築
外部専門家による継続的な運用支援
効果
取り組み後、1年半でLINE登録者数が大きく成長!
「進研ゼミ 中学講座」の活用をLINEでサポート
毎月30件ほどの配信リストを作成、学年ごとに最適化されたLINE配信を実現
Marketing Cloudの複雑な機能を専門家の支援のもとで活用し、LINEでの学年別セグメント配信を可能にした結果、中高生とのデジタル接点を大幅に強化し、教材利用率(MAU)の維持に大きく貢献した。
「“Only for You”の理念を実現!一括送信から脱却し、継続利用に繋がるフォローアップを確立」
企業:株式会社協和
「一括送信では辟易し開封されない」──採用決定率の低迷
生命科学を駆使した先端美容シリーズを手がける同社は、継続して製品を使用することで効果を実感できるという自負がありました。しかし、お客様へ定期的に配信するメールは、全顧客に同じ内容を一括送信する運用を行っていたため、「一括送信では辟易し開封されない」という状況に陥っていました。
毎月数十通ものメールが単なる販促メールになってしまい、同社が掲げる「あなただけにあなたが必要としているお役立ち情報を届けたい」という『Only for You』の理念と現実が乖離していました。特に、製品の正しい使い方や技術情報が伝わらず、「効果を感じられない」と一度きりの使用でやめてしまうお客様が多いことに悩んでいました。
ーMarketing Cloud運用支援導入の決め手・解決策ー
同社は、お客様一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現するため、Marketing Cloudの本格活用を目指しました。
初期構築を担当したベンダーでは「Only for You」の情報提供が実現できなかったため、2021年3月に新たなパートナーとしてMarketing CloudのプロフェッショナルであるtoBeマーケティングを選定しました。決め手は、同社の課題感を自社のように捉え、「パートナーとして寄り添ってくれる姿勢」でした。
解決策として、購入履歴データを活用し、送信メールのシナリオを購入者に応じて変化させました。製品をお届けしたタイミングを起点に、「ブランドの理念」「製品の内容や使い方のコツ」などを定期的に知らせるコンテンツを配信することで、継続的なご利用へと導く仕組みを構築しました。さらに、メールで届かない場合はLINEやSMSを通じて確実に情報をお届けする多方面への展開も検討されています。
課題
一括送信では辟易し開封されない
Only for Youという 理想と現実の乖離
製品の本当の良さを伝えきれない
解決策
Marketing Cloud 運用支援の導入
顧客ごとにメール内容を変えて送信数を削減
購入製品の種類や時期に応じたフォローアップシナリオ構築
効果
トレジャーデータからの購入履歴を活用し少なくても効果的なメールを
送信メールのシナリオを購入者に応じて変化
LINE、SMSでさらなるフォローアップも予定
Marketing Cloudの専門的運用支援により、全顧客への一括送信から脱却し、「Only for You」の理念に基づいた購入履歴別のフォローアップ配信を実現することで、継続利用に繋がる顧客体験を構築した。
まとめ:成功企業5社に共通する「データ活用の極意」と、次のアクション
今回ご紹介した、業種もターゲットも異なる5社の成功事例には、Marketing Cloud導入・運用において共通する重要な学びがあります。
成功事例に共通する5つの学び
- データ統合による「セグメントの精緻化」が成果の源泉となる成功の鍵は、マーケティング部門やシステム間で分断されていたデータ(契約データ、購買データ、Web行動データ、会員属性)をMarketing Cloud上に統合し、手動では実現不可能なレベルのセグメントを可能にした点です。
- 顧客の状況に合わせた「One to One」コミュニケーションへのコミットメント
5社すべてが、一律送信から脱却し、顧客の興味関心やフェーズに合わせた情報提供を徹底しています。これにより、単なる販促ではなく、顧客にとって「役立つ」パートナーとしての信頼を獲得しています。
- 顧客の日常に合わせた「マルチチャネル戦略」顧客が最も利用するチャネル(中高生ならLINE、求職者ならLINEやSMS)を戦略的に活用し、Marketing Cloudと連携させることで、最適なタイミングでのアプローチを実現しています。紙のDMやタブレット通知では届かない顧客にもリーチし、コミュニケーションの歩留まりを解消しました。
- 専門家との協業による「高速なPDCAサイクル」の実現Marketing Cloudは多機能で複雑なため、専門知識が不可欠です。自社リソースが不足している場合、外部専門家を活用することで、エノテカ様のように施策実行リードタイムが最短1週間に短縮され、協和様のように高速でPDCAを回す自由度の高い運用が可能になります。
- 人的リソースを「本質的な業務」に集中させるUTグループ様が自動化で人的リソースを確保したように、エノテカ様や協和様も、煩雑な設定や開発を外部に委託することで、マーケティング担当者が本来注力すべき「戦略立案や顧客体験の追求」といった本質的な仕事に費やす時間を増やしています。
今すぐデータ活用による成果を実現するために
本記事でご紹介した企業は、いずれも「データが分断している」「施策の実行が遅い」「Marketing Cloudを使いこなせていない」という共通の課題からスタートしました。
貴社がもし、継続率向上、採用促進、顧客ロイヤリティ向上を目指しており、Salesforce Marketing Cloudの導入や運用に課題を感じているのであれば、これらの成功事例で活用された専門的な支援サービスをご検討ください。
貴社の課題に寄り添い、Marketing Cloudの機能を最大限に引き出し、データ活用を成功に導くための最適な戦略を提案します。
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