アナログ管理から脱却し、コロナ禍でも売上130%UPできた秘訣とは?
企業情報
会社名 | 株式会社メガジェンジャパン |
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事業内容 | 「MEGAGEN Implant」の日本総代理店。歯科用インプラントおよび関連機材販売、関連セミナーや講演会の企画、運営 |
設立 | 2016(平成28)年7月 |
従業員数 | 10名(2020年 9月現在) |
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課題
- 販売記録もセミナー運営もExcelで個別管理。顧客情報を一元管理できない
- WEBサイトはあるだけ。Pardotの効果を発揮できる設計になっていない
- アナログ作業から脱却し、少数精鋭で販促活動を効率的に行いたい
効果
- 脱Excel! 行動履歴など顧客情報の一元管理と効率化を実現
- Pardot活用に最適なWEBサイトへリニューアルし、見込み客が3倍強に増加
- Pardot×WEB×オンラインセミナーで、売上実績が前年比130%UP
導入の背景
販売記録もセミナー運営もExcelで個別管理。顧客情報を一元管理できない
1度の外科手術でその日のうちに完結する “One Day Implant”のコンセプトで開発された、「MEGAGEAN Implant(メガジェンインプラント)」。その日本総代理店として、2016年に設立された株式会社メガジェンジャパンは、歯科用インプラントおよび関連機材販売を主軸に、認知度向上と啓蒙活動、技術普及のためのセミナーや講演会の企画、運営を行っている。
創業以来、営業記録や販売実績、セミナー運営に関する資料は、もっぱらExcelで管理しており、業績が伸びるにつれ作業効率の悪さや紙での管理、分散する顧客情報の扱いが課題となった。また、週1回ペースで行っていたセミナーも、告知チラシをDMやSNS上で展開、申込用紙をダウンロードして必要事項を記入してもらいFAXで受領する、半アナログ運用だった。
選んだ理由
アナログ作業から脱却し、少数精鋭で販促活動を効率的かつスピーディに実行したい
「セミナー運営のデジタル化と見込み客の一元管理を、一刻も早く実現したかった」と語るのは、メガジェンジャパンで営業を統括する営業本部長の塚脇悠己氏である。業界特有のアナログ志向からの脱却を決意し、顧客管理システムとマーケティングツールを複数社検討。自分たちが描く理想的なデジタルマーケティングの運用に最もマッチしていた、Salesforce CRMとPardotの導入を決定。あわせて、モバイル対応が遅れていた「会社概要と製品情報」だけのWEBサイトを、デジタルマーケティングに適した仕様に改修することも決めた。そして、「思い描く施策をできるだけ早く実行したかった」(塚脇氏)ことから、toBeマーケティングに「伴走活用支援サービス」を依頼し、スピーディーな施策の実行を目指した。
導入後の効果①
脱Excel! 行動履歴など顧客情報の一元管理と効率化を実現
まず、名刺管理ツールから、見込み客をSalesforce CRMへ同期。Pardotから送るメールマガジンでセミナーを告知し、申込みフォームで受け付け、Salesforce CRMで直接管理する流れを作った。Pardotの運用を担当するマーケティング部部長の合羽弘氏は、「今まではセミナー毎にFAXで受け付け、リストをExcelで作成していたので、複数のExcelに顧客情報が点在する上に、作業も無駄が多かったのです。現在のSalesforce CRMでは、過去のセミナーの参加状況や製品購入の有無、WEBサイトの閲覧履歴など、顧客情報が一つの画面に集約されます。アナログ(人力)では大変な作業が自動的に生成される、こんなに便利なツールはありません」と、情報の一元管理が想像以上に便利だと語る。
塚脇氏も、セミナーの運営管理に忙殺されていた業務が効率化された上、精度も高まったと高く評価する。効率化で余力が生まれ、セミナー申込み者に対する開催日前日のリマインドメールなども、Engagement Studio(シナリオ機能)で送れるようになり、機会損失の抑制効果も生まれた。
導入後の効果②
Pardot活用に最適なWEBサイトへリニューアルし、見込み客が3倍強に増加
Pardot活用に最適かつ自分たちでも管理しやすいWEBサイトが、toBeマーケティングの支援により実現。その結果、サイトを通じ、メルマガの登録者数が半年で400から1,300と3倍強に増えた。「そもそも情報を得る手段が少ない業界なので、メルマガを有益な情報源と捉える医師が少なくありません。開封率も50%~70%と非常に高く、メルマガは情報発信にとても効果があり、これからも登録者は増えていくでしょう」と塚脇氏。PardotによりWEBサイト上での閲覧状況が可視化されることで、見込み客がどの分野に興味があるかを判別できる。その情報を元に、関心が高い情報を適切なタイミングでメルマガから得られることは、見込み客にとっても嬉しいはずだと考えている。
WEB改修前は、数か月に1件だった問い合わせも今では毎日に増え、その上「問い合わせの質が変わりました。以前は『カタログ送って』のレベルでしたが、最近では受注につながる可能性の高い問い合わせが、全体の三分の一程度あります。コンテンツを増やし、製品ページも分かりやすく充実させたので、サイトを一通り見て『買いたい』思いが前提にあると感じられます」と、合羽氏はWEB改修の手ごたえを感じている。
導入後の効果③
Pardot×WEB×オンラインセミナーで、売上実績が前年比130%UP
「Salesforce CRMとPardotを入れていなければ、コロナ禍における営業損失は大変なものだったと思います」と、塚脇氏は語る。実演を伴うセミナーや訪問営業ができなくなり、リアルでの顧客接点が絶たれたからだ。幸運にも、WEB改修とシナリオ運用ができるようになったタイミングと重なり、すぐさま講義型のオンラインセミナーに切り替え、緊急事態宣言が出された2日後には初回のオンラインセミナーを実施した。「通常は10名程度の参加者ですが、オンラインセミナーには毎回400名を超える参加者があります」と合羽氏。オンラインセミナーを通じて製品の認知度も高まり、6月以降の売上は前年同月比を上回る130%増を達成した。
さらに、「今まではセミナー参加者を訪問する営業スタイルでしたが、オンラインセミナーに切り替えてからはほぼテレワークで仕事が進みます」(塚脇氏)と、営業スタイルの変革も実現した。オフラインでの活動が制約される中、オンラインセミナーへの迅速な切り替えとデジタルマーケティング施策がかみ合い、売上の向上と営業のテレワーク化が同時に実現した。
今後の期待すること
インプラント業界のDXを推進
今後の展望について、塚脇氏は「業界全体はまだアナログが主流です。当社はインプラントメーカーでオンラインセミナーを一番に始めたように、これからもどんどんデジタル化を推進し、他社に先んじてインプラントメーカーのDXを実現したいですね。無料のオンラインセミナーは、登録会員だけがアーカイブを見られるコンテンツにするなど、収益化も考えています。すでに100人を超える会員がいますが、動画コンテンツを起爆剤に会員登録2000件を目指します」と語る。2020年9月からは、動画コンテンツに誘導するシナリオを設計し、メールマガジン配信をスタート。今後はEngagement Studio(シナリオ機能)を活用し、手つかずの集客フォローにも注力するつもりだ。合羽氏は、「思い描いていたデジタルマーケティング施策に踏み込めるようになり、やりたいことがどんどんわき出てくるんです」と、笑顔で語った。