活用情報
UTILIZATION

パンク状態の見込み客情報に、優先順位と 確実なフォロー体制を構築。販売機会の損失を軽減

ユーロポート株式会社
ゼネラルマネージャー&マーケティングマネージャー 波多野 麻美氏、マーケティングチーム 鈴木 花歩氏

企業情報

会社名 ユーロポート株式会社
事業内容

プリンターから資材まで、特殊プリントに関わるあらゆる商品を扱う専門商社。国内全域はもちろん海外にも顧客を持ち、10万件を超えるユーザー数は業界トップクラス。業界最大級の専門ショールームを持ち、特殊プリントに関するすべてがワンストップでそろうため、個人から企業まで幅広い層のユーザーから支持を得る。

設立 1984年11月
従業員数 40名(2019年6月現在)
ホームページ

https://europort.jp/

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課題

  • 膨大な見込み客数に対し営業が追いつかず、販売機会の損失がたびたび起きた
  • 見込み客や顧客のセグメントができず、効果的な営業アプローチができなかった
  • Salesforce CRM導入直後の運用が、スムーズに進まなかった

効果

  • 展示会からの契約件数が1.9倍に向上
  • セグメントとスコアリングの実施で営業効率Up

導入の背景

展示会後、大量の情報入力を手作業で対応。自動化が必須課題に

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特殊印刷機材の専門商社として、独自の道を切り開いてきたユーロポート様。「水と空気以外、印刷できるものならすべて扱う」をモットーに、あらゆるものへの印刷機器や関連商材の販売、各種サービスを展開する。顧客も、企業から個人まで幅広く、日本全国のみならず海外にも取引先がある。展示会やWebサイトを通じての問い合わせや相談をきっかけに、担当営業がついてクロージングするスタンダードな営業スタイル。需要があり応えられるところはすべて商圏で、東京を拠点に少数精鋭の営業が全国を飛び回る。
Salesforce CRM導入の背景には、毎月着々と増えていく見込み客に、営業が対応しきれない現状があった。Webサイトからの問い合わせだけでも、月間平均130件。展示会に出展すれば、規模によるものの毎回500~600件の名刺とアンケート情報が集まった。2018年度までは年間10回以上、展示会に出展しており、そのたびに増えていく見込み客に手が回らない。「対応が間に合わずパンク状態で、12名の営業ではとても追いつかない状況でした」と同社のゼネラルマネージャー、波多野麻美氏は語る。Salesforce CRM導入前には、展示会が終了するたびに、集まった名刺とアンケート用紙(紙データ)を、数名のプロモーション担当者が展示会のフォロー営業用ツールに手作業で3,4日かけて入力。その後、営業会議で500~600件にも及ぶアンケート用紙と名刺を見ながら、約7時間かけて営業に割り振っていた。来場者フォローまで、最短でも約1週間かかり、その間に急ぎのお客様から問い合わせが入るなどの不都合があるうえ、すべての見込み客にコンタクトをとることが難しい状況だった。

選んだ理由

仕組みがわからず暗中模索の時期に出会った伴走支援サービス

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経営層は、見込み客数だけが増えて契約件数が上がらないこと、優先順位がつけられずに大事な案件を見落としていることを問題視。営業の負荷による販売機会の損失を看過できないとして、マーケティング部門の発足とSalesforce CRMの導入を決める。2016年9月にSales CloudとPardotを導入し、開発が入り初期設定が終わったのが、なんと2017年2月だった。「実は、Sales CloudとPardotの構築は、toBeマーケティングではなく他社に依頼しました。やりたいことが明確だったので、カスタマイズで機能を開発しましたが、いざ自分たちで運用しようとしたら、一つひとつの機能が分断していて連動せず、思ったように使えなかったのです。契約上、具体的な操作方法までのレクチャーを受けられないことがわかった時には、目の前が真っ暗になりました」(波多野氏)。そこから数カ月間、仕組みがわからないまま暗中模索の“暗黒期”に突入してしまった。こうした中で出会ったのが、toBeマーケティングのサービスだった。

導入後の効果

販売機会ロスの減少と営業効率の飛躍的向上を実感

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展示会からの契約件数が1.9倍に

「自動化できることは極力自動で、人が介在せずに膨大な見込み客を振り分けられる状況を目指しました。また、営業が自分の案件をすべて追えなくても、一人ひとりのお客様には何らかのタッチができて、それが記録される仕組みを作りたいと考えました」(波多野氏)。 展示会で得た名刺やアンケート情報は、すべてデジタル化して情報を紐付けたうえでSales Cloudに自動入力するサービスと連動。見込み客情報は、 セグメントされてPardotに入る仕組みを構築し、アンケートデータが、営業とマーケティング部門の共有で使える情報に変わった。「一番の希望が実現できてホッとしました。また、展示会後の作業負荷が激減しました」(波多野氏)。 膨大な見込み客情報のセグメントやスコアリングが可能になり、営業には確度の高い見込み客を渡すと同時に、Sales Cloudに案件を立てて、見込み客が放置されない仕組みもあわせて構築した。これにより、毎年出展している東京インターナショナル・ギフト・ショーからの契約件数は、前年度と比べて1.9倍と飛躍的に向上。数値としては見えていないが、販売機会ロスも減少している実感がある。

セグメントとスコアリングの実施で営業効率Up

全国を商圏とし、企業から個人までを広くターゲットとする同社にとって、営業効率を高めることは必須だ。営業担当者が直接対応するべき顧客と、デジタル施策で対応するべき顧客とを見極める必要がある。リアルな顧客対応においても、エリアや興味を持つシステム別にセグメントする必要があった。同社では原則、大型商談や納品が必要な印刷機器を扱う案件は営業が直接顧客に出向き、消耗品や素材などは、ECサイトを通じて販売するようにしているが、問い合わせや展示会で得た見込み客を振り分ける際には、その見極めが難しかった。 現在、Pardotを通したアクティブプロスペクト(Cookieが紐付きWebサイトの来訪や閲覧の履歴を追える人)は、月間300~500件ずつ増加している。見込み客情報のセグメントやスコアリングにより、確度の高い見込み客を選んでマーケティングの情報を付加したうえで、営業に渡せるようになった。こうした案件を担当するのは、比較的経歴の浅い若手の営業グループである。この棲み分けができたことで、ベテランの営業グループは、既存顧客や大型案件、アフターフォローに集中できるようになった。 「実は、Sales Cloudをきちんと活用している営業担当が、去年トップセールスになったのです。これを受けて社内の営業意識が変わり非常にポジティブになりました」(波多野氏)。Salesforce CRMの導入は、社内の営業ルールの整備につながり、営業効率は飛躍的に向上した。

導入の背景

10万件を超える顧客情報を一元管理して、マーケティング施策を強化したい

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直近で計画している施策は二つある。一つは、実績値(既存ユーザー情報)をSalesforceにきちんと登録すること。大型の取引がある企業のお客様の動きは比較的営業が追いやすいが、そうではない顧客の記録が約10万件、ファイルで散在して埋もれている。2019年度はまずこの状況を解消し、顧客情報の一元化、可視化を図る。もう一つは、アクティブプロスペクトを増やすこと。あらゆる局面でお客様がどの印刷システムに興味があるのかを探り、システムごとにスコアリングを始めた。しきい値を超えたお客様を営業に渡すのはもちろんだが、今後は、ナーチャリングも意識したメルマガの配信やダイナミックコンテンツの展開なども行っていく。これらの活動が軌道に乗り、新たな投資ができる結果を出せるようになったら、ECサイトユーザーも含めた顧客管理やマーケティングクラウドにも挑戦したいと考えている。Salesforce導入以前には手つかずだったマーケティング活動を、これからは数値で成果を追いながら、より高い目標に向かって進めていくつもりだ。


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