活用情報
UTILIZATION

不動産市場特有のアナログ営業をサポートする Pardot活用成功例

全保連株式会社
業務企画部 マーケットイノベーショングループ 副部長 中村 大輔 氏、屋良 一磨 氏

企業情報

会社名 全保連株式会社
事業内容

独自の家賃保証システムで、不動産賃貸物件の借り手、貸し手双方に安心を提供。年間申込数は38万件(2018年度)を超え、創業以来230万件を超す累積保証件数を誇る。

設立 2001(平成13)年
従業員数 730名(2019年7月現在)
ホームページ

https://www.zenhoren.jp/

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課題

  • 営業担当者との接触機会が薄い不動産会社が増え、機会損失が生じていた
  • 大家さんとのコミュニケーション手段がなく、会社やサービスの認知や理解が進まない

効果

  • 開封率は40%超! ほとんど稼働していなかった代理店から立て続けに反応を得た
  • 不動産物件オーナーとのコミュニケーション構築で、市場にイノベーションを!

導入の背景

アナログ営業の課題解決にMAでの新しいコミュニケーション手段を検討

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少子高齢化、核家族化などの社会的背景から、連帯保証などのしがらみを避けた「家賃保証サービ ス」の利用が年々増加している。2001年に沖縄で創業した全保連株式会社は、家賃債務保証業のパイオニア。「『借りる』と『貸す』をもっとスムーズ に」をキャッチフレーズに、賃貸住宅の借り手、貸し 手双方の「安心」を支えるサービスを提供して成長を続けている。同社は、賃貸住宅を仲介する不動産会社への直接営業が基本だ。全国18拠点で各地域の不動産会社と提携し、借り手に全保連のサービスを 紹介いただくビジネスモデルである。
これまでに「足で稼いだ」協定不動産会社(代理店)は全国に約4万件。増加する代理店を130名の営業スタッフではフォローしきれず、契約の取りこぼしが課題となりつつあった。また、直接の接点がない大家さんに対して、認知・理解促進のためにコミュニケーション手段の必要性も感じていた。そこで同社では、2018年10月にマーケットイノベー ショングループを設置。文字通り「市場革新」を目指し、従来の営業スタイルとは異なる、マーケティングを意識した施策を企画・実行する部署を立ち上げた。


選んだ理由

アナログ施策との連携のしやすさが選定のポイント

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同グループのリーダーである中村大輔氏は、「5年ほど前からマーケティングオートメーション(以下MA)に着目し、営業がフォローできない代理店や、大家さんとのコミュニケーション施策に使いたいと、数種類のMAツールを比較検討していました。不動産業界は、今も驚くほどアナログです。アナログ施策との連携のしやすさも選定のポイントでした」と語る。また、ユーザビリティに加え、備えている機能と実施施策のバランスもマッチしていた。会社ではすでにSales Cloudを導入しており、Chatterが積極的に活用されていることから、連動しやすいPardotを選択した。


導入後の効果

人対人のリアルなつながりを重視した施策で営業の稼働につなげる

開封率は40%超! ほとんど稼働していなかった代理店から立て続けに反応が

同社では、月間契約数のボリュームに応じた代理店のカテゴリー分けを行っている。4万件の代理店の内アクティブユーザーは約5割で、月間利用件数5件以下の代理店がほとんどを占める。そこで月間利用件数1件程度の特に利用率の低い代理店に向けて、関係構築と利用促進を目的とするメールを4カ月連続で送信。PardotのEngagement Studioを用いて、資料ダウンロードに誘導するシナリオを作成し実行した。すると「サービスの内容を知りたい」という問い合わせや資料請求など、メール送信1通に対し5件程度だが、実施後すぐに反応があり、代理店の利用につながった。「手ごたえを得て、それまでの代理店との接触不足を痛感しました」(中村氏) 。そ こで、Pardotによりメールを2週に一度、継続的に配信することで接点を増やしたところ、開封率42%、メルマガへのクリック率32%など、高い反応が得られた。Pardotで問い合わせや特定のWebページへのアクセスを確認すると、同社ではすぐに担当エリアの営業にChatterを通じて連絡する。依然としてアナログの不動産業界では、人対人のリアルなつながりが重視される。家賃保証サービスは、システムの差別化がしにくいため、会社への信頼度や直接的なコミュニケーションの影響が大きい。実際に「全保連をなぜ利用するのか」というアンケートによれば、「担当者の顔が見える」「よく来てくれる」という点が評価されている。営業が直接接点を持つことが重要なのだ。メール施策などで興味を持った代理店を、いかに早く察知し営業につなぐかで明確に契約数が変わる。Engagement Studioの活用も含め、今は試行錯誤しながら、より営業につながる施策を拡大するべく計画中だ。

不動産物件オーナーとのコミュニケーション構築で、市場にイノベーションを!

差別化しにくい家賃保証サービスは、営業戦略上、不動産会社への手数料競争につながりやすい性質がある。しかし、それは巡り巡って借り手の不利益になり、業界の健全化が阻害されかねない。同社のミッションは、賃貸市場全体の「安心」に貢献することである。しかし、重要なステークホルダーである大家さんとの接点は、今までほとんどなかった。そこで、大家さんとの関係構築のためにPardotを活用。イベント出展などで大家さんとの接点を持ち、名刺やアンケート協力で得たメールアドレスに、月に一度リストメールを配信している。民法や相続税関連の法改正など、大家さんにとって重要、有益な情報を分かりやすく提供することで、全保連とつながるメリットを享受してもらいながら認知度を高める作戦だ。まだ始めたばかりで効果検証はこれからだが、2019年度はイベント出展を4回計画しており、大家さんとの関係性を深めていくことで、将来的には自主セミナーへの誘導を目指す。

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今後、期待すること

マーケットのあるべき姿を描き、思想に基づいたMA施策で業界をHappyに

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ほとんど稼働していない不動産会社をメインターゲットにした掘り起こし施策は、営業サイドからも好評だ。Pardotでキャンペーン情報などをタイムリーに提供するなど、さらなる認知向上を目指す。物件オーナーに向けては、関係構築を急ぎたい。将来的には「街の不動産屋さん」規模の代理店との共催セミナーを開催したいと考えている。大手不動産会社は自社で独自のイベントやセミナーを開催できるが、小さな不動産会社にはハードルが高い。全保連が集客やコンテンツを担うことで、街の不動産屋さんが元気になる活動を支援したい。そのためにも、大家さんとの直接的な関係構築は重要だと考えており、マンパワーをかけずに関係構築を進められるPardotをうまく活用したい。とはいえ、Pardotはあくまでも“手段”のひとつ。マーケティング活動を何でも自動化してくれる夢のツールではない。自動化のベースには、自分たちが何をやりたいかという「想い」が大事だと、中村氏は言う。「業界特有のアナログの世界にどうデジタルを活用するのか。何をしたいのかがきちんと芯にあるかどうかでMA導入効果が変わると思います。業界を健全化しステークホルダーがHappyになるマーケットを育成したい、私たちがPardotを使う理由はそこにあります」。全保連が目指すイノベーションへ、Pardotはこれからも伴走し続ける。


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