CRMデータ連携とは?:導入のメリットや注意点を解説
2025.05.23
2025.05.23
「CRM」と言えば企業のDX化にとって欠かせない顧客管理ツールです。CRMと他のツールを連携することで、より効率的・効果的に顧客情報を活用することができます。
この記事では、CRMデータ連携のメリットやデメリット、主な導入方法をご紹介します。
toBeマーケティング株式会社では、顧客管理(CRM)に関する現状分析や課題抽出を行う「CRMアセスメント支援」や、CRM導入支援を提供しています。
また、顧客の業務課題に対して、CRMの効果的な活用や業務プロセスの改善、顧客データの整備などを通じて、
Sales Cloud をはじめとするCRMツールの導入・構築をサポートいたします。
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さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携や、
顧客情報の一元管理による営業活動の効率化など、包括的な支援も可能です。
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本資料では、Salesforce CRMとMAツールの連携によって、営業・マーケティング・経営の各部門が抱える課題を解決した企業の成功事例を紹介しています。商談状況の可視化や部門間の連携強化、分析による精度向上など、導入効果と活用ポイントを具体的に解説。 こんな方におすすめです!
- 商談状況の見える化ができていない
- マーケティングと営業が連携できていない
- 商談分析や精度の高い予測ができていない
CRMデータ連携とは?
まずは、CRMとCRMデータ連携の概要について簡単にご紹介します。
CRMの役割
CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」のためのツールです。主な役割は顧客との良好な関係を構築・維持することです。
顧客の基本情報情報(氏名、連絡先、年齢、性別など)を管理するデータベースとしての機能が搭載されています。近年では需要の増加に伴って多機能化が進み、顧客の購買履歴やオンラインのトラッキングデータなどを記録できるものが普及しています。
また、蓄積した顧客データを分析する機能を活用すればマーケティングや営業活動の支援、顧客体験の品質向上に活かすことができます。
顧客情報を一元管理できる利便性から、営業に限らずコールセンターやマーケティング部門などさまざまな部署で幅広く導入されています。
CRMデータ連携とは
CRMデータ連携とは、CRMとその他のマーケティングツールを連携することを指します。これによりCRMに蓄積した顧客データを他のツールと共有することが可能となります。連携できるマーケティングツールの種類は多く、たとえば以下のようなものがあります。
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SFA (営業支援システム)
→営業部門・マーケティング部門
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MA (マーケティングオートメーションツール)
→営業部門・マーケティング部門 -
CTI (コンピュータ電話統合システム)
→コールセンター -
CMS (Webサイト作成ツール)
→オンライン通販をはじめとしたWebサイト全般 -
SCM(サプライチェーンマネジメントツール)
→生産部門・営業部門
CRMデータ連携で扱うデータの種類
CRMから連携できるデータにはどのようなものがあるのでしょうか。その種類を3つの観点からまとめました。
顧客情報
CRMで扱う顧客データは、BtoCであれば氏名、年齢、性別、連絡先、住所などの個人情報がメインです。BtoBであれば企業名、担当者名、役職、連絡先のほか、資本金や決算月などの取引に必要な情報を記録することもできます。
顧客データの収集ルートは多岐にわたります。コールセンターでの受付や申込書の記入などのアナログな方法のほか、Webサイトの会員登録、問い合わせ、資料のダウンロードなど、オンラインで収集する方法も一般的です。
また、基本的な情報以外に、以下のような顧客とのコミュニケーションに関わる履歴も残すことができます。
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問い合わせ履歴
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商談履歴
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クレームの履歴
購買履歴
購買履歴は文字通り、顧客がどのような商品を購入したかの履歴です。商品名や個数だけでなく、購入ルートや契約内容も一元管理できます。このデータを可視化し分析することによって、ターゲット層ごとのニーズに沿ったクロスセル、アップセルが可能となります。
また、サブスクリプション型のサービスを取り扱うのであれば、契約期間や解約率を分析することでLTV(顧客生涯価値)の解析にも活用することができます。
行動履歴
ここで言う行動履歴とは、顧客のWebサイト上での行動を指します。この履歴からは、どのようなサイトを経由して自社の商品やサービスにたどり着いたか、どのWebページを閲覧したかなどの動向が分かります。
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Webサイトのトラッキングデータ
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メールマガジンの配信・開封履歴/URLクリック率
このデータは顧客のニーズを把握するとともに、Webサイト内の広告配信やページ誘導の改善に役立ちます。
CRMデータ連携のメリット
CRMには実にさまざまな種類のデータを記録できることが分かりました。ここからは、前項で挙げたデータを他のツールと連携するとどのようなメリットが得られるかを解説していきます。
部門間の連携が容易になる
CRMのデータ連携を行うと、連携したシステムを使用する部署に顧客データが共有されます。顧客データの更新をCRM上で行うようにすれば、常に最新の顧客情報を社内で共有できるようになるのです。
部門ごとに収集したデータやコミュニケーション履歴を一括で確認できるため、その顧客の人となりやニーズの全体像を社内のどの部門にいても把握しやすくなります。特に、経営層が顧客の実情をリアルタイムで確認できるメリットは大きく、迅速で的確な経営判断をサポートしてくれます。
タスク処理の効率化につながる
顧客データを部門ごとに別の媒体で管理していると、部門間で顧客に関する資料をやり取りする場合に手間がかかることがあります。相手のシステムが取り込みやすいデータ形式で出力したり、印刷したり、データを受け渡ししたりといったタスクは頻繁に発生すれば時間と労力を消費するものです。
データ連携を行えば部門間で都度顧客データを受け渡しする必要がなくなるため、これらのタスクは省略できます。各々自分のコア業務に専念できれば、企業全体の生産性向上につながるでしょう。
売上向上につながる
CRMには、蓄積した顧客情報を利用したデータ分析機能とレポート作成機能が付いています。データ分析を行う目的は、顧客のニーズや購買行動の傾向を掴むことによって、より確度の高いマーケティング戦略を立案するためです。
データ連携によって分析のもととなるデータを複数の部門から収集できれば、より正確な顧客理解が可能となります。分析結果をもとに顧客へアプローチし、効果検証と改善を繰り返すことでより効率的に顧客満足度を向上させ、購買行動へつなげることができます。
注意すべきデメリット
データ連携を行ううえでのデメリットをご紹介します。いずれも導入前に十分なリサーチを行うことである程度軽減できるものですので、ここで確認しておきましょう。
導入時のコスト
CRMに限ったことではありませんが、ITツールを導入する場合は初期費用や維持・運営コストが発生します。特に、外部サービスとのデータ連携機能が豊富なツールは高価になる傾向があります。また、連携するシステム同士の相性によっては期待したほどの利便性が得られない可能性もあります。
データ連携を前提としてCRMを導入する場合は、連携先のシステムについても同時に考慮する必要がありますので注意しましょう。
長期的な運用が必要となる
データ連携を行ったからと言って、すぐに分かりやすい成果が出るとは限りません。
連携の目的がデータの一元管理のみであればよいのですが、CRMを業務プロセスの改善に役立てる場合、そのキモとなるのは顧客データを利用したデータ分析です。分析したデータをもとに業務プロセスを改善したうえで効果検証を行い、検証結果を受けて改善を繰り返すことで徐々に数値に変化が表れてくるのです。そのため、現場の実感としても、数値としても、データ連携の効果を実感するまでにはある程度時間がかかるのが普通です。
それに加えて、データの抜け漏れや準備不足が原因で連携がうまくいかなかった場合は原因の特定から解決までに時間がかかる可能性があります。
成果を急いでいる企業はこのことを認識したうえでデータ連携を行う必要があるでしょう。
CRMデータ連携の実現方法
本項では、具体的にデータ連携を行う方法についてご紹介します。
CRMにははじめから他のツールとのデータ連携機能が搭載されている場合が多いです。データ連携を計画する場合、連携したいシステムが決まっている場合はそのCRMの連携機能で対応できるかを確認し、できない場合は他の方法を検討するとスムーズです。
CRM搭載の連携機能を使用する
たいていのCRMにははじめから他のマーケティングツール(SFAやMAなど)との連携機能が搭載されています。特に、同じ提供会社からリリースされたマーケティングツール同士は連携を前提とした設計がなされていることが多く、これを「オールインワン型」と呼びます。
CRMと連携したいシステムが決まっている場合、前述のEAIツールを検討する前に、CRM自体の連携機能が使用できるかを確認するとよいでしょう。
EAIツールを使用する
EAI(Enterprise Application Integration)は直訳すると「企業アプリケーション統合」という意味です。転じて、システムに蓄積されたデータを他のシステムと連携・統合するツールを指します。
システム間のデータの受け渡しをドラッグアンドドロップなどの簡単な操作で処理できるため、難しいプログラミングの知識がなくてもデータ連携できるのが特徴です。通常、データ連携基盤を社内で一から開発・維持するには大きなコストが発生しますが、EAIツールを導入することによってそのコストを削減することができます。
企業が既存のシステムに顧客データなどを蓄積していて、CRMにそのデータを転用したい場合はEAIツールの使用を検討するとよいかもしれません。
注意点として、EAIツールはプログラミングの知識は必要ありませんが、有効活用するにはある程度データエンジニアリングの知識が必要となることが挙げられます。要求される知識レベルはSQLの記述に抵抗がない程度が望ましいと言われています。適した人材がいない場合は、並走型のサポートサービスや初期導入支援サービスがある提供会社に相談することをおすすめします。
また、EAIツールによって対応しているシステムの数や種類が異なる場合があります。そのため、自社のシステムとCRMに使用できるかどうか、必要な導入準備は何かなどを十分にリサーチする必要があります。
成功事例の紹介
ここまで、CRMとさまざまなツールのデータを連携させる方法などについてお伝えさせていただきました。
ここからは、SalesforceCRMと他ツールをデータ連携させた弊社の事例を紹介させていただきます。
世界トップシェアを誇る大手医療機器メーカー様は医療機器メーカー様は、チーム間での顧客情報の共有や連携が円滑に行えていないという課題を抱えていました。
その結果、営業活動の状況や成果が可視化できておらず、効果測定が困難でした。また、顧客に関する情報が複数のシステムに分散しているため、顧客に対して効率的なアプローチができていないという課題もあり、既存顧客に対するナーチャリングも効率的に実施できていませんでした。
これらの課題を解決し、営業活動の効率化を実現するために以下の支援策を実施しました。
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Salesforceを活用した営業活動の可視化
→営業活動のプロセスや成果に関するデータをCRM上で一元的に管理し、可視化することで、効果測定を可能にしました。
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他システムとの連携による顧客情報の一元管理
→顧客に関するあらゆるデータをCRMに集約し、顧客全体像を把握できるようにしました。これにより、部門を超えた情報共有と連携がスムーズになり、顧客体験の向上を実現しました。
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CRMとMAの段階的な導入
→システム導入時の負担を軽減するため、段階的にCRMとMAを導入し、無理なく運用を開始できる体制を構築しました。
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MAを活用したナーチャリングの強化
→既存顧客に対して、シナリオなどを使用してナーチャリングを自動化し、より角度の高い顧客へのアプローチを行えるよう支援しました。
これらの支援を通じて、顧客は営業活動や成果の可視化、PDCAサイクルの確立、既存顧客への効率的なナーチャリングを実現できました。最終的には、無理なくCRMとMAを導入し、顧客との関係強化と売上最大化を達成することができました。
まとめ
ここまで、CRMデータ連携のメリット・デメリット・実現方法について解説してきました。CRMは顧客情報のデータベースという性質上さまざまな部門の業務と親和性があります。それ単体でも便利なツールですが、他のツールと併用することで費用対効果を2倍にも3倍にも引き上げる可能性を持っています。
顧客情報という資源を有効活用したい企業はぜひデータ連携を検討してみてくださいね。
特にSalesforce CRMは、柔軟な拡張性と高い連携性を兼ね備えており、顧客情報を軸とした業務の効率化や売上向上を実現できます。
顧客情報という資源を有効活用したい企業は、ぜひ【Salesforce CRM連携支援サービス】をご覧ください。
✔︎CRMの導入や活用に関して、何から着手すべきか分からない方
✔︎社内で顧客情報が分散しており、営業やマーケティングが非効率だと感じている方
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