デジタルマーケティングが抱える矛盾とジレンマ
2017.03.27
2024.06.25
マーケティングオートメーションが持つ見えざる価値
お陰様で弊社では、Parotの導入支援をさせて頂いたお客様が300社を超えました。
私含め多くのコンサルタントが日々新しいお客様を担当し、導入のお手伝いをしておりますが、
やはりまだMAを使ってデジタルマーケティングを最適化するということが何を意味するのか、
今までのツール・施策とは根本的に何が違うのか?
その本質的な価値に気付き、メリットを享受するためにマーケティングオートメーションを導入した、
というお客様は、やはりまだまだ少ないという印象があります。
もちろんMAの標準機能である個人特定機能と1to1のオートメーション機能は
MAの魅力的な機能です。このメリットを享受するためにMAを導入するという判断は
多くのお客様にとってとても有意義な判断であり、今後もご支援を続けたいと考えています。
ただし、マーケティングオートメーションが持つ価値は、
「それだけではないのではないか?」という視点が、今回の投稿の主旨です。
マーケティングオートメーション導入が持つ見えざる価値
それは、
「デジタルマーケティングが抱えるPDCAの矛盾・ジレンマの解消」
だと考えています。
デジタルマーケティングが抱えるPDCAの矛盾・ジレンマとは何か?
マーケティング担当者の皆様は、以下のような状態に陥ったことはありませんでしょうか?
- Webリニューアル時、制作パートナーと一生懸命ターゲティングやペルソナ設定を行ったが、
いざサイト運用に入るとペルソナはどこかに行ってしまい、広告の最適化が主な関心事になっている - PDCAが回せていない。どう回していいか分からない。回せていても小手先の施策になっていて、
すぐに次の施策が手詰まりになり、仮説も立てられず、やることがマンネリ化している
これらは、MAが導入されていない "セッション" データをベースにしたPDCA環境下で
よく起こりうる課題です。
なお "セッション" データとは「Adwordsから流入した」や「新規・リピーター」といった
個人を特定しないトラッキング情報です。
一方、MAのトラッキング情報は "個人"を特定したトラッキング情報です。
この "セッション"と"個人"のデータの違いが、どうPDCAにおける矛盾・ジレンマを生むのか?
を、整理したものが下記一連の図です。
PDCA:Planningとは?
例えばWEBリニューアルなどで、このようなターゲティングやペルソナ設定は
整理されなくとも議論されていると思われます。
そして、この整理は↓のようなサイト設計(Do)に活かされることになります。
PDCA:Doとは?
ですが、C→Aの段階になると↓のような判断を起こしやすくなります。
PDCA:Checkとは?
この段階から、ターゲティング・ペルソナは行方不明になります。
PDCA:Actionとは?
Checkが"セッション"ベースになるため、当然ながらActionも
"セッション"ベースになります。
要するに、MAを導入している時、していない時の違いについて
概念的には下記のようなPDCAの違いが生まれるということです。
これが、
「デジタルマーケティングが抱えるPDCAの矛盾・ジレンマの解消」
です。
MAがないとPDとCAに一貫性がなく施策と改善に"矛盾"が生じます。
ですので、皆様の悩みの種であった下記の問題↓
- Webリニューアル時、制作パートナーと一生懸命ターゲティングやペルソナ設定を行ったが、
いざサイト運用に入るとペルソナはどこかに行ってしまい、広告の最適化が主な関心事になっている - PDCAが回せていない。どう回していいかも分からない。又は回せていても小手先の施策になっていて、
すぐに次の施策が手詰まりになり、仮説も立てられずやることがマンネリ化している
これらは単に、PDを行う環境と、CAを行う環境が断絶していたため、
施策を評価することができず、セッションベースの課題解決方法に目を向けざるを得なかった。
ということになります。
問題は、皆様のスキル・知識の問題ではない、ということです。
しかしMA(Pardot)を導入すると、簡単にこの問題が解決するわけではありません。
あくまでPDCAが適切に回せる環境が手に入っただけです。
次回以降は、この解決法を使い、
いかにデジタルマーケティングを最適化するのか?
今回の残りのテーマである"ジレンマ"とは何か?
というテーマでお伝えさせて頂ければと思います。