MA時代のデジタルマーケティング最適化
2017.06.26
2024.06.19
前回までのおさらい
"今回の投稿は、前回の記事から連載されています。
/pardot_blog/digital_marketing/201703271457.html
/pardot_blog/digital_marketing/201705011215.html
おさらいは下記の通りです。
・MAが導入されていない環境におけるデジタルマーケティングの『課題』と『矛盾』について
・『矛盾』とは、PDCAにおいてPDが""人""軸で実行されているにも関わらず、CAは""セッション軸""で行われており
実行と結果が一致していないこと
・""人軸""とは業界、会員・非会員などデモグラ・ペルソナと、その行動履歴を中心とした個人を想定した情報
・""セッション軸""とは、Yahoo!から流入、TOPページを閲覧など個人を特定しない情報
・『課題』とは、上記『矛盾』が起きた結果、PDCAが回せない、小手先の最適化に留まるなど、次の施策に繋がらなくなること
・一方、MAを導入すると個人を特定した行動履歴が取得されるので『矛盾』は論理上解消する
・ただし新たな『課題』が生まれる。これは、これまでPDCAのCAを行うために、セッション軸でざっくりと取得していた情報に
個人を特定した属性情報が掛け合わされることによる分析データの細分化と、それによる分析難易度の急上昇
・その結果、現状ではCAの機能はMAでは実装が追いついておらず、Pardot以上の高機能MAであっても、MAのみで
PDCAのCAまでカバーしているツールは存在しない"
■ MA時代のデジタルマーケティング最適化(暫定処置編)
"上記の通り、個人別に蓄積される行動データは、その行動データに属性情報が多数掛け合わされるため、
分析難易度が急激に上がり、MAや既存のアクセス解析ツールだけでは施策の結果を検証することが難しいです。
出来なくはないですが、CSVを多数ダウンロード・整形したり、シナリオの管理画面を目視でコピペなければならないので現実的ではありません。
この状態を解決するために、弊社では暫定処置として下記の思想に基づきツールを準備することにしました。
「セッション軸で分析可能な既存のアクセス解析ツール(Google Analytics:略称""GA"")に、
MAの個人""属性""情報を渡す」です。
個人情報ではなく個人""属性""情報なのは、無償版GAは、GA上に個人情報のアップロードを禁止しているためです。
個人属性情報とは、個人を特定しない""役職""・""会員・非会員""・""顧客ランク""などの情報です。
この暫定処置の良いところは、分析(PDCAのC)の切り口が、すでに精度高く用意されているところです。
GAは20年以上Google社及びユーザーにより改善され続けたツールのため、非常に高機能になっています。
あとはこの高機能になった分析機能に個人属性情報を渡すことで、自分が見たい属性に絞り分析を行い、課題を発見し、
改善施策を行うことが、暫定処置の考え方です。"
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■ 暫定処置の仕様の限界
"高機能なGAの分析機能に、MAから得られる1人1人の個人属性情報をGAにを渡せば、""人""軸に基づいて高精度な行動データが分析できるため、矛盾なく高精度なPDCAが回せる気がしますが、過信は禁物。確かに大体の傾向はわかりますが、仕様上3つの限界は忘れてはいけません。
1.コンバージョンの定義がGAの仕様に制限される
「あなたは家を30分以内に買いますか?」ということだと思います。買いませんね。一方GAの標準設定の仕様は、30分以内の行動を1セッションとし、そのセッション中に買ったチャネルに対し、成果を計測します。本来、家を買うまでに展示場に行ったり、WEBサイトを見たり、複数チャネル・複数回数接触しているはずですが、GAは最後のセッションだけをコンバージョンとして評価します。言い換えると、MAからは静的な属性情報だけ渡し、個人ごとの行動データは渡さないので、家を買うまでの接触チャネルなど中間プロセスと成果は、GAの仕様に制限されます。CV数を過信してはいけないということです。
※分かりやすくするためにGAのアトリビューションやコンバージョン経路分析は割愛しています
2.属性情報は20個まで
無償版GAは20個までしか属性情報をインポートできません。後で違う属性でセグメントしたくなれば、
インポートやり直しになり、再インポートした場合、過去のデータは上書きされます。
3.Pardotの場合、利用できるのはProfessional Edition以上
GAに属性情報をインポートするには、Pardotの場合Pardot APIを利用します。Pardot APIは*Professional Edition以上
でないと使えないため、Standard Editionの場合、この機能を使うことができません。"
※現在はPlus Edition以上
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■ MA時代のデジタルマーケティング最適化(本格化編)
"本格的にMAでPDCAを回そうとすると、どうしてもBI(ビジネスインテリジェンス)は避けて通れません。
国内で普及しているものは、TableauやDomo、QlickView、Salesforce社製品だとWaveといったところでしょうか。
属性データと行動データ、業界によってはPOSなど購買データを独自キーを基準に組み合わせて、指標を開発したりダッシュボードで現状分析する必要があります。
BIの難しいところは、分析の目的定義、KPIの設計、KPIの実装、ダッシュボードの開発、データ接続、場合によってはDWHの構築までをスクラッチで実装しなければいけないことです。
ただし、毎回スクラッチだと生産性が低いため、弊社では顧客ステージの設定と実装、各ステージごとにKPIを設計することなどを基本思想としてサービスを提供しています。
※この話は長くなるので今回のテーマでは割愛します。
ここまでが本格化までのお話です。ここまでのストーリーを振り返ると、とても自社では出来そうもないという方もいらっしゃると思います。
それはそれで問題ないと考えて頂いて問題ありません。なぜなら、目的は複雑なマーケティング環境を構築することではないからです。
皆様のやりたいことは、広告費を最適化したい、WEBサイトの欠点を解決したい、MAをもっと効果的に活用したい、などだと思います。
それらを達成するために、MAの最適化をどこまで行うべきか?という視点で検討頂ければ良いと思います。
最初からMAのことを考えることより、まずはビジネスやマーケティングの課題を整理し、解決策中の1つとしてMAに何を期待するのか、要件から確認し、MAで何をどこまで行うかを一緒に考えていければと思います。
以上。"