人材・採用分野におけるマーケティングオートメーション活用
2017.12.19
2023.08.03
初めまして、
今回よりBlog執筆をさせていただくtoBeマーケティングの金井です。
お客様へのPardotコンサルティング業務に従事しておりますので、このBlogではその経験を生かし、人材や採用分野におけるMAの活用に関してお伝えして行きたいと思います。
ブログの読者にも転職経験がある方は多いと思います。その中で、転職サイトに登録後、
「自分の希望とマッチしない求人情報がメールでたくさん届く...」
という思いをした方が少なからずいらっしゃることでしょう。それは、単に居住地域や年齢に応じて区分した求人内容を送っていることが一つの要因として挙げられます。 今回は、この課題解決方法としての「マーケティングオートメーションツール」の活用をご案内します。
マーケティングオートメーションツールで実現できること
「マーケティングオートメーションツール」を活用すると、 求職者が「どの職種のWEB求人ページへアクセスしたか」を把握することができ、また「どのメールを開封したか、メール内のリンクをクリックしたか」を判別することができます。
つまり、
・事務職のWEB求人ページは見ていない。
・事務職の求人案内メールは開封・クリックしないが、エンジニアのWEB求人ページは良く見ている、メール開封・クリックもしている。
上記の場合、明らかにエンジニア職に興味があることがわかります。
また、何も反応しない場合は、
「既に他社・他媒体で就業が決定していたり、休職中ではない可能性」があります。
そのように、メール開封やWEBアクセスによって、転職直後などで求職中でないと判断された場合には、求人情報ではなく"働く上での役立つ情報"や生活関連・趣味関連など「役立つメルマガ」を送り、次回の転職時まで関係性を保ち、転職時期を待つことが良いでしょう。
それによって次回転職希望時における第一想起率を上げることが可能となります。
翻って人材会社の社内業務においては、「求職中である」かつ「どの職種に興味を持っているか」を知った上でメールや電話でのアプローチが可能となる為、企業(求人情報)と求職者をつなぐ「マッチング業務」が効率化されます。 また、どのようなメールを開封・リンククリックをしているか、といった行動を把握した上でマッチング対応することで、求職者の満足度向上および登録者のタイムリーなマッチングが可能となります。
人材会社のみではなく、採用人数が一定数以上ある企業においては、同様の効果が得られると言えます。 将来的には、このようなオートメーションツールにAIが組み込まれ、従来「職人技」のように経験とセンスが問われる「マッチング業務」が、確実なデータに基いて一定部分が自動的に実行されることが容易に想像されます。
「レジュメを読み、スキルを判定する」といった作業レベルの業務はシステムに任せることで、担当者は、より高度な求職者の志向把握や複合的なスキル判定などに時間を掛けることが可能となっていきます。 作業レベルのことはシステムで行い、社員はより高度なコンサルティングや企画をおこなうことで社員の企画力を向上させ、自社のブランド力向上、人材(社員)採用力向上にも貢献できるようになっていくでしょう。
採用基準の精度と定着率のアップ
ビッグデータ活用によって、さらにマッチング精度を上げていくことが可能です。
例えば、
・ニーズが高まっている職種の早期発見と他職種からのシフト促進
・就業決定時のスキルレベル・収入・志向・キャラクターとその後の定着率をデータとして組み込む
上記により、採用基準の精度と定着率を上げ、中長期的な経営への貢献が可能となっていきます。 このようなオートメーション化やデータの精緻化が行われる結果として、人材会社においては、品質向上・信頼性向上による社会的地位向上が実現でき、担当者レベルでは、「マッチング担当」から「コンサルタント」への地位向上が見込まれます。
求職者側に立った場合、適切なレコメンドによって、就職・転職活動における負担軽減、キャリアデザインを描くことやスキルアップ・モチベーションアップが可能となります。 社会全体としては、シームレスで最適な労働移動の実現、「非正規労働者」等の地位向上と待遇改善が見込まれることでしょう。
マーケティングオートメーションツールは、マーケティングの為に開発されたものですが、人事・採用業務にも応用することで、人材市場活性化・社会の活性化の一助になるのではないかと考える次第です。