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DataCollectを使ったSalesforceプラットフォーム上のデータ活用

author データマーケティングチーム

date 2023.06.28

update 2023.09.14

tags データ分析基盤

tags  DataCollect, アクセス解析, アナリティクス,

はじめに

Salesforce CRMを中心にAccount Engagement、HubSpot、Google Analytics、Google Seach Console、kintone、Treasure Dataなど、マーケティング業務において様々なサービスが混在しているお話をよく耳にします。マーケティングオートメーション(以下、MA)や顧客管理システム(以下、CRM)に限らず、Web分析から広告配信、データウェアハウス(以下、DWH)、最近流行りのChatGPTなど、扱う種類も多岐になるかと思います。費用も有償のものだけでなく、無償のサービスでも機能は多岐にわたり、機密性の高い情報を扱わなければセキュリティ的な不安も軽減することから業務の中でも利用されている方は多いのではないでしょうか?

しかしながら、そこで蓄積されたデータ管理は煩雑で多くの場合はサービス内での数値把握のみでデータ連携がされずに、バラけた状態で管理されているのが現状です。本来であれば、データ共有しやすいようにクラウド化が進んでいるにも関わらず、サービスで分断されることでデータのサイロ化といったキーワードが消えない背景は、こういった現場事情にあるようです。

データ分析を革新する新たなソリューション「DataCollect」のリリースとその特徴

そこで、弊社では2023年3月7日に新たなソリューションとして、データ分析プラットフォームを構築する「DataCollect(でーたこれくと)」をリリースさせていただきました。DataCollectは、Salesforce CRM(Sales Cloud、Service Cloudなどの顧客管理ライセンスの総称)やAccount Engagementを中心に弊社が培った運用ノウハウを詰め込んだデータ分析基盤を構築するサービスとなっています。

特徴としては、既にSalesforce CRMやAccount Engagement(旧 Pardot)の標準項目をもとにデータ連携テンプレートを事前用意していますので、用意されたサンプルダッシュボードをもとに可視化したいデータ分析基盤を選択することで細かな要件定義などをせずにすぐにデータ分析基盤を構築できます。また、一緒に設定されるサンプルダッシュボードを利用しながらお客様向けのカスタマイズができる体験型のBIソリューションになっています。

しかしながら、そこで蓄積されたデータ管理は煩雑で多くの場合はサービス内での数値把握のみでデータ連携がされずに、バラけた状態で管理されているのが現状です。本来であれば、データ共有しやすいようにクラウド化が進んでいるにも関わらず、サービスで分断されることでデータのサイロ化といったキーワードが消えない背景は、こういった現場事情にあるようです。

業務データ活用の鍵:一元管理からユニークキー設計、そしてMAのVisitor IDへ

業務データを活用する上で、ただ一元管理をするだけでは活用は進みません。データ管理においてデータの結合ができるような環境である必要があり、そのためにはデータを突合するためのキー設計が重要になります。サービスやツール内で独自のキーを発行する場合、結果的に連携がしづらくなったり、メールアドレスのようなキーは個人情報に当たるため、なかなか外部ツール内に保存しづらかったり、共有アドレスや重複登録などの管理上でユニークなキーとしては不安があります。

一般的には、ECのようにログインユーザIDや会員番号を企業側から発行して、ユーザをユニークに判断する方法がありますが、ユーザコミュニティのような機能を持たない場合は多くの企業ではWeb上での顧客を識別するキーがない状態になります。

これを解決する仕組みが、MAにはあります。Account Engagementでいう、Visitor IDになります。
Visitor IDは、ブラウザからアクセスするとAccount Engagementのトラッキングタグから発行されるCookie値になります。これはブラウザ単位にCookieが保持される限りユニークな人に紐づきます。当然、端末が変われば、その端末のブラウザでまた新しいVisitor IDが発行されるので1名にいくつものVisitor IDをもつ可能性があります。しかしながら、MAではこのVisitor IDをプロスペクトIDのようなユニークな顧客IDに自動的にまとめて保持する仕組みが備わっていることを利用することで、Visitor IDさえ付与できればあとはフォーム通過のようなコンバージョンにより顧客を特定するデータベースを作ることが可能になります。

DataCollectの事例

DataCollectでは、弊社がこれまで培った経験とナレッジをもとにこのようなMAの特徴や、各種ツールのデータ構造を最大限利用することでデータの活用をするデータ分析基盤を構築していきます。今回ご紹介するDataCollectはその中でも一番ニーズの高いGoogle Analyticsと連携したデータ分析基盤になります。

最初にアクティビティだけでは見えずらかった顧客のWeb動向を可視化できた事例になります。

DataCollect_0001.png

スタディスト様でのデータマーケティングに関する3つの課題

  1. Webの流入元が見えないとマーケティング施策効果が評価できない
  2. プロスペクトのアクティビティだけでは顧客のWeb動向が分からない
  3. Google Analyticsでは傾向が見えるだけで営業へのFBができない

DataCollectを導入し、データマーケティングが進化

  1. Webの流入元に合わせた商談結果が日次で報告可能になった
  2. マーケティングの効果を営業側に報告し、認知が上げることができた
  3. Salesforce上でWeb分析結果をすべて確認できるので業務が簡略化
※詳細は事例ページ(https://tobem.jp/contents/case/studist2.html)をご確認ください。

広告効果の可視化とデータ分析基盤の最適化によるマーケティングから営業までの情報共有

多くのお客様が課題に感じているWeb広告や、外部メディアからの流入についての計測ができないという課題があります。これはAccount Engagementがトラッキングタグだと、プロスペクト単位やVisit単位でUTMの情報を連携する機能はありますが、セッションやページビュー単位で情報を取得することができないために、どれだけの広告効果があったのか?が見えにくいためになります。また、標準のレポート機能はこういったUTMの情報もグルーピング属性として使えないことから効果測定できずに終わってしまっているのが現状です。

DataCollectでは、Google AnalyticsでWeb閲覧などのあらゆるイベントが発火するタイミングでAccount EngagementのVisitor IDを付与する仕組みを提供します。

加えて、弊社の提供するMAPlus アクティビティコネクターを利用することで、Account Engagementに蓄積されたVisitor IDとプロスペクトIDの構造化データ、そして過去のメール開封やクリックなどのアクティビティデータを取得することが可能になります。これを掛け合わせることで誰が、いつ、どのイベントを、何回発火したのか?が特定できるようになります。

しかしながら、これだけの膨大なデータをSalesforce CRM上に保持するとなるとディスク容量もひっ迫することから、CRM AnalyticsやTableauといったBIツール側に連携して費用およびパフォーマンスを最適化することが可能になります。

このデータ分析基盤を利用することで、以下のようなダッシュボードを作成することが可能になりました。

DataCollect_0002.png

図1 : 各タイトルごとのページビューと閲覧したプロスペクトが持つユニークな商談数

DataCollect_0003.png

図2 : 各utm_campaignから流入したプロスペクトが持つ商談の数と成約した商談の数

単純な流入数の把握だけでなく、プロスペクトIDに紐づく、取引先責任者や、その取引先責任者が関連する商談情報までも紐づけて一元管理できるようになります。

テンプレートではSalesforce CRMやAccount Engagementが提供する標準項目を利用していますが、お客様に合わせたカスタマイズも可能です。顧客セグメントやTierなどの情報を掛け合わせることでターゲットに合わせた分析や可視化が可能なります。

そして、DataCollectでは可視化するだけでなく、Salesforce CRMと親和性の高いCRM AnalyticsやTableauを利用することで、分析結果をSalesforce CRM側に返すことが可能になります。このことで、分析結果となる集計された要約情報や、顧客のフラグ情報だけを無駄なくSalesforce CRMに戻すことが可能です。

これを使うことで、事業報告や、担当営業への共有、新たなキャンペーン施策、Account Engagementによる自動シナリオ開始が可能になり、マーケティングから営業まですべてのシーンにおいて情報を共有することが可能になります。

さいごに

DataCollectは、業務で蓄積されたデータを最大限に活用するためのソリューションです。
ただ、ダッシュボードを作成するだけでなく、体験型のソリューションになるので、お客様の要望から出来上がったダッシュボードをもとに実際に動かしながら、要件を洗い出し、業務にフィットさせていくことができます。

PoCのようなプロセスに近いですが、作ったものが無駄にならないので、結果的にコストも最小限に押さえた状態で業務で利用ができます。

まだまだお伝えしたことはありますが、詳細についてはお問合せまたは担当営業までご連絡くださいませ。それ以外にもデータ活用や可視化で検討されている方は、まずご相談ください。

弊社が培ってきた多くの経験と、ソリューションでデータ活用をご支援し、施策の促進をお手伝いさせていただきます。日々の業務で模索しながら進めるよりも、欲しいゴールに近いソリューションを自社ならではのカスタマイズをすることで、誰よりも近道できることを体験いただければ幸いです。

これからも新しいDataCollectのデータ分析基盤パターンを増やしていきますので、乞うご期待くださいませ。

✔Account Engagement (旧 Pardot)のデータをSalesforceなどしっかりと活用したい
✔GoogleアナリティクスとAccount Engagementのデータ連携をしたい
上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ!お問い合わせください。

投稿者プロフィール
データマーケティングチーム

データマーケティングチーム(DataMarkting Team)

Tableau、CRM Analytics、Markting Cloud Intelligenceなどの導入・活用をお手伝いさせていただいているtoBeマーケティングのデータマーケティングチームが、BIの導入・活用におけるナレッジをお届けいたします。


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