海外ではどうしている?マーケティングオートメーションの考え方
2019.02.01
2024.06.19
マーケティングオートメーションは世界的に見ても導入する企業が増えてきています。その流れはもちろん日本も例外ではありません。しかし、日本は旧来のマーケティング・営業の習慣が根強く、また導入に対するハードルの高さを感じている企業も少なくないようです。ここでは、海外ではなぜこうもマーケティングオートメーションが受け入れられたのかを考察していこうと思います。
海外でのMAの重要性や認知度
まず、国内と海外でのマーケティングに対する課題を見ていきましょう。米Autopilot社が行った調査と株式会社シャノンが行った調査によれば、日本と海外との間にはマーケティングに対する課題意識が大きく異なることがわかります。
<日本>
- 展示会出典(62%)
- メールマガジン配信(55%)
- 自社セミナー開催(53%)
- 名刺のデータ化(46%)
- パートナーシップ(44%)
<海外>
- ホームページ&SEO(40%)
- ブランディング(33%)
- SNSマーケティング(32%)
- 純広告&SEM(28%)
- 展示会&イベント(23%)
日本企業が展示会やセミナーといった対面営業を重視している傾向が強いのに対し、海外ではホームページのSEOやSNSマーケティングといったインターネットを利用したマーケティングを重視しているのが浮き彫りになりました。
このことからも分かるように、日本と海外ではマーケティングに対する考え方や手法が大きく異なっているのです。インターネットを活用し、なるべく多くの見込み客(リード)を獲得したいと考える海外企業がマーケティングオートメーションを活用したいと考えるようになるのは必然ともいえるでしょう。
また、認知度に関しても大きな差があります。日本ではマーケティングオートメーションについて「知っている」と回答したのが45%なのに対し、アメリカでは79%でした。マーケティングオートメーションが浸透する土壌が育っていない日本ではノウハウを持つ人材が育ちにくいため企業が導入に消極的です。一方で、アメリカではどんどんマーケティングオートメーションツールを活用して成果を出す企業が増えていっているのです。
マーケティングオートメーションは少人数で多くの見込み客にアプローチをかけられるだけでなく、データを元に客観的かつ合理的にコミュニケーションを取ることができます。導入の敷居が高い分、成功した場合の見返りは非常に大きいため、各社が積極的に採用しているのです。
日本と海外のマーケティングオートメーションの違い
日本と海外ではなぜこうもマーケティングオートメーションに対する考え方が違うのでしょうか。
日本:属人的な営業手法からの脱却
もともと、日本は対人営業で経済成長を遂げてきた国です。営業マンは足を使い、企業訪問を繰り返すことで顧客の信頼を獲得し、売上を伸ばしてきました。この手法は、営業マン個人の能力に大きく依存するため、営業マンの勘と経験がなければ成功しませんでした。
しかし、インターネットの普及により、こうした属人的な営業手法は限界を迎えつつあります。こちらから営業をかける前に顧客は自分で情報を収集し、比較検討をしてしまっているからです。そこで、近年ではようやくマーケティングオートメーションを導入してより多くの見込み客を獲得したいという流れになってきました。
海外:より効率的なマーケティング管理
海外では地理的なマーケットの規模が日本よりも広いという特徴がありました。日本のように東京にいれば多くの企業に訪問できる環境ではなかったのです。そのため、インターネットや電話、ダイレクトメールといった手法で見込み客とコミュニケーションを取る手法が以前から存在していたのです。
そして、マーケティングを自動化することでリソースを効率的に運用することが求められました。つまり、海外の企業では「マーケティングは組織で行うもの」という意識が元からあったということです。個人主義の日本とはここが大きく異なります。
効率的にマーケティング組織を運用するため、高確率で顧客を獲得する手法が開発されていったのは自然の流れだったといえるでしょう。
海外でも人気のMAツール「Pardot」とは
現在、海外で圧倒的なシェアを誇るのがSalseforce社から提供されている「Pardot」です。PardotはBotB向けのマーケティングオートメーションツールで、DataSignの調査では23%のトップシェアを獲得しています。
英語以外の言語でローカライズされたのは日本語が初めてであり、日本向けにしっかり開発されているツールといえるでしょう。長期的な見込み客をユーザー行動データからスコアリング氏、メール、SNS、広告出稿などさまざまなチャネルと連動させて運用することができます。
そのため、確度の高いリードジェネレーションが可能となっています。それだけでなく、もともとSalseforceの強みであるSFA(営業支援システム)/CRM(顧客関係管理)との連携がスムーズな点も見逃せません。最終的には売上を伸ばすことが目的ですので、他システムとの連携が容易であることは組織全体の運用にとって大きなメリットといえるでしょう。
マーケティングオートメーションの時代が来る
日本と海外でのマーケティングオートメーションに対する意識の違いはまだ大きいといえます。しかし、日本でもマーケティングオートメーションへの興味関心は年々増しているのは間違いありません。そろそろウチもツールの導入を検討しようか、ということであればまずはコンサルティング会社など、マーケティングオートメーションのプロに相談してみてはいかがでしょうか。