マーケティングオートメーションに失敗する理由3つ!準備不足が破滅を招く
2019.03.01
2023.08.03
マーケティングオートメーションを活用して売上向上に結びつけている企業がある一方で、導入に失敗するケースも後を絶ちません。MAの導入は簡単でも、効果的な運用を続けるのはなかなか難しいのです。
そこで今回は、MAの運用の具体的な失敗例を見ながら、MAツールを効果的に活用していくポイントを探っていきます。失敗例を知っておけば、導入前に対策を講じることも可能です。
失敗の理由1.機能を使いこなせていない
MAツールには多彩な機能がありますが、逆に多機能が原因で使いこなせず、運用に失敗してしまう例も目立ちます。
メール配信の失敗
効率的なメール配信を可能にするMAの「メール配信機能」も、使い方によっては売上向上にほとんど結びつきません。主な失敗例としては下記のようなものがあります。
- メール配信の母数が少ない
- 営業から名刺を回収できていない
- 送信できる企業が少ない
なかでも、配信先の少なさはMA運用失敗の大きな要因です。配信先アドレスが100件や200件程度しかなければ、開封されるメールは10件にも満たないでしょう。これでは、実際に営業のアプローチに結びつく顧客は1件あるかどうかという悲惨に結果に終わってしまいます。
メールの配信は、あくまでも「機能のひとつ」であって、使えば必ず売上向上に繋がるわけではありません。
スコアリングの失敗
MAツールのなかでも、とくに人気の高い機能がスコアリングです。しかし、同時に利用難易度が高い機能としても知られています。
スコアリングは採点の基準や項目の設定が難しいだけではなく、複数回同じ行動を繰り返したユーザーに対しても点数が付与され「ホットリード」としてMAが抽出してしまうというデメリットがあります。
具体的な例で見てみましょう。
資料ダウンロード:4点
セミナー参加:5点
上記のような採点基準を設定すると仮定します。10点以上をホットリードとみなして抽出する場合、下記のAとBはどちらも「ホットリード」とみなされてしまうのです。
A:メールをクリックして資料をダウンロードし、セミナーに参加したユーザー
B:メールクリックを10回繰り返したユーザー
どちらも10点であることに間違いありませんが、実際の「見込み度合い」で考えれば、Bはホットリードとして適切ではありません。
このように、スコアリングは初期設定や実運用でのチューニングに時間とノウハウを必要とするのです。
失敗の理由2.人的リソースが不足している
完全自動化を期待した場合に起こりやすい失敗例です。MA導入による人件費削減は、適材適所を実現させなければ得られないメリットといえます。自動化の恩恵はたしかに大きいですが、運用失敗に至る主な原因は、人的なものであるケースがほとんどかもしれません。
担当者が不明確
MAツールは機能が多彩なので、運営責任者だけではなく、結果の分析やコンテンツ制作などの担当者が曖昧であれば、効率的な運用はできません。そのため、人手不足の解消を主目的にMAを導入すれば、ほぼ確実に失敗します。
人的リソース不足で失敗しないためにも、MA導入の前に適した人材を確保し、各担当者を明確に決めておきましょう。
営業部との連係ミス
マーケティング部がMAツールを駆使して集客を進めても、実際に顧客と接する営業との連携がうまくいかなければ効果が半減してしまいます。
適切なスコアリングやコンテンツを作成するためにも、営業サイドの意見は欠かせません。マーケティング部の独断でスコアリングの基準を設定すると、正確なスコアの算出は期待できないでしょう。
営業部のすぐれた人材と、マーケティング部との連携がスムーズであってこそ、MA導入の効果は相乗的に高まります。
失敗の理由3.コンテンツの中身が薄い
MAの運用にはコンテンツの拡充が欠かせません。定期的な更新やコンテンツの細分化を行うことで、見込み度の高い顧客の判断がより正確になります。コンテンツが少ないということは、それだけ顧客の判断材料も少なくなるということです。
コンテンツの拡充とスコアリングの正確さがリンクしていなければ、「MAを導入したのに使っているのはメール配信機能だけ」という結果にもなりかねません。
充実したコンテンツの作成には時間も手間もかかります。しかし、売上向上へ繋げるためにも、MAツールの導入前に、コンテンツの拡充と見直しを図る必要があるでしょう。
準備と知識ですべてが決まる!
MAを効果的に運用していくためには、事前の準備が重要だということがわかりました。
「他社が導入しているから」
「自動化で簡単に制約アップできるから」
上記のような理由でMAを導入すれば、ほぼ確実に失敗します。MAの運用には適切な人材と知識は欠かせません。人手やコストが足りないからMAを導入するのではなく、人的予算も含めた継続的な投資によって、マーケティング効果の改善を狙うツールだということは忘れないようにしてください。