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スコアリングとは?営業効率化を促進する手法のメリット・導入方法・注意点を解説

author 営業戦略部

date 2025.05.09

update 2025.05.09

tags Salesforce

tags  テクニック

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今日のビジネス環境において、限られたリソースで最大の成果を上げることが求められています。特に営業活動では、すべての見込み顧客に均等にアプローチするのではなく、購買意欲の高い顧客を見極めて効率的にアプローチすることが重要です。そこで注目されているのが「スコアリング」という手法です。

本記事では、スコアリングの基本概念から具体的な導入方法、そして実践する際の注意点まで詳しく解説していきます。これにより、営業リソースの最適化や成約率の向上、そして顧客理解の深化を実現し、あなたのビジネスを次のステージへと導くヒントが得られるでしょう。

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スコアリングとは

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スコアリングとは、見込み顧客の購買意欲や優先度を数値化する手法です。これにより、営業担当者は限られた時間とリソースを効果的に配分し、成約の可能性の高い顧客に集中的にアプローチすることができます。

なぜスコアリングが必要なのか

営業活動において、すべての見込み顧客に同じように時間とリソースを割くことは非効率です。スコアリングを導入することで、以下のような効果が期待できます。

・高い購買意欲を持つ見込み顧客を特定できるため、営業担当者は優先順位を付けて効率的に活動できる。
・顧客の状況や関心度に基づいて最適なタイミングで適切な情報を提供できる。
・マーケティング部門が生成したリードの質を営業部門が評価する際の共通言語となり、部門間の連携強化につながる。

昨今のビジネス環境では、顧客が情報収集から購入検討までの多くのプロセスをインターネット上で完結させる傾向が強まっています。営業担当者が直接接触できる機会は限られており、その貴重な接点を最大限に活用するためにも、スコアリングによる優先順位付けは不可欠な要素となっています。

営業効率化の具体的なイメージ

例えば、ある企業では、月間100件の問い合わせに対して営業担当者が5名しかいない状況でした。スコアリングを導入することで、購買意欲の高い上位30%の顧客に集中的にアプローチした結果、営業工数を60%削減しつつ、成約率を15%から22%へと向上させることができました。

別の事例では、製造業のB社が営業担当者の生産性向上を目的にスコアリングを導入しました。これまで属人的に行われていた見込み顧客の評価を、明確な基準に基づいてスコアリングすることで、新人営業担当者でも経験豊富なベテラン並みの顧客選定ができるようになりました。その結果、商談から成約までの期間が平均で2ヶ月から1.5ヶ月に短縮され、営業サイクル全体の効率化にも貢献しています。

このように、スコアリングは「どの顧客に、いつ、どのようにアプローチするか」という営業活動の根幹に関わる意思決定を支援し、効率的な営業活動を実現する強力なツールとなります。データに基づく客観的な判断基準を提供することで、営業担当者の勘や経験に依存しない、再現性の高い営業プロセスの構築にも役立つでしょう。

スコアリングの3つの種類

5198648_m新規記事用.jpgコアリングには大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴と活用シーンを詳しく見ていきましょう。

種類1:属性スコアリング

属性スコアリングは、企業規模、業種、役職などの客観的な属性情報に基づいてスコアを付与する方法です。例えば、「従業員数1000人以上の企業:10点」「IT業界:8点」「意思決定者:15点」といった形で点数化していきます。

メリット:客観的なデータに基づくため、比較的簡単に導入できます。また、CRMなどに既に登録されている情報を活用できるため、追加の情報収集コストがかかりません。さらに、一度基準を設定すれば安定したスコアリングが可能であり、担当者による判断のブレが少ないという特徴もあります。

デメリット:顧客の実際の行動や興味関心が反映されないため、本当に購買意欲のある顧客を見極めるには限界があります。また、業界や市場の変化に応じて基準を更新する必要があり、定期的なメンテナンスが欠かせません。過度に属性に依存したスコアリングは、潜在的な優良顧客を見逃してしまう可能性もあるため注意が必要です。

活用シーン:BtoBビジネスにおける初期段階のターゲティングや、既存顧客のセグメンテーションに適しています。例えば、新規開拓の初期段階で「どの企業にアプローチするか」を決める際に役立ちます。また、大量のリードを効率よく振り分ける際の第一段階のフィルターとしても効果的です。

種類2:行動スコアリング

行動スコアリングは、顧客のWebサイト閲覧履歴、メールの開封・クリック率、資料ダウンロード、セミナー参加などの行動履歴に基づいてスコアを付与する方法です。例えば、「価格ページを閲覧:15点」「製品資料をダウンロード:20点」「お問い合わせフォームにアクセス:25点」などと設定します。

メリット:顧客の実際の行動に基づくため、興味関心や購買意欲をより正確に把握できます。時系列で分析することで、購買プロセスのどの段階にいるかも推測可能です。また、リアルタイムの行動変化を捉えられるため、タイムリーなアプローチが可能になります。

デメリット:顧客の行動データを収集・分析するための仕組みが必要です。MAツールなどの導入が前提となることが多いでしょう。また、プライバシーへの配慮も重要であり、適切なデータ収集と利用についての同意取得やポリシー整備が必要です。さらに、単一の行動だけでなく、一連の行動パターンを総合的に評価する仕組みを構築しなければ、一時的な興味と本質的な購買意欲を区別できない可能性があります。

活用シーン:見込み顧客の育成(ナーチャリング)や、休眠顧客の掘り起こしに効果的です。例えば、「最近製品ページを頻繁に閲覧している休眠顧客」に対して優先的にアプローチするといった活用方法があります。また、特定の行動(例:価格表のダウンロード)をトリガーとして、即時にフォローアップの営業活動を実施することも可能です。

種類3:予測スコアリング

予測スコアリングは、機械学習などの技術を用いて、過去の成約顧客の特徴や行動パターンから将来の購買行動を予測する方法です。「このような特徴・行動を持つ顧客は、過去の傾向から〇%の確率で成約する」という予測に基づいてスコアを付与します。

メリットとして高度な分析に基づくため、非常に高い精度で有望な見込み顧客を抽出できます。また、人間では気づきにくい複雑なパターンも発見できる可能性があります。さらに、時間の経過とともに自動的に学習を重ね、予測精度が向上していくという特性も大きな魅力です。

デメリットとしては高度なデータサイエンスの知識や技術が必要です。また、十分な量の過去データがなければ精度の高い予測は困難です。さらに、「ブラックボックス化」のリスクもあります。つまり、なぜその顧客が高スコアと評価されたのか理由が不明確になり、営業担当者の理解や納得を得られない可能性があります。導入コストも比較的高くなる傾向があるため、費用対効果の慎重な検討が必要でしょう。

活用シーン:既存顧客のアップセル・クロスセルや、解約リスクのある顧客の特定などに適しています。例えば、「この顧客は90%の確率で上位プランへのアップグレードに興味を持つ」といった予測に基づいて営業活動を展開できます。また、多数の顧客や複雑な購買パターンがある場合に特に威力を発揮します。

各スコアリングの組み合わせ方

これら3つのスコアリング手法は、独立して使用するよりも組み合わせることでより効果を発揮します。例えば、初期段階では属性スコアリングで大まかなターゲティングを行い、その中から行動スコアリングで興味関心の高い顧客を抽出し、最終的に予測スコアリングで成約確度の高い顧客を特定するといった段階的なアプローチが効果的です。

また、自社の状況に応じて導入を進めることも重要です。例えば、データ分析基盤が十分でない企業では、まずは属性スコアリングから始め、MAツールの導入と並行して行動スコアリングを取り入れ、データが蓄積されてきたら予測スコアリングへと発展させるといった段階的な導入も現実的なアプローチと言えるでしょう。

 

スコアリング導入の流れを6ステップで解説

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スコアリングを自社に導入する際の具体的な流れを、6つのステップに分けて解説します。

ステップ1:目的の明確化

スコアリング導入の第一歩は、明確な目的設定です。「営業効率の向上」という漠然とした目標ではなく、「営業担当者一人あたりの商談数を20%増加させる」「成約率を15%から20%に引き上げる」「新規顧客獲得コストを30%削減する」など、具体的かつ測定可能なKPIを設定しましょう。

目的が明確になれば、どのようなスコアリング手法が適しているか、どのようなデータが必要かも自ずと見えてきます。例えば、成約率の向上が目的であれば、成約に至った顧客の特徴や行動パターンの分析が重要になります。

ステップ2:評価基準の設定

次に、具体的な評価基準を設定します。どのような属性や行動を評価対象とするか、各要素にどの程度の重み付けをするかを決定します。

属性スコアリングであれば、業種、企業規模、役職などが評価基準となります。行動スコアリングでは、Webサイトの特定ページ閲覧、資料ダウンロード、問い合わせなどの行動が対象です。評価基準は多すぎると複雑になりすぎる一方、少なすぎると精度が低下するため、10〜20程度の要素に絞ることをおすすめします。

また、スコアの閾値も重要です。例えば、「80点以上をホットリード」「50〜79点をウォームリード」「30〜49点をコールドリード」のように区分し、それぞれに応じたアプローチ方法を決定します。

ステップ3:スコアリングモデルの構築

評価基準が決まったら、具体的なスコアリングモデルを構築します。一般的なモデルとしては以下のようなものがあります。

  • 単純加点方式:各要素を満たすごとに決められた点数を加算する

  • 重み付け加点方式:各要素に重要度に応じた重み付けを行い加算する

  • 減点方式:満点から始めて、ネガティブ要素に応じて減点していく

  • 機械学習モデル:過去データから自動的に重要な要素と重み付けを学習する

初期段階では単純加点方式から始め、データと経験が蓄積されるにつれて、より複雑なモデルへと発展させていくことが現実的です。

ステップ4:データ収集と分析

スコアリングモデルに必要なデータを収集します。データソースとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 社内データ:CRM、SFA、MAツールのデータ、営業報告書など

  • 外部データ:業界データベース、信用調査会社のデータなど

  • 行動データ:Webサイト閲覧履歴、メールオープン率、資料ダウンロード履歴など

データ収集にあたっては、担当者の手動入力に依存しすぎないよう、可能な限り自動化することが重要です。また、収集したデータの品質(正確性、完全性、一貫性)を確保するための仕組みも整える必要があります。

ステップ5:営業・マーケティング施策への反映

スコアリング結果を実際の営業・マーケティング施策に反映させます。例えば、スコア区分ごとに以下のようなアプローチを設定することが考えられます。

  • ホットリード:営業担当者による直接コンタクト、オンライン商談の提案

  • ウォームリード:セミナー招待、成功事例の共有

  • コールドリード:定期的なメールマガジン、有益なコンテンツの提供

重要なのは、スコアリング結果を「見える化」し、営業担当者が日常的に活用できる環境を整えることです。例えば、CRMやSFAのダッシュボードにスコアが表示されるようにしたり、毎朝のミーティングでホットリードリストを共有したりといった工夫が効果的です。

ステップ6:効果測定とモデルの改善

定期的に効果を測定し、スコアリングモデルを改善していきます。具体的には、以下のような観点で検証を行います。

  • スコアの高い顧客と実際の成約率の相関関係

  • 各評価基準の有効性

  • 閾値の適切さ

例えば、「スコア80点以上の顧客の成約率が50%未満である」という結果が出れば、モデルの見直しが必要です。また、「特定の評価基準がスコアに大きく影響しているにも関わらず、成約との相関が低い」といった場合は、その基準の重み付けを調整する必要があります。

効果測定は最低でも四半期に1回、できれば毎月実施することをおすすめします。

 

スコアリングにおける注意点

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スコアリングを効果的に活用するためには、いくつかの注意点があります。ここでは主要な3つの注意点について解説します。

注意点1:評価基準を適切に設定する

スコアリングの精度は評価基準の適切さに大きく依存します。以下のポイントに注意して設定しましょう。

  • 偏りのない評価基準:特定の属性や行動に過度に依存すると、本来有望な顧客を見逃す可能性があります。多角的な視点から評価基準を設定しましょう。

  • 自社の成約プロセスに合わせた基準:業界や商材によって重要な要素は異なります。過去の成約事例を分析し、自社に最適な基準を設定することが重要です。

  • 定性的要素の考慮:数値化しにくい「決裁者との関係性」「競合状況」なども考慮できるよう、営業担当者の主観的評価を取り入れる仕組みも検討しましょう。

評価基準は固定せず、定期的に見直し、改善することが重要です。

注意点2:スコアリングモデルは定期的に見直す

市場の変化や顧客の行動変化に合わせて調整する必要があります。例えば、ある外装材の製造販売業では、スコアリングルールの煩雑化が課題として挙げられていました。そこで、同社はメンテナンスルールを作成し、煩雑なルールを撤廃することで、より明確なリードのスコアリングを目指しています。このように、運用状況を常に把握し、問題があれば速やかに改善することが重要です。

A/Bテストなどを実施し、効果を検証することも有効です。例えば、ある期間は従来のスコアリングモデル、別の期間は改善版のモデルを並行運用し、どちらがより成約率の向上に寄与するかを検証するといった方法があります。

初期段階ではシンプルなモデルから始め、徐々に改善していくことをおすすめします。最初から複雑なモデルを構築すると、運用が難しくなり、改善点も特定しづらくなります。

また、スコアリング結果に対する営業担当者からのフィードバックを積極的に収集し、モデルの改善に活かすことも重要です。現場の声は、数値だけでは見えてこない貴重な洞察を提供してくれます。

定期的な見直しの頻度としては、少なくとも四半期に一度、できれば毎月、スコアリングモデルを見直すことをおすすめします。

注意点3:データ品質を確保する

スコアリングの精度はデータの品質に大きく依存します。以下のポイントに注意してデータ品質を確保しましょう。

  • データの正確性:誤ったデータに基づくスコアリングは誤った意思決定につながります。データ入力時のバリデーションチェックや、定期的なデータクレンジングを行いましょう。

  • データの完全性:欠損値が多いとスコアリングの精度が低下します。必須項目の設定や、データ収集の自動化などで完全性を高めましょう。

  • データの一貫性:異なるシステム間でデータ形式や定義が統一されていないと、正確なスコアリングができません。データ統合のルールを明確にし、一貫性を確保しましょう。

また、プライバシーやセキュリティにも配慮が必要です。特に個人情報を含むデータの取り扱いには、関連法規に準拠した管理体制を整えることが重要です。

まとめ

スコアリングは、営業・マーケティング活動を効率化し、ビジネスの成長を加速させる強力な手法です。見込み顧客の行動や属性を評価し、優先順位をつけることで、より効果的なアプローチにつながります。

toBeマーケティングは、Salesforce製品の導入・活用支援を行っており、初期導入支援や伴走支援などのサービスを提供しています。

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投稿者プロフィール
営業戦略部

営業戦略部(Customer Marketing Team)

カスタマーサクセスを目指し、マーケティング業務を行っている営業戦略部です。toBeマーケティングの自社マーケティングについて共有させていただきます。


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