【BI導入・活用の心得】STEP1:ユースケース(利用目的)の洗い出し
2021.06.25
2024.06.19
Salesforceの導入、Account Engagement (旧 Pardot)やMarketing CloudのMAツールの導入を行い多くののデータを蓄積する環境が整った後は、データを活かしてさらに効果を発揮させたいと考えますよね。SalesforceにはTableau・CRM Analytics(旧:Tableau CRM)・B2B Marketing Analytics・Marketing Cloud Intelligence(旧:Datorama)など、様々な分析ツール(BIツール)が用意されています。
BIツールを上手く利用し「分析」をすることは、企業にとって大きな利益を生みだします。しかし、どんなツールでも"入れれば効果が出る"というわけではありません。
今回はBIツールの導入・活用を成功させるべく、貴社に必要なプロセスを3ステップに分けてお伝えしたいと思います。
STEP1:ユースケース(利用目的)の洗い出し
STEP2:対象データソースの準備
STEP3:可視化のすり合わせ
今回はSTEP1:ユースケース(利用目的)の整理について詳しく見ていきましょう。
■STEP1:ユースケース(利用目的)の洗い出し
BIツールは保持しているデータをグラフやダッシュボードで可視化し、深掘りを行うことで気付きを得るための道具です。
むやみやたらにダッシュボードを作りたい!と考えると時間とコストが大きくかかってしまいます。そのため、まずは利用目的を洗い出し、優先順位を付けた上で1つずつ構築を行っていくことをお勧めします。
①ユースケースを洗い出す
・「目的(実施する理由)」
・「分析後の施策(目的を解決する事でもたらされる利益)」
・「関連する部署・人」
ここまでを1セットとし1つのユースケースとします。
貴社の中で想定されるユースケースを羅列することで、BI活用の全体像が見えてきます。
②ユースケースごとに指標を掘り下げデータソースを確認する
①で記入した「目的(実施する理由)」に着目し、目的を達成するために具体的にどのような指標を見るべきかを考えます。
例えば、メールの効果測定である場合、見るべき指標は「送信数」「開封数/率」「クリック数/率」「CV数/率」かもしれません。この具体的な数値を指標として各ユースケースに追加していきます。
そしてさらにどのような軸で見ていきたいのかも併せて確認をします。例えば「キャンペーン毎」「企業属性毎」「商品ごと」など見たい切り口の項目も併せて確認をしていきます。
こちらで見たい指標は一通り定まりました。
では実際にその指標を可視化するための元になるデータはどこにあるのか。
可視化の元となるデータを、データソースと呼びます。データソースをBIツールに連携できない限り、見たい指標があっても可視化することはできません。
各指標ごとにデータソースを特定し、ユースケースに追加していきましょう。
「送信数」「開封数/率」「クリック数/率」⇒Account Engagement (旧 Pardot)から取得
「CV数/率」⇒●●フォームの通過をCVとし、Salesforceのキャンペーンから取得
「企業属性」⇒Salesforceの取引先から取得
といった具合です。ざっくりと確認をしてください。
ここまで揃ってユースケースが組みあがり、何を見たいのかが明確化されます。
③優先順位をつける
①、②でユースケースの洗い出しは完了しました。
おそらく複数のユースケースがあることが明らかになったのではないでしょうか?
実際に構築をしていく際に、一気に作り上げることは難しいかと思います。
そのためどのユースケースを優先すべきなのか、構築の順序を決めていきましょう。
・収益性
・緊急性
・実現性(データの準備ができるか否か)
・将来性
など貴社の状況に応じて順位付けをしてください。
優先順位が決まると、何がいつできあがり運用を開始させられるかのスケジュール目途を立てることができます。
ここまででユースケースの整理が完了します。
■まとめ
構築前に自社でユースケースを確認することは、構築プロジェクトの成功確率を格段に上げることとなります。なぜならば、構築を依頼する側も、構築を請け負う側も共通認識をもってプロジェクトをスタートすることができるからです。
無駄なコストをかけず、思った通りの活用を行うために自社でこのユースケースの洗い出しの作業を行ってみてください。
次回お話するSTEP2、STEP3の作業を行うと、さらに構築精度が高まり、スムーズにBIツールへの可視化に移行できます。是非ご覧ください!