他のツールと連携することによってさらに活用できるマーケティングオートメーション
2019.01.04
2023.08.03
マーケティングオートメーションは、マーケティング活動の各プロセスをシステム化し自動化できるツールです。
では、マーケティングオートメーションだけを入れておけばよいのかというと、そうとも言い切れません。本来の目的である売上の向上のためには、ぜひ連携させておきたい機能があります。ここでは、より高いレベルで目的を達成するための連携機能について説明します。
マーケティングオートメーションと他のツールの連携
マーケティングオートメーションの対応範囲
マーケティングオートメーション単独で利用できる代表的な機能は次のとおりです。
- 自社の商品・サービスを紹介するウェブサイトの閲覧履歴を個人単位で記録する
- 見込み客や既存顧客へ送信したメール等の開封・クリック状況を個人単位で記録する
- 見込み客の製品興味や受注確度をスコアリングする
- 製品興味や受注確度を高くするようなアプローチを、シナリオに基づいて実行する
- 製品興味や受注確度の高い見込み客の情報を営業担当に提供し受注への橋渡しをする
これらの動作は事前の設定に基づいて、自動化することが可能です。
連携すると便利な機能
育成した製品興味や受注確度の高い見込み客を営業担当に渡すと、マーケティングオートメーションの役割は一旦終了です。営業活動履歴の記録はカスタマーリレーションマネジメント(以下CRM)へ移り、CRMで以下の管理を行っていくことになります。
- 提供品目の管理
- 売上の管理
見込み客の顧客情報は、営業が使うCRMもしくは売上管理システムへ何らかの形で転記されることになります。その後、以下についてCRM側に記録されていくことになります。
- 営業活動の履歴
- 受注情報
- 売上数値
マーケティングオートメーションへの受注事例としてのフィードバックは、手動入力の手間が発生するか、2つのツールを使い分ける必要がでてきます。
また見込み客の時点での情報と顧客となってからの情報が分断され、顧客管理上も一気通貫で追うことができません。
CRMとマーケティングオートメーションを連携すると、マーケティング活動と営業活動が連携され、お互いのデータを共有できるため非常に使いやすいツールとなるのです。
マーケティングオートメーションとCRMが連携することの効果
顧客に対する活動履歴の連携
CRMには、顧客の企業名や住所、名刺を交換した担当者の名前といった基本的な情報とともに、特に営業担当がこれまでに活動して獲得してきた、顧客との間で行ってきたコミュニケーション活動の履歴が保管されています。これは主としてオフラインでの情報です。
一方でマーケティングオートメーションは、オンラインにおける見込み客の行動を取得します。どのウェブサイトへアクセスし、どういう情報へ反応したかといったことです。
これら2つのツールの情報を連携させることで、ある見込み客や顧客の行動がオンラインオフライン問わず把握でき、スコアリングにより興味の度合いを可視化し、最適なシナリオに基づいたナーチャリングができるようになります。
マーケティング担当と営業担当の情報連携
マーケティングオートメーションとCRMが連携することで、営業担当とマーケティング担当の間の情報共有もスムーズになります。
営業担当は、オフラインで得てきた情報をCRMへ入力します。そのためCRMを使うことになれています。一方でマーケティング担当は、マーケティングオートメーションを活用してオンラインで獲得した活動履歴やスコアリング情報の取得、ナーチャリングなどのためマーケティングオートメーションを使います。
連携されていない場合、別のデータベースにそれぞれの情報が保管されることになり、マーケティングの効果が生かされません。
連携された場合、営業担当にもマーケティング担当が獲得したり分析した情報がCRMを見るだけで確認できるようになり、営業活動がより効果的になります。
システム連携の注意点
連携の前に業務プロセスを整備
システム連携すると、顧客情報が共有できてマーケティング担当にも営業担当にもメリットがあります。しかしシステム連携そのものができたとしても、リードの収集から契約までの業務プロセスが整理されていなければかえって使いずらいツールとなってしまいます。
マーケティングオートメーションとCRMを連携させるときには、まずマーケティングと営業の業務プロセスを洗い出して、業務プロセスのどの時点でどちらのツールのどの画面を使うようにするのか、どういう項目を見るようにさせたいのか、よく検討してからシステム連携に着手しましょう。
データ入力インターフェースの統一
また、マーケティング担当と営業担当がデータ入力のためにアクセスする画面はよりシンプルにします。特に組織が大きい場合、特にデータを入力していた画面の変更は教育に莫大なコストがかかります。
システム連携処理をバックグラウンドで行いユーザー閲覧画面ではわからないようにして、各担当者がアクセスする画面はできるだけ少なくすると、利用者からのクレームも少なくできスムーズに導入できます。
データベースの扱い
データ連携するときは、極力、一般的に修正コストが高い基幹システムやCRM等、先に稼働していたシステムのデータベースからマーケティングオートメーション側が必要な情報を取得するようにします。
もし連携相手のシステムから取り出したデータを、他のシステムのデータと組み合わせて処理をする必要がある場合、中間サーバを用意して処理させることも考えます。
マーケティングオートメーションとCRMでデータ重複が起こることも容易に想像できます。同じデータがあった場合にどちらの情報で上書きするのか、それとも両方保持して各担当者により新しい情報を選択させて古い情報を消すようにするのか、検討しておくことが必要です。
マーケティングオートメーションとCRMの連携が好循環を生む
マーケティングオートメーションは顧客に関する情報を他のシステムと共有することでその存在価値があがります。
少なくともCRMと連携をすることで、顧客の行動や何を欲しがっているかがよくわかるようになり、次に何をしたら喜んでもらえるかを考えるためのデータが得られるようになります。
またスムーズに情報共有ができることで、営業活動全般にかかるコストが下がることも期待できます。導入する場合は、CRMとの連携についても検討することをお勧めします。