こうすればわかる!マーケティングオートメーションのシナリオ例
2019.02.01
2024.06.19
マーケティングオートメーション(MA)は、勘や経験をもとに行っていたマーケティングを自動化することで、効率的にリード(見込み客)にアプローチをするツールです。その中でも「シナリオ」はツール運用の中核をなす要素といえます。ここでは、実際のシナリオ作成の参考になるシナリオの作成例を紹介していきます。
マーケティングオートメーションのシナリオが作りたい
マーケティングオートメーションでは「シナリオを作るハードルが高い」と感じたことがあるのではないでしょうか。なぜなら、適切なシナリオを作ることができなければ、見込み客の獲得(リードジェネレーション)が進まないからです。
適切なシナリオは、見込み客の興味関心を惹きつけるだけでなく、課題を解決して信頼を獲得します。つまり、見込み客の行動、属性に合わせて適切なシナリオを設定しておくことができれば、見込み客を自動的に獲得することができるようになります。
シナリオの基本機能
自社のWebサイトを訪れたユーザーが資料請求をし、そのユーザーに対してメールを送信した場合、そのユーザーがメールを開封したのか、メールのURLをクリックしたのかなどを分析すれば、どの程度の検討段階にいるのかを知ることができます。その興味の度合によって、あらかじめ設定しておいたメールを自動配信していくのがシナリオの基本機能です。
たとえば、1通目のメールを開封して本文のリンクをクリックしただけでなく、さらに問い合わせを行ったユーザーがいれば、そのユーザーは見込み客として期待できます。反対に、メールを開封はしたものの、とくにリアクションがないユーザーであれば、商品の活用事例やセミナーの案内などを送付することで興味を引けるかも知れません。
このように、本来であれば相手のリアクションを分析しアプローチ方法を変えるのは、多大なコストを必要とする作業です。これができないために、多くの企業では一部の見込み客にしかアプローチできず、これが機会損失を生んでいました。
シナリオ機能を使えば、ユーザーの行動や属性を分析し、各ユーザーに対して適切なアプローチを自動で行うことができるようになります。そのため、ごく少数のチームでも多くの見込み客を相手にマーケティング活動を行えるようになるのです。
マーケティングオートメーションのシナリオ例①
マーケティングオートメーションでは、見込み客とは時間をかけながら関係を構築していくのが前提となっています。いわゆる「そのうち客」と呼ばれる、潜在的にニーズを持っているユーザーに対してアプローチをかけていきます。
「ドリップ型」と呼ばれるシナリオでは、リスト内のリードにメールを配信し、関心度の高いリードのみを抽出していきます。まるでコーヒーをフィルターで抽出していくように、メールの内容を変えながら見込み客を抽出していきます。
たとえば、自社の顧客リストから見込み客を抽出したいといったケースが考えられるでしょう。過去に接触した履歴のある顧客リストがあっても、どの顧客が新たな案件に繋がるかを判断するのは難しいものです。そういうときに、ドリップ型のシナリオで顧客を絞り込んでいきます。
1通目:商品紹介のメール
2通目:1通目を開封した→商品活用事例のリンクメール
2通目:1通目を開封していない→終了
3通目:2通目のリンクをクリックした→セミナーのご案内
3通目:2通目のリンクをクリックしていない→終了
このようにして、ユーザーの興味関心が高ければメールに対するリアクションも変わってきます。それに合わせてリストを絞り込んでいくことで、アプローチするべき顧客を見極めることができるのです。
マーケティングオートメーションのシナリオ例②
自社のWebサイトで資料請求をしたユーザーに対して、自動でステップメールを送信していくシナリオも考えることができます。こういった自動対応型のシナリオはマーケティングオートメーションの王道ともいえる手法です。
資料請求したユーザーに対して、商品の魅力や活用事例などを紹介し、興味を持たせてから商談に持ち込むことができれば、成功率はグッと高まるでしょう。そのためには、
1通目:資料請求のお礼のメール
2通目:1通目を開封した→商品の活用事例のメール
2通目:1通目を開封していない→資料請求のお礼のメール(タイトル変更)
3通目:2通目を開封した→セミナーのご案内メール
3通目:2通目を開封していない→他社の口コミやレビュー情報のメール
このように、1通目のお礼メールを開かないユーザーがいた場合でも簡単に諦めてしまわずに、メールタイトルを変えることで開封してもらえるケースもあります。興味を引きつけるタイトルを設定する工夫も試行錯誤をしていくべきでしょう。
ユーザーがどのような心理状態なのか、カスタマージャーニーの設定もしっかりすることで、適切なアプローチを行うことが可能になります。
最初はシンプルなシナリオから
シナリオを作成する際には目的をはっきりさせること、そして複雑すぎるシナリオは作らないことを覚えておきましょう。最初はなるべくシンプルなシナリオを作り、そこからPDCAを回しながら凝った作りにしていくほうが成功率は上がります。シナリオを作ることができる人材や経験がなければ、プロに相談してみるのもおすすめです。