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マーケティングオートメーションとは?基礎から活用方法までわかりやすく解説します!

author マーケティングチーム

date 2019.03.01

update 2024.06.19

tags マーケティングオートメーション

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見込み客の獲得から成約まで、幅広いマーケティング活動の効率化や自動化ができるマーケティングオートメーション(以下MA)。アメリカ発祥のツールですが、最近では日本国内でも導入に踏み切る企業が増えてきています。実際に、MA導入を検討しているマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。しかし、「トレンドだから」という理由だけでMAを導入すれば、ほぼ確実に実運用で失敗します。

MAの導入を成功させるためには、導入前の正しい知識と準備が必要です。本記事では、MAの概要から運用前にやっておくべきこと、失敗しないための運用術など、MAツールを活用して売上向上を目指すための全知識をご紹介します。

マーケティングオートメーションの定義

ひとことで言えば、MAとは「マーケティング活動を可視化して効率化を図るツール」です。

情報過多ともいわれている現代で新たな顧客を開拓するためには、ユーザーの興味や関心、行動を把握したうえで、最適な情報を最適なタイミングと手段で提供する必要があります。

しかし、実際にワンランク上のマーケティング活動を行うためには、多くの人員を確保しなければいけません。そのため、見込み客をフォローする手立てを用意していても、現実的には人手が足りずに思うような活動ができていないマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。

このような悩みを解決し、限られた人的リソースや予算のなかで、効果の高いマーケティング活動を実現するのがMAです。MA最大の利点は、顧客ひとりひとりの興味に対して最適なコミュニケーションが図れる「One to Oneマーケティング」の実現でしょう。

10人程度の見込み客であれば、人的な対応でもOne to Oneマーケティングが行えますが、1万人、5万人、10万人といった見込み客に対して人的にOne to Oneマーケティングを実施するのは不可能です。

MAツールは、人の手では対応できないような多くの見込み客を対象に、丁寧で長期的な関係を構築できる他に例のないプラットフォームなのです。

なぜマーケティングオートメーションが必要なのか?

「話題になっているから」
「他社が導入しているから」

このような理由でMAを導入しても、ほぼ間違いなく運用に失敗します。MAを導入する前に、MAを導入する意義を確認しておきましょう。

営業スタイルの変化

さまざまな情報が溢れている現代では、商品を購入するときもSNSやスマートフォンといった複数のデバイスやチャネルからのアクセスが一般的です。そのため、膨大な情報量のなかから顧客へ最適なメッセージを確実に届けるには、情報の質や量だけではなく、情報提供のタイミングも適切でなければいけません。MAツールは、このような営業スタイルの変化にも柔軟に対応できます。
具体例を見ていきましょう。

  • ユーザーのアクセス元によって表示ページを変える
  • ユーザーのアクションによって配信メールを変える
  • 見込み客の興味度によってアプローチを変える

今までの営業スタイルでは、どれも実現しえなかった手法ですが、MAツールを活用すれば時代に即した営業スタイルを手軽に実践できるようになります。

デマンドジェネレーション

現在、BtoBマーケティングでは「デマンドジェネレーション」が注目されています。 デマンドジェネレーションとは、下記の3つを段階的に進めて商談へと繋ぐ方法です。

見込み顧客を集める「リードジェネレーション」:展示会、広告、セミナーなど
                ↓
見込み顧客を育てる「リードナーチャリング」:名刺交換、メルマガ配信など
                ↓
見込み顧客を選別する「リードクオリフィケーション」:問い合わせ、資料ダウンロードなど

MAツールを活用すれば、自社サイトを訪れたユーザーの個人名や属性、企業といった詳細な情報の把握や自社のサイト上での行動、興味度合いの高い見込み客「ホットリード」の抽出などを自動で行うことができます。それぞれの分析結果はデータベース化して営業と共有できるため、見込み客の獲得から商談までをMAツールで一元管理できるようになります。

データベースの管理強化

見込み客の情報を多数保有していても、活用できなければ意味がありません。また、管理内容が浅ければ、データの多くは「質が低下」してしまうため成約には繋がらないでしょう。
MAツールを使えば、細かい条件による顧客の分類が可能です。

  • 1週間以内に資料をダウンロードした
  • キャンペーンのページを長時間見ていた
  • メールの開封率

上記のように、属性やアクションなどによって顧客データが精細に分類されていれば、営業にとってもアプローチがしやすくなるので成約率の向上に繋がります。

手作業で行っていたデータ管理では、データが古くなるほど扱う機会も少なくなり、やがては放置されてしまうのが常でした。とくにBtoB企業の場合は成約までに年単位の時間を要することも少なくありません。データベースの管理が適切に行われていなければ、単に「データが古い」というだけで扱われる機会が少なくなり、それと比例して成約率も低下してしまうでしょう。

しかし、MAを導入すれば、半年前や1年前のデータもフォローし、最適なタイミングでのアプローチを実現します。なお、見込み客データの分析や管理はクラウド上で簡単に行えます。このような最新の技術とMAツールは極めて親和性が高く、顧客のデータを生かした営業活動に結びつけることが可能です。

CRMとの連携管理

すでにCRMを導入している企業も多いと思いますが、基本的にはCRMでは既存顧客を管理し、MAでは見込み客を管理して両ツールを連携させるのがベストです。

一般的に見込み客は、営業マンに会う段階で6割~7割の検討段階を終えているとされています。Web上の多彩なチャネルで情報を収集している見込み客に最適なタイミングでアプローチするためには、メールの開封率や自社サイトの閲覧履歴などを追跡できるMAは最適なツールといえます。その一方で、エンゲージメントの段階を得意としているCRMは、既存顧客の履歴を活用した新規購買機会の発見に活用できます。

たとえば、Web上で行動履歴を追跡し、インサイドセールスが対応できたケースは、MAに情報を記録します。そのなかから契約に至った顧客をCRMに登録して、その後も長く続く顧客との関係を管理していくべきでしょう。

「とにかくMAとCRMは連携させるべき」という盲目的な考えは失敗の原因です。そもそも、マーケティング部と営業部の顧客管理は目的が異なるため、連携前の相互理解がなければ両ツール間での断裂が生じてしまいます。MAとCRM、それぞれの特性や有用性を認識し、自社にとって効果的な連携を実現できれば、営業活動の活性化にも繋がるでしょう。

マーケティング機能強化

ホームページの作成や更新、パンフレットの製作など、マーケティング部門の役割は極めて限定的というのがこれまでの常識でした。中小企業のなかにはマーケティング部門が存在せず、他部門が兼務しているケースも少なくありません。ホームページの改善が商談成立に結びつかないような場合、その原因を分析する予算も人材もないといった悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。しかし、MAツールを活用すれば、顧客の行動解析からホームページの最適な改善策を見出すことができます。

メールマガジンの読者を抱えていても人手が足りずに配信が怠りがちという企業もあるでしょう。このようなケースでもMAツールの機能を使えば、メール配信作業のために人材を確保することなく、配信頻度を上げることが可能です。配信頻度に応じてメールの開封率も高まるため、商談数の増加にも繋がります。

予算や人員が原因でマーケティング活動に限界を感じている企業にとって、MAは強い味方になるはずです。

マーケティングオートメーションでできること

MAツールを導入すると具体的にどのようなことができるようになるでしょうか。詳しく見ていきましょう。

業務の効率化

MAを導入すれば、企業の規模を問わず、必要最小限の人数による効率的なマーケティング活動が可能になります。生産的で価値のある営業を最小限の人材で行えるのは、中小企業にとっても大きなメリットになるはずです。

マーケターの手作業によるマーケティング施策は負担が大きいため思うように進まず、メール配信のリストを作るだけでも時間がかかります。システム担当のサポートを必要とするなら、連携の手間もかかるでしょう。MAツールの機能を使えば、メールの配信から、ユーザーがメールを開封したあとのサポートまでを自動的に行ってくれます。

MAツールを活用すれば、条件にあった見込み客がいた場合に、営業担当へ自動的にアサインメールを送付することも可能です。MAツールのなかには提案中の見込み客や、データベースに登録されている見込み客が自社サイトに訪れていることを検知して、自動的にアラートメールを通知する機能を有しているものもあります。

見込み客の分類から通知アサインまで、一連の業務を効率的に自動化できれば、効率的な成約率のアップだけではなく人件費の削減にも繋がるでしょう。

マーケティング活動の可視化

MAツールは顧客の行動解析を行えるため、マーケティング活動の効果を視覚的に確認できます。サイトや申し込みフォームなど、どの部分に問題があるのかなどをチェックできるため、広告宣伝費を増やすことなく成約率向上への改善点を見出せます。

リスティング広告などから流入してきた見込み客が、そのまま商品を購入してくれるケースはほとんどありません。商品が高額であればなおさらです。通常は自社サイトを一度離脱し、他メディアによる情報収集や異なるデバイスによるサイト訪問などを繰り返したうえで、総合的に購入の可否を判断することになるはずです。MAを活用すれば、このような顧客の行動を「追跡」できるため、顧客が購入に至るまでのプロセスが浮き彫りになり、自社サイトの問題点も判明します。

商談創出数の増加

MAの機能は、さまざまなシーンで商談創出数増加のチャンスを作ります。具体例を見ていきましょう。

ホットリードの抽出

メールマガジンの登録やセミナーの参加、自社サイトへの訪問など、自社の商品やサービスに対する見込み客のアクションはさまざまです。当然、各ユーザーの興味度合いも大きく異なってきますが、MAツールはユーザーごとの行動履歴やアクションを「スコア」として記録できるため、興味度合いの高い顧客を「ホットリード」として抽出することができます。

なお、MAはスコアリング機能によってホットリードを自動的に抽出するため、人的な手間や時間をかけずに売上向上へと繋げます。

顧客の取りこぼし防止

詳細な分類ができるMAのデータベースを活用すれば、各見込み客に対して最適なタイミングで、最適な方法によるアプローチが実現します。

  • 問い合わせだけの見込み客
  • 名刺交換だけの見込み客
  • メールマガジンに登録しただけの見込み客

上記のような見込み客は、そのまま放置しておくと自社の利益に繋がらないどころか、競合他社の顧客になってしまう可能性さえあります。しかし、MAツールの機能を活用して最適なアプローチを行えば、顧客の取りこぼしも防げるのです。

営業成績向上

営業マンにも受注率の高い人とあまり高くない人がいます。自社の教育でその差を埋めるには時間も労力もかかりますが、MAを導入すれば、リードナーチャリングを終えた見込み客だけを営業にパスできるため、購入検討段階に入っている「熱い顧客」に集中した営業が可能です。

検討段階に入っている顧客の受注確率は極めて高いので営業マンによる個人差が生じにくく、会社全体の成約率アップに繋がります。

マーケティングオートメーションツールの主な機能

MAツールは、メールマーケティング、キャンペーン管理、スコアリング、レポーティング機能など、マーケティングの精度や作業効率を上げる多彩な機能を有しています。ここでは、MA導入後の利用頻度が比較的多い主なMAツールの機能を詳しく解説していきます。

リード管理

資料のダウンロードはもちろん、自社サイトの閲覧やメール内のURLクリック率、セミナーへの参加など、見込み顧客の行動を全て記録して一元管理できる機能です。企業単位での行動履歴を閲覧できるMAツールもあるので、ビジネスチャンスを創出する多角的な仕組みが作れます。

なお、「リード管理」の概念はさまざまです。広告などの認知チャネルから流入してきた見込み客の育成やリードナーチャリング、ホットリードの抽出など、一連の流れも含めて「リード管理」と考えることもできるでしょう。

フォーム作成

MAツールがあれば、多彩なフォームの作成も簡単です。実際の作業はマウスの操作やテキストの入力だけでOK。お問い合わせやパンフレットなどの申し込みフォームはもちろん、セミナー参加やアンケートなど作成できるフォームの種類も多彩です。MAツールのなかでも、とくに活用幅の広い機能といえるでしょう。もちろん、高度なフォームのカスタマイズも可能です。

作成したフォームはテンプレート化して保存できるため、セミナーを複数回開催するような場合には、フォーム作成の時間の短縮にも繋がります。各フォームに入力されたデータをそのまま顧客リストに登録すれば、手軽に見込み客情報を営業と共有することもできます。

メール配信

エンゲージメントにもっとも効果のあるメールを自動配信できます。段階的にメールを配信する「ステップメール」もメール配信機能のひとつとして知られていますが、MAでは一律配信ではなく、各ユーザーに特化した機動的な配信を実現します。

ここで改めて、ステップメールとMAのメール配信機能との違いを確認しておきましょう。ステップメールは「資料のダウンロード」のようなユーザーの行動を「トリガー」として、あらかじめ設定された日数後にメールを自動配信します。ユーザーの興味度合いや配信後の反応は全く考慮されません。

ステップメールの配信例

1回目:ダウンロードのお礼と商品の詳細など
2回目:3日後に他社事例の情報を送信
3回目:2週間後に無料お試し期間のお知らせ
4回目:1か月後に無料お試し期間終了のお知らせ

一方、MAのメール配信機能は、ユーザーの行動パターンに合わせた、きめ細かい配信が可能です。具体的な配信例を紹介します。

・商品やサービスの価格が掲載されたページに長く滞在したユーザー
→購入検討段階と判断して、購入を促すキャンペーンメールを送信する

・機能概要ページを見たユーザー
→各商品の特徴を詳しく記載したメールを送信して、商品の比較検討をしやすくする

シナリオ設計が重要

MAツールを利用したメール配信は「シナリオの設計」が重要です。スコアリング機能などと連携させ、ユーザーが欲しがっている情報を最適なタイミングで提供できるように工夫をする必要があります。なお、シナリオ設計はMAツールが自動的に行ってくれるものではないので、MA導入前に社内で議論を交わしておきたいところです。

ユーザーの行動や興味度を把握できたとしても、一方的にメールを配信するだけではなく、開封率や成約への効果を測定したうえで絶えずシナリオのブラッシュアップを行い、メール配信機能を洗練させていく必要もあります。

スコアリング

MAのスコアリング機能では、見込み客の興味度合いを数値にして可視化することができます。営業担当の勘や過去の実績などによる属人的なノウハウだけではなく、数値による具体的な分析ができるので、客観的な評価による見込み客の評価が可能です。

なお、スコアリングは一般的に下記の3項目を基準に判断します。

・適合度
所在地、企業規模、業界などから、見込み客として適切かどうかを検討します。

・興味度
自社サイトからの資料ダウンロードや、オンラインセミナーの視聴など、各見込み客の行動レベルをスコアで算出して興味度の強弱を確認します。

・購買フェーズ
見込み客が購買フェーズのどの段階にいるかを把握して評価検討します。メールを見ただけなのか、資料の請求をしたのかなど、見込み客の行動によるスコアリングが基本です。

なお、MAツールのスコアリング機能を活用すれば、見込み客が自社サイトを離れたあとで表示する広告をパーソナライズすることも可能です。属性や行動履歴、購買意欲などをスコアにより可視化した結果に基づき、各見込み客に適した広告の表示やメールの配信といった最適なアプローチすることでワンランク上のマーケティング活動が行なえます。

ホットリードの抽出

一定のスコアに達した見込み顧客を、MAが自動的にホットリードとして抽出してくれる機能です。抽出条件に使う各項目や、配点の具体例を見てみましょう。

メールマガジンの開封:1点
会社概要の閲覧:2点
自社製品情報の閲覧:3点
オンラインセミナーの視聴:4点
資料のダウンロード:4点
ターゲットとしている業種:4点

上記のように項目とスコアを決めたうえで、「6点以上に達した見込み顧客は購買意欲の高い顧客=ホットリードとして抽出する」などの設定をします。なお、スコアの高さは「営業がすぐにでも接触すべき顧客」の優先順位でもあります。

いずれにしても、数値で見込み客の興味度を可視化することによって無駄なアプローチを省き、ホットリードだけを営業にパスできるため、成約率向上と業務の効率化が期待できます。

スコアリング機能ではこのほかに、「問い合わせページを閲覧したユーザー」で条件を絞ったうえで、「ページは閲覧したが、実際には問い合わせをしていない」といった比較的興味度の高いユーザーを抽出も可能です。

スコアリングの注意点

スコアリングはMAツールの代表的な機能ともいえますが、「項目」や「配点」、また、「ホットリードとして抽出する基準」は、すべて人的作業の範疇になります。最適なスコアや項目をMAが自動的に弾き出してくれるわけではありません。

従って、スコアリング機能を活用する前に、知識のある人材の確保やMA導入支援サービスの利用についての議論が必要になります。

シナリオ設計

MAツールの多彩な機能を連動させて、自動的に実行するのがシナリオ機能です。まずは簡単なシナリオ例を見てみます。

自社製品の料金表を閲覧したユーザーをMAが抽出
         ↓
翌日にキャンペーンの案内を記載したメールを送信
         ↓
メールを開封した場合:送信3日後に関連セミナーの案内を送信
メールを開封しなかった場合:シナリオ停止

MAは一般的なメール配信システムとは異なり、メール開封した場合とそうでない場合で、別のシナリオを実行することができます。上記はシンプルな例ですが、ターゲットの抽出条件やシナリオを実行するトリガー、メールの配信頻度などを複雑に絡めたシナリオ設計も可能です。

シナリオの考え方

シナリオは主に3つの動作を軸として考えることから始めます。

1.シナリオ開始

シナリオを起動させるための「トリガー」となる条件を設定します。条件としては、下記などが考えられるでしょう。

  • 特定ページの訪問
  • セミナー出席
  • 資料のダウンロード

それぞれの条件に合致した見込み客に対して、設定したシナリオが自動的に起動します。なお、手動でのシナリオ起動も可能ですが、MAの特性を生かすなら自動設定を使いたいところです。

2.シナリオ分岐

シナリオ起動後の分岐条件を設定します。

  • メール開封+自社サイトを閲覧した場合→営業へ自動アラート→営業活動へ
  • メール本文内のリンククリックした場合→セミナーの案内送付
  • メール未開封→メール再送→シナリオ停止

ユーザーのアクションに応じて、異なるシナリオを自動的に継続できるのは、MAの大きな特徴です。

3.シナリオの停止、離脱

MAのシナリオ機能は、ユーザーのアクションに応じたシナリオの停止も可能です。なお、シナリオ機能自体を停止することと区別するために、特定ユーザーに対するシナリオの停止を「シナリオの離脱」と呼ぶこともあります。

シナリオ機能のメリットとデメリット

最大のメリットは、シナリオ完結までの一連の流れを自動化できるという点でしょう。これまでは条件に合った見込み客を手作業でピックアップし、メール送信の設定をしていた企業も多いのではないでしょうか。シナリオ機能を活用すれば、作業の大幅な効率化と人件費削減が実現します。

ただし、どうしても人的な判断が必要な場面では、その時点でシナリオの自動実行は途切れます。また、シナリオそのものをMAが自動的に設計してくれるわけではないので、売上向上に繋がるシナリオの設計にはノウハウが必要です。

マーケティングオートメーション導入前の準備

実際にMAの機能やどのような時に役立つのかが理解していても、導入前の準備が怠っていては安定したMAの運用はできません。MAの運用が成功するかどうかは、運用前の準備にかかっているといっても過言ではないでしょう。

ここでは、MAを導入する前に決めておきたい戦略やコンテンツ、シナリオなどについて、詳しく解説していきます。

戦略立案

戦略の策定では現状の客観的な評価が欠かせません。自社の置かれている状況はもちろん、外部環境や競合他社、顧客などについて正確に評価し戦略の大筋を固めます。

1.現状分析

自社の現状を理解するためには、下記についての分析が重要です。

・3C分析
顧客、市場(Customer)
競合(Competitor)
自社(Company)

自社内の現状と合わせて、外部要因である競合他社の対応状況や、顧客のニーズを分析します。

・SWOT分析
SWOT分析を図解すると、下記のようになります。

プラス要因マイナス要因
内部環境 強み (Strengths)
技術力や自社製品の魅力など
弱み (Weaknesses)
情報提供方法など苦手としている分野
外部環境 機会 (Opportunities)
外的要因によるチャンス
脅威 (Threats)
外的要因による自社への脅威

自社だけで対応できる内部環境と、企業努力ではどうにもならない外部要因の分析は、ビジネス機会の発見にも大いに役立ちます。

・PEST分析
政治(Politics)
経済(Economy)
社会(Society)
技術(Technology)

世の中全体の変化「マクロ環境」を把握して不測の事態に備え、新たな環境下でも競合他社より優位に立つための分析です。

なお、PCの前にデータを収集するのも大事ですが、実際に顧客と接する現場へ出向き、現場の生の声を聴くことも重要です。また、収集したデータは自社に都合よく解釈せず、実態に沿う現実的な分析結果になっているかどうかを厳しくチェックしてください。

2.ターゲット決定(誰に)

分析の次は、対象とする顧客を定めます。業種や売上規模、年齢や行動データなど軸は多彩ですが、市場の細分化によって最大効果が発揮できるターゲットが決まるので、慎重な検討が求められます。センスとスキルも必要となりますが、自社の強みや他社にはない優位性を提供できるターゲットを定めてリソースを集中させましょう。

3.伝えたい情報(どんな価値を)

さまざまなサービスや商品が溢れているなかで、自社の製品を選択するメリットは何なのか、どのような価値を提供できるのか、競合優位性は何なのかなどのバリュープロポジションを明確にします。

ただし、この内容は独りよがりになってはいけません。顧客目線になったうえで「数多くの選択肢があるなかでも、この製品、このサービスを選びたい」と思われる情報や価値を用意する必要があります。

4.提供方法(どのように)

顧客の立場になった「商品購入までの利便性」や「コミュニケーション」、「購入後のサポート」など、商品そのものの価値だけではない購入後のスムーズな取引をアピールします。

なお、ここまでの戦略設定にブレがあると、どんなに高機能なMAツールを導入しても成果には結びつかないので注意しましょう。いずれにしても、ターゲットと具体的な戦略はMA導入後に決めるのではなく、必ず運用前に決めておかなければいけません。

業務フローの設計

業務フローとMAの運用ルールを設定します。シンプルに運用する場合は問題ありませんが、営業担当やSFAなどの他ツールと連携するなら、運用前の綿密な業務フロー設計は必須です。

ほとんどのMAにはSFAやCRMと連携できる機能が搭載されているため、MA単体での運用ではなく自社の状況に合わせた連携体制を整えていきましょう。

コンテンツ制作

コンテンツの拡充はMA運用を成功させる大きな要素です。MAツールを導入しても、自社コンテンツが充実していなければ売上向上には結びつかないと思ってください。

展示会や営業などで見込み客を十分に獲得できる企業でない限り、予算や人的リソースの関係から、顧客からの問い合わせはWebからが中心となっているはずです。従って、顧客にとって興味をもってもらえるような、見やすく利用しやすいコンテンツの作成を心がけることはもちろん、顧客が求めている情報をスムーズに提供する必要があります。

とくに、下記についてのアピールを意識しながらコンテンツを作成していきましょう。

  • 他社に比べて競合優位性がある
  • 購入に値する商品、サービスである
  • 利用しやすいフォームの設計

なお、見込み客の手持ちがどの程度あるのか、外部からの新規顧客獲得にどの程度の時間を費やせるかなども合わせて検討しながら、コンテンツの作成に回せる人的リソースと予算を決めていきましょう。

シナリオの設定

シナリオの設計では、どのような属性にあるユーザーにアクションを仕掛け、どのようなタイミングで情報を提供して契約に繋げるのかまで、マーケティングの一連の流れがすべて含まれます。

ここでは、マーケティング活動におけるシナリオ設計の具体的な流れを見ていきます。

1.ターゲットの設定

もっとも重要なのはターゲットです。情報を届けたいのは誰なのか、アクションを誰に対して仕掛けるのかによってシナリオの内容は大きく異なります。たとえば、広告を見たユーザーを自社サイトに飛ばす場合には、どの広告から流入してきたかによって表示するランディングページは変えるべきでしょう。

ただし、どのような顧客が重要かといわれても、明確にするのはなかなか難しいかもしれません。そのようなときには、「ライフサイクル」「行動」「属性」の3つを軸にして考えてみてください。

  • ライフサイクル
    新規なのか見込み顧客なのかを区別します。
  • 行動
    商品の購入や自社サイトからの途中離脱など、各ユーザーの行動によってシナリオの分岐を検討します。
  • 属性
    年齢や性別、地域、業種などによって顧客を分類し、ターゲットの条件として採りいれます。

上記の3つに分類することによって、ターゲットとする顧客の大幅なズレを防げます。ただし、ターゲットが明確になっても必要以上にメールを送信したり、深夜にメールを送ったりすれば逆に悪い印象を与えます。

内容も自社の宣伝ばかりでは、すぐに離脱されてしまうでしょう。最後まで興味をもってもらうためにも、配信頻度や情報提供の質、ユーザーのアクションに応じた最適なシナリオの設定は欠かせません。

2.トリガーの設定

主なターゲットが決まったら、シナリオを起動するトリガーの設定をします。具体的には、企業概要や製品の詳細ページ閲覧などをトリガーとして、「製品情報のメール送信」や「セミナーの案内送信」などを行い、顧客の興味と購買意欲を高めます。同時に、シナリオに沿うようなコンテンツの中身も検討していきましょう。

3.運用後

運用後はレポーティング機能を活用して、シナリオの効果を分析しましょう。MAでは、コンバージョン率や資料ダウンロード数などのデータを収集して、シナリオによる効果を客観的に測定することができます。分析結果はグラフにして可視化できるため、データの共有や改善点の把握も容易です。

ユーザーがシナリオ通りに反応しているのか、想定通りに成約率がアップしているのかなどを確認し、あまりにも予想と異なる結果が出ている場合には、シナリオそのものの見直しが必要になります。シナリオはいちど設定したら終わりではなく、常に改善点を見つけ出し、より効果の高いシナリオへと進化させていきましょう。

なお、どんなに優れたシナリオを設計できたとしても、目に見える効果が現れるまでには、どうしても時間がかかります。焦らず慎重に精査をしながら、MAの運用を継続することが肝心です。

MAツールはできることも多くなりますが、その分、設定も複雑になるので、いきなり複雑なシナリオを設計するのは避けた方が無難です。まずは、シンプルなシナリオを実行して、少しずつMAというツールに慣れていきましょう。

マーケティングオートメーションの具体的な活用事例

MAの機能について理解していても、実際にはどのように運用するべきなのかわからないという人も多いと思います。ここでは、MAの実践的な活用事例や運用中の注意事項、また、継続的な売上の向上に繋げるための方法を解説していきます。

リードジェネレーション

新規の見込み客情報を獲得します。広告やコンテンツマーケティング、展示会などを通じたリードジェネレーションが一般的です。なお、MAツールを活用すれば、新規顧客の獲得だけではなく、社内に散在している名刺情報をツールに取り込みリサイクル的に活用することもできます。

展示会などで交換された名刺管理が適切に行なわれていなければ、顧客の掘り起こしにも繋がりません。MAツールと名刺管理ツールの連携はリードジェネレーションの基本です。

MAツールを活用すれば、これまでの営業スタイルではマーケティング活動に使えなかった「資産」も、将来的な顧客に育てていく貴重なデータとして活用することができるのです。

リードナーチャリング

購買決断に至らないまでも、購入意欲の高い顧客を成約へと導きます。MAツールのスコアリング機能を使えば見込み客の興味度合いを可視化できるため、各顧客の興味度合いに応じたコミュニケーション手法を使って、最適な情報を最適なタイミングで提供することが可能です。

この段階におけるMAツール最大のメリットは、リードの状況に応じたOne to Oneマーケティングの実現でしょう。従来の獲得した見込み顧客に対して、すべて同じ手法でアプローチする方法とは大きく異なります。

名前や住所だけがユーザーの情報ではありません。サイト上での行動履歴や各ページの滞在時間、各ページを何回訪問しているかなども重要な情報です。MAツールを活用すれば、ユーザーごとの細かい情報が把握できるので、見込み客の興味度に応じたマーケティング活動が行えます。

「ホームページ経由の問い合わせが少ないから営業部門へ案件をパスできない」といったケースも、ホームページの改良だけが対策の方法ではありません。MAツールの機能を活用すれば、「メールアドレスを獲得している見込み客に対して新サービスの告知を行う」などの幅広いアプローチが可能になります。さらに、告知メールを開封したかどうかもチェックできるため、ユーザーの行動に合わせたマーケティング活動を行い、ユーザーの購買意欲を高めることができます。

リードナーチャリングの重要性

インターネットやソーシャルメディアの発展によって、ユーザーは数多くの情報を手に入れるようになりました。そのため、従来よりも商品の購入までに時間がかかり、商品やサービスの認識から購入までのスパンが長期化しています。とくにBtoB企業や単価が高い商品はその傾向が顕著です。

商品やサービスを購入するまでの行動も複雑です。店頭で見た商品はSNSなどを利用して口コミをチェック、さらにネットの比較サイトで価格を比べたり、個人ブログの情報を調べたりと、複数のチャネルを渡り歩いてからの商品購入という流れは、もはや一般的になっています。

従来の営業のように、営業マンが商品の紹介から購入までをすべてフォローするような営業スタイルの継続は、はほぼ不可能といえるでしょう。このような現状のなかで、顧客を中長期的に育成できるMAを活用したリードナーチャリングの有用性が注目されています。

リードクオリフィケーション

見込み顧客の選別を意味するリードクオリフィケーション。購買までのプロセスが複雑化している現在では、従来のように興味度が曖昧な見込み客を営業部門に引き継いだり、逆に興味度合いの高い見込み客を放置したりするような方法では、インサイドセールスによる効果は期待できなくなっています。

MAツールのスコアリング機能は、商談に結びつきそうなホットリードを自動的に選出します。営業が個別に判断していたニーズの有無も、スコアリング機能や分析機能を活用した可視化によって、個人の主観ではなくデータに基づく現実的な判断が可能です。

マーケティング部と営業部の認識をすり合わせておけば、営業が提案するホットリードの条件に合ったユーザーだけをパスできるため、成約率のアップも見込めるでしょう。なお、アラート機能を使えば、一定以上のスコアに達したリードや特定の行動を起こした見込み客をリアルタイムで営業に知らせることも可能です。

スコアリング機能を活用したホットリードの抽出は、質の低い案件に要する時間の削減にも繋がります。また、MA導入後も、ホットリードの合致率と成約率を分析しながらスコアリング機能をブラッシュアップすることで、MAツールの精度がよりいっそう高まります。

リード管理

獲得した見込み客のデータを、いかに顧客へと導くのか。そのリードマネジメントを効率的に続けるためにも、MAツールの顧客分類管理や、ユーザーごとの興味度を可視化できる機能が大いに役立ちます。活用次第では、さらなる営業活動の活性化や効率化に繋がっていくでしょう。

従来のリード管理では、ニーズの高かった企業へのアプローチはできても、長期的な購入を検討している企業に対してはアプローチが継続できずに、多くの情報が埋もれてしまうケースが少なくありませんでした。しかし、MAツールを活用すれば、今まで接点があった顧客をリード管理機能でフル活用することができます。

マーケティング手法が大きく変化した現状では、情報を欲している質の高いユーザーをどれだけ囲い込めるかが重要です。ニーズの刈り取りだけではなく、購買の意志がわずかでもある顧客情報の適切な管理を継続すれば自社製品の購入に繋がります。

分析とPDCAサイクルの運営

MAは運用を開始したらそれで終わりではなく、施策実施後の結果分析や現状分析、評価などを総合的な視点から判断しなければいけません。期待していた効果が得られなくても、分析を繰り返すことで結果に結びつきやすくなっていきます。

主な評価の流れは下記のようになります。

  1. ターゲットとしている顧客にブレはないか、問題がある場合には改めて明確にする
  2. 自社の方向性と顧客との間にあるギャップを確認しながら、顧客のセグメントを特定する
  3. 特定した顧客セグメントに対するシナリオを作成
  4. 上の結果を元に、PDCAを回す

ただし、すべての工程で時間をかけすぎていると受注チャンスを逃しかねません。できれば、3のシナリオ作成にはあまり時間をかけず、仮説レベルで運用するスピード感をもって回すぐらいがちょうどいいでしょう。

いずれにしても、MAを導入した目的や、MA導入によってどのような効果を期待していたのかを、運用後もブレないようにしながらターゲットを絞り、主導線となるシナリオを決めていく方法が王道です。スコアリングやシナリオの設計に使う時間は最小限にし、できる限り高速でPDCAを回していきましょう。

マーケティングオートメーションをフル活用するためには

MAツールを導入するのなら、使える機能はすべて活用して営業向上に結びつけたいものです。ここでは、MAをフル活用するためにはどのような準備やどのような運用方法をしていけばいいのかを詳しく解説していきます。

導入目的を明確にする

なんとなくMAツールを導入しても成果に結びつく事はありません。たとう実運用後であっても、MAを導入した目的は常に明確にしておく必要があります。運用後にブレが生じるような場合は、焦点を絞ることによってMAの導入目的が明白になりフル活用するために必要な機能を選別できるはずです。

MA導入目的の明確に(運用後も再確認)する

・商談創出数の増加
・創出した商談の質向上
・保有している見込み顧客情報の有効活用
・生産性向上(自動化)

MAの導入目的が明確になれば、自然とKPIやKGIの設定にも結びつきます。

適切なKPIとKGIの設定

まずは、KPIとKGIの意味ついて簡単に解説します。

KGI(Key Goal Indicator)

「重要目標達成指標」などとも呼ばれますが、要は「目指すべきゴール」のことです。目標が達成できたのかどうかの判断基準は曖昧なものではなく、数値で客観的に判断できる要素を設定するのが一般的です。

MAのKGIとしては、下記のようなものが使われます。

  • 創出された売上の比率
  • 創出された売上
  • 創出された商談数
  • 案件化率と受注率
  • コンバージョン獲得単価
  • 顧客獲得単価
  • トータルコスト

このように、創出された売り上げやシェア率をKGIに採用するケースがほとんどです。なお、KGIを設定しないでマーケティング活動を行った場合、明確な目的や改善ポイントが明らかにならないため、マーケティング施策の決定や見直しをする際に判断のブレが生じやすくなります。

KPI(Key Performance Indicator)

「重要業績評価指数」、つまり、「ゴールへの進捗を示す指標」のことです。最終的な目的を達成するまでの中間地点といったイメージになります。

MAのKPIとしては、下記のようなものが使われます。

  • 創出された商談数
  • コンバージョン獲得単価
  • 顧客獲得単価
  • 自社サイトへのアクセス数
  • メール配信数、開封率、URLクリック率
  • スコア◯○点以上のユーザー数
  • シナリオ作成数
  • 特定キャンペーンへの申込数
  • 保有リード数

このように、MAで使われるKPIは、アクセス数や問い合わせ件数を使用するケースが多くなります。なお、MAの初期設計では、コアターゲットやステータスの定義もあるため、そのような定義に関しては初期設定で行なうのが一般的です。

KPIを設定しないでマーケティング活動を行った場合、最終的な結果の判断をKGIだけで判断することになるため、PDCAを回すタイミングが遅れるうえに、原因や改善点が曖昧になるという問題が起こりやすくなります。

いずれにしても、KPIとKGIを設定することによってMAの導入目的がより明確になるだけではなく、目標達成の判断精度が高まり、達成までのスピードも早くなることには間違いはありません。なお、MAの効率的な運用や営業活動のためには、KPIとKGIの定期的な見直しも重要です。

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が「自社製品やサービスを認知した段階から発注まで」の間に生じる感情や行動を、時系列に沿って可視化したものです。

カスタマージャーニーマップがなければ、ユーザーの心理行動に則したマーケティング活動が行えません。MA導入の効果も半減してしまうでしょう。たとえば、解決策を模索しているユーザーに自社製品のキャンペーンメールをいきなり送っても、見てもらえる可能性が低くなるのは当然です。場合によっては、ユーザーの感情に合わないキャンペーンメールを送ってしまい逆効果になることもあります。

売り手の考えだけではなく、各ユーザーの興味度合いや行動心理に合わせたマーケティング施策を行いつつ、MAの導入効果を高めるためにも、カスタマージャーニーマップの作成は欠かせません。

カスタマージャーニーマップの作成方法

まずは、ターゲットの人物像を具体的に想定してみます。所属している部署や会社での役割、周囲からの評価だけではなく、休日の過ごし方や家族構成なども含めた詳細なペルソナ設定が、効率的なマーケティング活動の実現を叶えます。

次に、想定したペルソナが自社製品を認知してから実際に購入するまでのフェーズを細分化していきます、MAの実運用段階では、フェーズに応じたアプローチをする必要があるため、フェーズの細分化はMAを運用する前に行ってください。

フェーズ細分化の例

フェーズ1:無関心
フェーズ2:認識
フェーズ3:ニーズの高まり
フェーズ4;課題模索
フェーズ5:用件定義
フェーズ6:導入検討
フェーズ7:業者選定
フェーズ8:購入

BtoCの場合には衝動買いもあり得ますが、BtoBでは購入までのフローが長くなる傾向があります。そのため、実際に情報収集から購入決定を行うまでの導入フローも想定しておきましょう。製品購入までのフローは業界やターゲットによって異なるため、自社内で分析をしっかりと行ったうえで、フローを想定しなければいけません。

導入フローを想定したら、次は購買担当の行動を具体的に想定します。この想定によって、最適な販促方法やアプローチの手段を検討できます。

製品購入までのフロー想定例

フェーズ1:無関心
ネットで情報検索、各社の公告や個人ブログ、口コミなどを閲覧して情報収集段階。自社サービスについてはあまり関心がない

フェーズ2:課題認識
社内での相談開始、メルマガ登録

フェーズ3:ニーズの高まり
資料の請求、セミナーへの参加

フェーズ4:解決策模索
実際の問い合わせ、自社内での改善が可能かどうかの確認

フェーズ5:用件定義
担当部署のヒアリング、書類作成

フェーズ6:導入検討
各社のサイトで製品の詳細情報や導入事例、口コミなどを確認

フェーズ7:業者選定
サイトで発注から導入までの流れを確認、会社概要のチェック

フェーズ8:購入
サポートページの閲覧、商談

続けて購買担当のフェーズによる感情の違いも想定し、具体的なアプローチ方法へと結びつけていきましょう。

フェーズ1:無関心
現状を改善する方法について情報を収集している段階。最新の製品に関する情報が知りたい。

フェーズ2:課題認識
現在使用している製品は導入してから10年以上経過しているので、検査基準を満たしているのか不安。不具合の多発も気になる。新製品が気かがり。

フェーズ3:ニーズの高まり
この製品はどういったものか? この製品を導入した場合のメリットとデメリットを詳しく知りたい。

フェーズ4:解決策模索
製品を導入する際のチェックポイントはどこか? 製品を導入した際に、どのような効果が期待できるのか?

フェーズ5:用件定義
要件定義の際に気をつけるポイントは?

フェーズ6:導入検討
自社の社員に使いこなせるか?

フェーズ7:業者選定
導入後のアフターフォローはどうか?会社は信頼できるだろうか?

フェーズ8:購入
操作方法でわからないところがある。同商品の他社活用事例が気になる。

このような想定はコンテンツの作成にも役立ちます。なぜなら、ユーザーの興味度合いや検討段階によって閲覧するコンテンツの内容は大きく変わるからです。ユーザーのフェーズに応じたコンテンツがなければ、その段階でユーザーは離脱してしまうので契約には結びつきません。

MAツールを使えば、ユーザーの行動解析やスコアリングによって興味度合いを見極められ、自社を訪れているユーザーのフェーズ想定にも役立ちます。コンテンツ不足があれば早急に改善して、各フェーズに対応できるようにしていきましょう。

いずれにしても、自社の不足しているコンテンツを洗い出し、効率的なマーケティング活動へと繋げるカスタマージャーニーマップの作成は、MA運用において極めて重要です。自社に適したカスタマージャーニーマップを作成して、MA運用の効率を高め、売上向上へと結び付けていきましょう。

マーケティングオートメーションツールの比較ポイント

MAツールの導入を決めても、数多くのMAがあるためどれを選べばいいのか悩んでいる担当者も多いと思います。

ここでは、MAツールを導入する際の比較ポイントを詳しく紹介していきます。MAツールにはさまざまな特性があるので、ここで紹介する各ツールの特徴や比較ポイントを意識しながら、自社に最適なMAツールを選択してみてください。

搭載機能

MAツールの比較では、搭載されている機能を自社の目的を合わせてチェックすることが重要です。

初めてMAを導入する場合は多機能なもの選びがちですが、機能の種類が多ければ成果が上がるといった類のツールではありません。MA導入の目的を明確にしたうえでMAツールの機能を選択しましょう。

また、MAツールには、それぞれ「特性」があります。たとえば、メール配信に特化したMAツールを導入しても、シナリオの実行やリード管理の効率化はできません。各MAツールの特徴は、自社の問題点解決に役立つのかどうかをしっかり確認してください。どのようにマーケティング活動を効率化したいのか、導入前に具体的な問題点をピックアップしておけば、MAツールの特性を生かした効率化や人的削減効果が期待できます。「多機能だから」という理由での選択は、高確率でMA運用の失敗に繋がるので注意が必要です。

なお、MAツールは、大きく分けて3つのタイプがあります。

タイプ1:コンテンツマーケティング型

興味度合いの低い見込み客の大量獲得に効果を発揮するタイプです。デジタル上でメディアを作成してロングテールによるSEO対策を施しながら、MAで興味度合いを高めてホットリードに育てていきます。

ただし、メディアに向けた記事を常に作成し続けなければいけないので「工数が多くなる」というデメリットがあります。コンテンツマーケティング型を活用するには、潜在的顧客に対して刺激を与えるようなコンテンツを考え、週に2回から3回の頻度でメディアにアップしなければいけません。

さらに、記事にはロングテールのキーワードを入れる必要があるため、人的リソースが不足してしまうケースも目立ちます。場合によっては、記事の作成を外注することになり膨大なコストがかかるという結果にもなりかねません。

タイプ2:メールマーケティング型

顧客へのメール配信に特化したタイプです。ターゲットのセグメントを細かく設定でき、適切なメールを適切なタイミングで配信できます。ただし、スコアリングの範囲が狭くなり行動追跡ができないため、ホットリードの特定が難しくなるというデメリットがあります。

タイプ3:インテグレーション型

他ツールとの連携や統合することで、広範囲にわたるシナリオの設定やスコアリングが可能です。ただし、他のツールとの連携が必須となるので工数やコストがかかります。

使いこなせるかどうか

高度で複雑な機能があっても、自社内に使いこなせる人材がいなければ意味がありません。MAツールを適切に運用していくためには、人的リソースの確保が大変重要です。

MAツールは、導入さえしてしまえば、あとは自動的に何でもやってくれるツールではありません。シナリオやスコアリングの設定、導入後の分析や万が一の事態が発生した場合のサポートなど、安定したMAの運用を続けるためには、MAのさまざまな機能を使いこなせる人材の確保は必須です。仮に人材を確保できたとしても、本当に使いこなせるのかどうか、MAの導入前に運用のシミュレーションしてみることをおすすめします。

サポート体制

万全の体制でMAを 導入したつもりでも、実際に運用してみなければわからないことは多いものです。そのような事態が発生した場合にサポートを受けられるのか、どのようなサポート体制を提供しているのかなども大事な比較ポイントといえます。

MAツールによっては個別に導入支援や運用支援を行っている企業もあるため、支援サービスの利用を前提とした導入もひとつの方法でしょう。ただし、支援サービスを利用する場合でも、自社内でPDCAを回しスキルを積み上げていかなければ、MAツールを活用して継続的な効果を上げることばてきないので注意しましょう。

BtoBかBtoC

BtoBとBtoCでは、適したMAツールが異なります。この両者はビジネスモデルの違いだけではなく、購買者と決裁者が違います。BtoCでは購買と決済の意思はひとりで決めますが、BtoBでは複数人の合議制による意思決定が行われるからです。

商品の決定から購入までのプロセスの違いは、営業活動の違いにも現れます。MAツールも同様です。BtoBかBtoC、それぞれに適した特性のあるツールを使用しなければいけません。

たとえば、対応する顧客の数は圧倒的にBtoCの方が多くなるでしょう。その一方で、リードナーチャリングに時間をかけるのなら、BtoB向けMAツールの選択が必須です。このように、MAツールを比較検討するときには、各ツールの特性をしっかりチェックして、自社に適しているかどうかの確認をしなければいけません。

ここで、BtoBかBtoC、それぞれのビジネスモデルの違いを改めて確認してみます。

BtoBBtoC
購入するまで 長い 短い
顧客数 多くて1万人前後 数万から数百万
購入動機 投資、経済的合理性 個人的

自社のビジネスモデルがどちらに適しているのかを考慮し、自社の営業スタイルに特化したMAツールのなかから比較検討していきましょう。

運用コスト

MAは導入後のランニングコストがかかります。毎月の利用料はもちろん、メンテナンス費用や各ツールの使用料も必要です。

MA導入後の主なコストを確認してみましょう。

初期コスト

  • コンテンツ作成
  • 初期設定
  • 操作方法の研修
  • 運用テスト

運用中の費用

  • 広告宣伝費
  • 各ツールの使用料
  • メンテナンス
  • コンテンツ追加作成

導入だけでも大きなコストがかかるMAですが、価格の安さだけで比較するのではなく、費用対効果を考えた選択が重要です。コスト面だけでMAツールを選べば、運用に失敗する可能性が高くなってしまいます。たとえば、メール配信ツールの利用料が高額でも、配信数が無制限なら大きな効果が期待できる企業もあるはずです。安価なMAツールの場合、一般的なメール配信システムとほとんど変わらない程度の機能しか有していないこともあります。

また、月額利用料が安くてもサポート体制が貧弱であれば、安定した運用は難しくなるでしょう。

マーケティングオートメーションのデメリット3つ

MAツールにはデメリットも存在します。MAの導入前にデメリットを知っておけば、運用後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することもなくなるはずです。

ここでは、MAについて勘違いしがちなイメージも含めて、MAの主なデメリットを3つ解説していきます。

必ず効果が出るとは限らない

MAを導入すれば必ず売り上げアップに繋がるわけではありません。MA機能の設定や使い方に誤りがあったり、導入目的が不明瞭だったりすれば、思うような成果は得られないでしょう。

成果が出るまでに時間がかかるのもMAのデメリットといえます。なかでも、リードナーチャリングにはどうしても時間がかかるため、コンテンツの作成費用や人件費などのコストが先行してしまうケースも少なくありません。この段階でMAの運用を断念する企業があるかもしれませんが、それではすべてが水の泡となってしまいます。MAツールの導入による最終的な評価は、長いスパンで判断する必要があるでしょう。

スコアリングの難易度が高い

MAツールの代表的な機能ともいえるスコアリングですが、売上向上を必ず実現できる魔法の杖ではありません。各項目や配点、ホットリードとみなす基準などの設定はすべて人の手で行う必要があります。各種設定には高度な技術とノウハウを要しますので、スコアリングの機能を使いこなせる運用担当者の確保は必須です。

どうしても人材確保が難しいという場合には、運用支援サポートの利用も検討してみましょう。せっかくの機能も使いこなせなければ意味がないので、まずはMAの運用を軌道に乗せることが肝要です。

コンテンツの拡充は必要不可欠

質の高いコンテンツを作るには、それなりの労力や人材、コストが必要です。コンテンツは定期的に更新、改善する必要があるので、年間で考えれば大きな出費です。しかし、顧客の興味度合いやフェーズに応じたコンテンツが用意されていなければ、その時点でマーケティング活動の流れは分断してしまいます。

どんなに優れたMAツールを導入しても、自社のコンテンツに興味を持ってもらえなければ成約には結びつきません。自社の最新やサービスに興味を抱いてもらえるような魅力あるコンテンツがあってこそ、MAツールを利用したマーケティング施策は回るのです。

マーケティングオートメーション導入に失敗する理由

MAを導入しても思ったような成果が出ないことも少なくありません。しかし、運用に失敗する原因がたいてい決まっています。そもそも、「話題だから」「他社が導入しているから」などといった不明確な理由でMAを導入してしまえば、適切なKPIやKGIもわからずにMAの運用が軌道に乗りません。

ここでは、MA運用を失敗しがちな企業の特徴をチェックしていきます。MA導入を検討している人や、現在運用がうまくいっていないという運用担当者は、ぜひ参考にしてください。

導入前の準備が不足している

コンテンツの不足やSEO対策がなっていなければ、MAを導入しても成果はほとんど得られません。思うような結果が伴わずに、顧客を集客するためのコンテンツ作成費用が追加で必要になるケースも目立ちます。

また、分析や管理を行う他ツールとの連携を導入前に計画、設計しておかなければ正確な効果を測定できず、追加で他ツールを購入するためコストが高くなるなどの原因になります。

いずれも、MA導入前に準備をしておけば防げるケースです。「とりあえず導入してから考える」ではなく、導入前の計画、設計、さらに、知識の蓄積こそが、MAのスムーズな運用の手助けになります。

なお、下記のようなケースでは、MAの導入による効果はそれほど期待できないので注意してください。

  • そもそも見込み客が少ない
  • 魅力あるコンテンツを作るノウハウがない
  • ホットリードにアプローチできるインサイドセールス部隊がない

このような場合は、まずMAが機能する条件を整えるところから始める必要があります。

シナリオの設計に無理がある

MAの特徴的な機能ともいえる「シナリオ設定」ですが、導入当初から複雑なシナリオを作ってしまうとPDCAがうまく回らず運用が軌道に乗らないケースも少なくありません。また、設計したシナリオの本数が多すぎても結局はPDCAが回せません

MAのシナリオは、本数の多さや工程の複雑さが成約率のアップに比例するわけではないのです。はじめはシナリオの本数を絞り、質の高さを重視したシンプルから実践していきましょう。

部署間での連携がとれていない

マーケティング部と営業部の連携が取れていなければ、的外れなコンテンツやスコアリングの誤算が発覚せず、営業がアプローチしてみても思ったような成果が得られません。

マーケターが「ホットリード」と弾き出して営業にパスしても、案件が決まらなければ営業からは「質の低い案件が回すな」とクレームが発生し、マーケティング部側からは「優れた案件を渡しているのに、なぜ決まらないのか」と不満が噴出して、両部門間での対立が生じる可能性もあります。

人材不足

多機能な活用幅の広いMAツールですが、逆にハイスペックすぎるために使いこなす人材が不足してしまう企業も珍しくありません。MAは、「導入すればあとは自動的に何でもやってくれるツール」ではないのです。どの顧客に、どのタイミングで、どのような内容のメールを送るのかを考えるのは、MAではなく人間です。ここでの設定を誤れば、どんなに優れているMAツールでも迷惑メールを送信するだけの機械になってしまいます。

MAツールで効果的な営業成果を上げるためには魅力的なコンテンツが必要ですが、この作成にも高い技術とノウハウを持った人材が必要です。「人件費削減のために導入したMAツールなのに、いざ運用してみたら人材が足りず運用を断念することになった」という悲惨な結果にもなりかねません。このような悲劇を避けるためにも、MA導入前に「適材適所」を徹底しておくことをおすすめします。

マーケティングオートメーション導入に失敗しないために

まずは、MAの導入前に、下記の3点について再確認しましょう。

  • 完全自動化はできない
  • 人的リソースの確保は必須
  • 運用にはそれなりにコストがかかる

ただし、大企業と同じように予算を組めないからといって、MAの導入を断念する必要はありません。中小企業と大企業ではターゲットも異なりますし、そもそもの運用目的も違ってくるはずです。

すぐにでもMAを活用したいがノウハウがないという場合には、MAの導入、運用支援サービスの活用も視野に入れてみましょう。各社でサポート内容や料金は異なりますが、一般的には初期設定からシナリオの設計、運用後のさまざまなトラブルに対応してくれます。

どうしても人材の確保ができない、あるいは自社で対応できない場合にも、運用支援サービスは有用です。支援サービスを利用する場合には、どこまでコストをかけられるのか、費用対効果を意識して利用を検討する必要があるでしょう。

また、運用支援サービスに丸投げにしていては、自社のスキルアップに繋がらないばかりか、MAを運用する限り利用料がかかってしまいます。運用支援サービスに依頼する内容は、どうしても自社では対応できない部分に絞り、総合的なコストを削減しながら自社内でPCDAを回していくことが肝心です。

マーケティングオートメーション活用に役立つ本9選

ここでは、初心者に役立つ本から戦略に役立つ方法、また具体例を知りたいときに役立つMAツールを活用するための書籍を紹介します。レベルに応じた本を手元に置いておけば、MA運用で迷ったときのバイブルとして活用できるはずです。

MA初心者に役立つ本3つ

『マーケティングオートメーション入門』

著者:電通イーマーケティングワン
出版社:日経BP

MAに関する初歩的な説明から、リードの評価、選別の方法まで、実際に活用できる充実した内容が魅力の1冊です。MAの入門書としては大変優れているので、初めてMAに関する書籍を購入するという人にもおすすめできます。もちろん、MAの基本をすでに理解しているけれど、さらに活用の幅を広げていきたいという人にとっても参考になるはずです。

とくに、ペルソナの設定やシナリオとコンテンツに沿ったスコアリングの設計、カスタマージャーニー設計について多くのページを割いているため、それぞれの具体的な設計方法を知ることができます。なお、内容的にはBtoB向けとなっているため、BtoB業界でMAに興味があるなら読んでおきたいところです。

『BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門』

著者:岡本 泰治、橋野 学
出版社:インプレスR&D

セグメントごとにシナリオを設計し、チャネルを横断したコミュニケーションを実行するCCCM (クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)。この本では、CCCMの基礎知識から選定、運用に至る高度なテクニックまで幅広く網羅したCCCM初心者向けの教科書といえます。

これまでのマーケティング手法とは異なる、One-to-Oneマーケティングを初歩から学びたい人は、ぜひ一度読んでみてください。

『BtoBマーケティングの基本』

著者:ITproマーケティング
出版社:日経BP

MAの基本や運用方法を学ぶというよりも、BtoBマーケティングそのものを学ぶための書籍です。MAの機能や使い方を知ることも重要ですが、MAの効果的な運用のためには、そもそもBtoBとはどのような考え方で、どのような手法なのかを理解しておく必要があります。

各節では、マーケティング手法やマーケティング施策についてのポイントを船井総研やアクセンチュアなどのプロが丁寧に解説しています。動画や漫画がマーケティングに役立つか、MAの導入では、どのプロセスを自動化できるのかなどの楽しい話題も豊富です。BtoBマーケティングの具体的なアクションやノウハウを知っておきたいという人なら、手にしてみる価値はあるでしょう。MAの導入では、どのプロセスを自動化できるのかなどについても詳しく理解できます。

MAの戦略策定に役立つ本3つ

『The Customer Journey(ザ・カスタマージャーニー)』

著者:加藤希尊
出版社: 宣伝会議

MA運用を成功させるためには欠かせない「カスタマージャーニー」に的を絞って解説している1冊です。ANAやレクサス、ネスレなど30社が実践している顧客起点マーケティングの方法論や実践論が学べるほか、カスタマージャーニーマップの製作キットも付属しています。

第8章の「30ブランドのマーケターが考える実践的なカスタマージャーニー」だけでも読む価値があるほど。カスタマージャーニーの作成で悩んでいるなら、ぜひ本書を選択してみてください。

『マーケティングのKPI「売れる仕組み」の新評価軸』

著者:上島千鶴
出版社:日経BP

マーケティング活動の効果測定方法は担当者の大きな悩みですが、この本では、リードをベースとした評価軸や、組織全体のマネジメントという視点で考察したKPIを論理的にまとめています。

著者の上島氏は『Web来訪者を顧客に育てるリードナーチャリング』も執筆している、リードナーチャリングの第一人者ともいえる人物。「リード」の概念を解説や、属性、各状態の違い、ベースにした評価方法のほか、計算式や定義なども詳しく解説しているので、KPIについてひととおり学んでおきたいという人にもおすすめです。また、組織的なマーケティングにも触れられているため、MAだけではなく、マーケティングに関わっているすべての人に活用できる1冊といえます。

『マーケティングオートメーション 最強の導入手法』

著者:小池 智和
出版社: KADOKAWA

「MAを活用するにはCRMとの連携が不可欠」をテーマに、MA×CRMの理想的なマーケティングを実践する方法と考え方を解説しています。

1000社以上のMA導入支援実績を持つ、当社の代表である小池が執筆しております。「とりあえず」MAを導入したために失敗した企業は決して少なくないと警鐘を鳴らす著者が、MAをCRMと連携運用させる重要性を説きます。MAとCRMを連携させた実践的な活用方法と考え方も解説しているので、MAを導入してみたけれど、思うような成果が出ないと悩んでいる方には最適な1冊です。

MA活用の具体的事例を知りたいときに役立つ本3つ

『最新Webマーケティング2019 ~解説と事例でわかるITの今』

著者:Web Designing編集部
出版社:マイナビ出版

Webマーケティングの基本を理解している上級者におすすめの1冊です。運用担当者の目線で実運用時の気になるポイントや知識を系統立てて解説しています。毎年発行されるので、最近のトレンドを知っておきたいという担当者には最適。AI、動画、UXなどについても取り上げ、それぞれわかりやすくまとめているのも特徴です。

『「分析」で成果を最大化する BtoBビジネスのデジタルマーケティング』

著者:中田 義将
出版社:幻冬舎

マーケティング担当者であれば、他社の成功モデルや失敗パターンは気になるところですが、本書ではBtoB業界で成功を収めている7社の成功事例を紹介しながら、成功に導くための方法論を解説しています。

著者は数多くのマーケティングコンサルタント実績があるため説得力があり、しかも、平易な文章で読みやすいという特徴もあります。成功のための具体例を学び、自社にも取り入れたいという人にもおすすめです。

『できる100の新法則 実践マーケティングオートメーション 会わずに売れるリード育成法』

著者:永井俊輔
出版社:インプレス

オープンソースのMAツールを使ってMAを実践してみようという内容の1冊。MAツールの設定からリードナーチャリングやスコアリングまで、MAツールを実際に操作しながら学べます。実践重視の本ですが、MAの基本的な知識も丁寧に解説されているので、MA運用担当者なら手元に置いておきたい1冊です。

著者の永井氏は経営者兼マーケターとしてMAを駆使してきた株式会社クレストの代表取締役社長。MAツールにより会社を成長させてきた著者ならではのノウハウが詰まっています。

マーケティングオートメーションのセミナーとは

セミナーに参加して、実際にMAの運用に関わっている人の話を聞くことは大変有用です。ただし、特徴やテーマはセミナーによって異なるので、いろいろなセミナーに参加すれば、MAの基礎から実践的な活用方法まで幅広い知識を身につけられます。

MAに関わるのであれば、コンサルティング会社やツールベンダーなど、セミナーの主催元を問わず参加しておくといいでしょう。MAだけではない包括的な知識を得ることで、MAツールの実運用に使えるアイデアが思い浮かぶかもしれません。

MAツールベンダーが主催するセミナー

MAツールの開発会社や販売会社が主催するセミナーです。MAの導入事例などを詳しく知ることができます。他社ではどのようなタイプのMAを取り入れ、どのように活用しているのかなど、MAツールの具体的な活用方法を知りたい場合には参加してみるといいでしょう。

コンサルティング会社が主催するセミナー

デジタルマーケティングを総合的にコンサルティングする企業が主催します。インサイドセールスやMAツールの入門講座から、デジタルマーケティングのトレンドまで、幅広い内容のテーマを取り上げたセミナーが特徴です。

メディア会社が主催するセミナー

ウェブメディアや出版社が開催するセミナーです。最新トレンドや成功事例などを聞けるのが特徴です。地方開催など大型イベントや定期化されているセミナーもあるので、マーケティング最先端の話題を知りたいときには役立つでしょう。

イベントを紹介するポータルサイト

企業だけではなく、個人が運営する講座や勉強会などの情報を集めているポータルサイトもMAに関わるセミナーを開催することがあります。各セミナーのタイトルを比較できるので、多彩なテーマから選択したいときなどに活用できます。

マーケティングオートメーションの市場規模と今後の展望

国内におけるMAの市場規模

矢野経済研究所の発表によると、2016年の市場規模は約245億4,500万円、2017年には301億9,000万円になると予測しています。また、ITR社の発表では、2016年に市場規模が59.7%の増加、2017年には約140億円に達するとの予測です。

両者の数字には倍以上の差があるため、正確な市場規模に関しては判断が難しいところですが、「MA市場は今後も成長していく」という点は間違いのないところでしょう。AIの活用でデータの分析の速度も上がり情報の鮮度もますます高まっていく現状と、分析技術や機動性の高いMAツールのとの親和性は、ますます高まっていくものと思われます。

また、Nexal社が2017年5月に実施したクローリングによる調査では、国内33万社のなかでMAを導入している企業の割合は0.5%、上場企業に絞ると4.3%となっています。
なお、導入率の高い上位3グループの業種は下記です。

  • 情報通信、広告、マスコミ
  • 製造、機械
  • 卸売、小売業

この3グループだけで、全体の約6割を占めています。

いずれにしても、MA導入の流れは不可逆性と推測されます。以前のような営業スタイルに戻るとは考えにくく、今後はさらなるAIの進出によって市場がより洗練され、それと同時にMAの市場規模も拡大していくでしょう。

従来の営業スタイルは飛び込みや電話を使ったものが主流でした。しかし、ネットが普及した現在では顧客のニーズをより正確に把握するために、Web上の顧客行動を解析、予測できる優れたシステムの導入が必要不可欠になるはずです。従って、日本国内でもMAを導入する企業は今後も増加していくものと予想されます。

また、MAの市場規模拡大に従い、すでにMAを運用している他社との差を埋めるため、MA導入を検討していく企業も増えていくでしょう。

海外におけるMAの市場規模

米国に目を向けてみると、BtoB事業者の間では早くも2000年代からMAの導入が広がり始めています。米のコンサルティング会社Marketsand Marketsが2014年10月に発表したMAの市場予測によれば、米国内で2014年には約36億ドルだった市場規模が、2019年には55億ドルにまで成長したとしています。

本当にマーケティングオートメーションを導入するべきか

MAを導入するべきかどうか悩んでいる担当者も多いと思いますが、MAの導入前には費用対効果をしっかりと検討する必要があります。

まずは改めて費用を確認します。

  • MAの初期構築費用
    ツールやベンダーにもよりますが、数百万円から、場合によっては1,000万円を超えることもあります。
  • 運用費用
    毎月必要になる費用です。固定費用と従量制の費用があります。

次に、MA導入による効果を考えます。

・売上
MA導入によって創出される金額です。直接的な寄与だけではなく、間接的な寄与も含めて考えます。

・KPI
申込数や申込率など、ビジネスプロセス上のKPIを設定して、売上に換算します。

・削減効果
MA導入によって削減された工数から人件費を計算し、導入効果とします。

MA導入前の具体的な費用対効果の検討は大変重要です。見込み客が少なかったり、サイトの規模が小さかったりすると、費用対効果が見合わないこともあります。場合によっては、リードジェネレーションにMAを使った方が費用対効果を得られるケースもあるため、導入前の検討段階でKPIを設定することは大切です。

正確な費用対効果の算出は難しいですが、何もしないで導入する企業も少なくないため、「だいたいの目安」でも構わないので見積もっておきましょう。

正しい知識と準備がMA導入成功のカギ

マーケティング手法も日々変わっていき情報収集の手段も今変化していきます。従来の営業スタイルを続けていれば、やがては進化に追いつけなくなってしまうのは明白です。ただし、本記事でも繰り返し述べたように、MAを導入すれば必ず成功に繋がるわけではありません。

MA導入を検討している企業はもちろん、導入するかどうかは未定という企業も、早い段階からMA導入に向けた準備やノウハウの蓄積が何よりも重要となります。

投稿者プロフィール
マーケティングチーム

マーケティングチーム(Marketing Team)

マーケティングオートメーションの導入・活用支援を提供するtoBeマーケティングの自社マーケティングチームが、MA導入検討者様にお伝えしたい「マーケティングオートメーションの魅力や関連情報」をお届けいたします。


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