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お客様へのリマインドも楽々!Account Engagementのシナリオで顧客通知を効率化

author MAnavi

date 2023.12.19

update 2023.12.19

tags Pardot

tags  Pardot 使い方, マーケティングオートメーションツール, 活用Tips

はじめに

顧客とのコミュニケーションの中でも、顧客体験を向上させるために意外と重要なのが「リマインド」や「通知」です。

例えば、車検の4ヶ月前に車両情報をリマインドすれば、顧客は準備に余裕を持てます。
または、サブスクリプションサービスの自動更新期限1ヶ月前に通知をすることで、顧客は契約の継続やキャンセルについて適切に決定できます。
これらの通知は、顧客サービスの質の向上につながり、サービスの満足度を高めます。

顧客体験を高める適切なリマインドを、自動化と個別対応のバランスを取りながら効率的に実現できるのが、Account Engagementの機能の1つである「Engagement Studio」です。

この記事では、Engagement Studioを使用し、顧客へ更新案内の通知を送る事例をご紹介します。

Account Engagementのシナリオ

Account Engagementのシナリオとは

Account Engagementのシナリオは、顧客関係管理とコミュニケーションプロセスの自動化および最適化を目的とした機能です。
「Engagement Studio」を活用し、顧客の反応や嗜好に基づいて通知を作成・送信します。これにより、顧客に対してタイムリーなコミュニケーションを提供し、顧客満足度の向上と長期的な関係の構築を実現します。

Account Engagementシナリオの基本概要

Account Engagementのシナリオは、Engagement Studioを利用して「アクション」「ルール」「トリガー」を組み合わせ、効果的な顧客コミュニケーションのシナリオを作成できます。
「アクション」には、メール送信や営業への通知などが含まれます。
「ルール」と「トリガー」を利用してシナリオを分岐させ、より精度の高い顧客エンゲージメントを実現します。
このプロセスにより、例えば、車検のリマインドやサービスの自動更新通知など、重要な情報を顧客に適切なタイミングで届けることができます。

次のセクションでは、Engagement Studioを活用した具体的な事例を通じて、このシナリオが実際のビジネスにどのように役立つかを詳しく見ていきます。

事例紹介

今回は、サブスクリプションサービスで実施された効果的な自動更新通知シナリオの事例をご紹介します。
このサービスは、解約申し入れがない限り、契約が自動で1年ごとに更新される仕組みです。

契約更新の課題とシナリオの必要性

契約者数が少ないサービスの場合、契約更新の案内を手動で行うことも可能ですが、仮に対象が100社を超えるとこの作業は膨大な労力を要します。
さらに、すべての顧客に一律でメール対応をするにはリスクが伴います。なぜなら、中には特別な対応が必要な顧客も存在するためです。そのため、営業が個別に対応できるような仕組みも必要です。

シナリオの作成のポイント

  • シナリオではスタティックリストを使用します。ダイナミックリストだとプロスペクトがリストの条件から外れるとシナリオからも外れ、再度リストに追加された場合はストップした箇所から再開されるので、シナリオの管理が難しくなります。
  • プロスペクトの商談の状況を条件に使用するため、商談の取引先責任者の役割に、更新案内メールの送信対象者を設定します。
  • 基本的に全顧客をシナリオの対象リストに設定し、条件分岐でメールを送るかどうかを決定します。
  • アクションは複雑にせず、同じ要素を分岐ごとに設定します。
  • シナリオに一度入ったプロスペクトは、シナリオ終了時に受信者リストから削除される必要があります。その後、再度更新契約のタイミングで、再びリストに追加されるようにします。


①シナリオで使用するスタティックリスト(受信者リスト)の準備

  1. オートメーションルールを使用し、契約の更新の数ヶ月前に、商談の取引先責任者の役割(更新案内対象者)に紐づくプロスペクトをリストに追加します。
  2. 商談のフェーズが高い場合や、すでに失注・受注が決まっている場合は、更新案内の必要がありませんので、これらの商談はリストから除外します。

このようにして、適切な受信者リストを作成し、管理することで、更新通知の効率性と正確性が高まります。


▼商談の取引先責任者の役割の設定場所

商談は直接Account Engagement と連携していないので、プロスペクトの商談の状況をAccount Engagementの条件で使用したい場合は、取引先責任者の役割を設定する必要があります。
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▼オートメーションルールを使用した受信者リストの設定例

  1. 商談フェーズの条件:商談のフェーズが「05〜09」の範囲を含まないプロスペクトのみを選択します。これにより、特定の商談フェーズにある顧客だけをターゲットにします。

  2. 契約更新日に基づく抽出:あるサービスの契約更新日の75日前から45日前の期間にあるプロスペクトを抽出します。これにより、更新が近づく顧客を効率的に特定できます。

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②シナリオの設定

契約更新案内のシナリオを設定していきましょう。先程作成したスタティックリストをこのシナリオの受信者リストとして使用します。


▼全体的な構成のポイント

  1. 特別なケースの対応:特定の事由により、契約更新の案内メールを送信できない場合があります。このような状況では、営業チームが個別に対応する必要が生じるので、ルールに基づいて分岐をした先でToDoを発行し、営業に対応を依頼します。

  2. 一般的なケースへの対処:上記の特別なケースを除く他の顧客には、契約更新が近づいた時点で更新案内のメールを自動的に送信します。このプロセスにより、顧客側はスムーズに更新手続きを進めることができ、サービス提供側は更新案内の作業を省力化することができます。

このシナリオにより、個別の顧客ニーズに応じたカスタマイズされた対応と、自動化による効率的な通知の両方が可能になります。

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③シナリオ終了後の処理

このブログで取り上げたサービスは、年間契約が自動更新されるタイプのサブスクリプションサービスです。このようなサービスでは、顧客に対して毎年契約更新の案内を行う必要があります。
また更新の数ヶ月前のタイミングになったら同じシナリオに入ってきて欲しいので、シナリオの再エントリ(繰り返し)を許可します。

しかし、受信者リストは静的リストなので、再エントリまでの日数を経過後すぐにまたシナリオを開始してしまいます。
そのため、シナリオに一度入ったプロスペクトは、シナリオ終了時に受信者リストから削除される必要があります。その後、再度更新契約のタイミングで、オートメーションルールを使用して、再びリストに追加されるようにします。


▼シナリオ繰り返しの設定例

シナリオは再エントリまで60日+エントリ総数の制限なしで設定します。こうすることで、最低2か月を置いてまた契約更新のタイミングになったらこのシナリオに再エントリされ、更新案内が自動で送られるという設定になります。(再エントリまでの日数は契約更新の期間を踏まえて設定してください)

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▼シナリオの最後の共通アクション

このままでは契約更新のタイミングを待たずに60日後にまたシナリオに再エントリされてしまうので、シナリオを通過したプロスペクトを一度受信者リストから削除します。
そのために、すべてのシナリオ分岐の最後に次の2つの共通アクションを設定することで、プロスペクトを受信者リストから削除する際の目印とします。

  1. プロスペクト項目の更新:「〇〇サービスシナリオ終了日」に当日の日付(TODAY)を記録します。こうすることで、プロスペクトをリストから抜くタイミングを指定できます。
  2. タグの適用:シナリオが終了したプロスペクトに「〇〇サービスシナリオ終了」というタグを付け、目印として使います。

スクリーンショット 2023-12-08 17.25.43.png


▼オートメーションルールを使用した受信者リストからの削除の設定例

  1. タグ「〇〇サービス終了」が付与され、「〇〇サービスシナリオ終了日」が過去に設定されているプロスペクトを特定します。
  2. 次に、これらの条件に合致するプロスペクトを受信者リストから削除し、同時にプロスペクトから「〇〇サービスシナリオ終了」のタグも削除します。

このプロセスにより、リストは常に最新の状態に保たれ、次回のシナリオ開始時に最適な受信者リストが確保されます。

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まとめ

本ブログでは、Account Engagementの「Engagement Studio」を活用して、顧客への定期的な通知を効率的に行う方法をご紹介しました。
サブスクリプションサービスにおける年間契約更新のシナリオを例に、自動化されたプロセスの重要性とその具体的な運用方法を詳しく見てきましたが、いかがでしたか?

このように、Account Engagementを用いることで、顧客に対してタイムリーかつ効果的な通知を提供し、顧客満足度の向上とビジネスの効率化を実現することができます。
是非、参考にしてみてください!

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